管工事施工管理技士の勉強法:独学で合格するまでの進め方

公開 ・執筆・編集:試験対策プロジェクトチーム(スタジオインサイト)

管工事施工管理技士は、第一次検定(マークシート)は「必須問題を固めてから、選択問題で解く範囲を絞る」、第二次検定(記述)は「施工要領図・工程表・法規・施工の留意事項の 4 つの型を手で書いて覚える」が勉強の骨組みです。この記事では、1級・2級それぞれについて、独学で何をどの順番に進めるかを書きます。

最初に決めること:受ける検定と、選択問題で解く範囲

勉強を始める前に決めておきたいのは、「今年どの検定を受けるか」と「選択問題をどこで取るか」の 2 つです。

1級は第一次検定が 9 月上旬、第二次検定が 12 月上旬の年 1 回ずつです。2級は第一次検定が前期(6 月)と後期(11 月)の年 2 回で、第二次検定は後期の第一次検定と同じ日に行われます。第一次検定と第二次検定の間が 1級で約 3 か月、2級の同日受検では 0 日なので、配分の考え方がまったく違います。日程の組み方は学習スケジュールの記事にまとめました。

管工事の第一次検定は、空気調和(空調)と給排水衛生(衛生)の両方の設備が範囲です。1級は空調・衛生設備の 23 問から 12 問、法規の 12 問から 10 問を選び、2級は空調・衛生設備の 17 問から 9 問、施工管理法の 10 問から 8 問、法規の 10 問から 8 問を選びます。空調の仕事をしている人は衛生を、衛生の仕事をしている人は空調を捨てたくなりますが、空調・衛生の区分は 1級なら 23 問中 12 問、2級なら 17 問中 9 問と半分以上を解く必要があり、片方だけでは数が足りない年が出ます。得意な側でほぼ全問、苦手な側で出題数の多い論点(空調なら空調方式と換気、衛生なら排水・通気と上下水道)を拾う、という分け方が現実的です。

必須問題は選べません。1級は一般基礎 14 問・設備機器と設計図書 7 問・施工管理法 9 問・施工管理法(応用能力)8 問の 38 問、2級は一般基礎 6 問・設備機器と設計図書 5 問・施工管理法(基礎的な能力)4 問の 15 問が必須です(令和8年度の問題用紙の区分)。

1級 第一次検定の勉強法

1級の第一次検定は 73 問が出題され、60 問に解答します。令和8年度の合格基準は、60 問中 36 問以上の正解と、施工管理法(応用能力)8 問中 4 問以上の正解の両方でした。全体で 40 問取れても、応用能力が 3 問以下なら不合格です。この基準があるので、勉強は午後の問題 B から始めます。

手順 1:問題 B の施工管理法と応用能力を論点ごとに

問題 B の No.1〜9(施工管理法)と No.22〜29(応用能力)は、施工計画・工程管理・品質管理・安全管理・機器の据付け・配管の施工・ダクトの施工・保温や試運転調整から、ほぼ 1 問ずつ出ます。応用能力は「適当でないものは二つあるので、二つとも答えなさい」という形式で、4 つの記述のうち誤りを 2 つとも見つける必要があります。1 つだけ分かっても点にならないので、ポンプ吐出し側の弁の順番、アンカーボルトのねじ山、ダクトの吊り間隔のような数値と順序を、記述の形のまま覚えてください。

手順 2:一般基礎 14 問は計算の型を先に

問題 A の No.1〜14 は、環境工学・流体工学・熱工学・電気設備・建築学の必須問題です。流体はダルシー・ワイスバッハの式(圧力損失は流速の 2 乗に比例)、連続の式、ベルヌーイの定理、熱は熱通過率と湿り空気線図、環境は室内空気の基準値と音の減衰が毎年のように出ます。公式の当てはめで解ける問題が多く、型を覚えれば得点源になります。

手順 3:空調・衛生設備は解く論点を決めて固定する

No.15〜37 の 23 問から 12 問です。令和7・8年度は、空調側(空調の計画・熱負荷・換気・排煙)が 11 問、衛生側(上下水道・給水・給湯・排水・消火・ガス・浄化槽)が 12 問でした。空調方式と自動制御、蓄熱、排水・通気は毎年複数問あるので優先し、消火設備やガス設備のように 1 問ずつの論点は余力があればで構いません。

手順 4:機器・材料と法規

No.38〜44 の 7 問は必須で、冷凍機・ボイラー・冷却塔・送風機などの機器、配管材料・ダクト附属品・保温材、公共工事標準請負契約約款と設計図書が出ます。法規は 12 問から 10 問なので、捨てられるのは 2 問だけです。労働安全衛生法・建築基準法・建設業法・消防法・廃棄物とフロンの各法から毎年 2 問前後が出るので、全部に一通り触れておきます。

1級管工事 第一次検定の過去問一覧(回別・論点別) →

2級 第一次検定の勉強法

2級の第一次検定は 52 問が出題され、40 問に解答します。合格基準は得点 60% 以上で、令和8年度前期は 40 問中 24 問以上でした。分野ごとの基準はありません。必須は 15 問だけで、残りの 25 問は選択なので、何を選ぶかで勉強の量が大きく変わります。

  1. 施工管理法(基礎的な能力)の 4 問を先に固める。令和6年度前期から令和8年度前期までの 5 回は、毎回「工程表」「機器の据付け」「配管の施工」「ダクトの施工」の 4 つで、二つ選ぶ形式。ここは必須なので落とせない
  2. 施工管理法の 10 問から 8 問。基礎的な能力と同じ論点に、施工計画・品質管理・安全管理・保温・試運転調整が加わる。1 の勉強がそのまま使える
  3. 空調・衛生設備の 17 問から 9 問。空調方式・熱負荷・換気・排水・上下水道を優先する
  4. 設備機器と設計図書の 5 問(必須)。設備機器は 2級で最も出題の多い論点で、配管・ダクトの材料も上位に入る
  5. 法規の 10 問から 8 問。建築基準法・建設業法・廃棄物とフロンを優先し、労働安全衛生法・労働基準法・消防法で残りを拾う
  6. 一般基礎の 6 問(必須)。環境・流体・熱・電気・建築から 1〜2 問ずつなので、深追いせずに過去問の範囲で

前期と後期は問題の構成が同じです。当サイトには平成29年度から令和8年度前期までの 17 回分があるので、論点ごとに解くと同じ論点が何回も出てきて、入れ替えられる数値や語句がすぐに見えてきます。

2級管工事 第一次検定の過去問一覧(回別・論点別) →

第二次検定の勉強法:令和6年度からの 4 つの型

第二次検定は記述式で、合格基準は得点 60% 以上です。主催者は解答を公表せず、配点も分かりません。令和6年度から問題の構成が変わり、令和7年度の問題用紙では、1級・2級とも問題 1・2・3 は全問解答、問題 4 と問題 5 から 1 問を選んで解答する形でした(2 問解答すると減点)。令和5年度までは施工経験記述が必須の問題でしたが、令和6・7年度の問題用紙にはありません。令和8年度の構成は、当日の問題用紙で確かめてください。試験時間は 1級が 2 時間 45 分、2級が 2 時間です。

問題 1:○×と施工要領図

施工の記述 5 つの正誤(○×)と、施工要領図・系統図の「適切でない部分」の改善策が出ます。図の誤りは、通気管の取出し位置、汚水ますと雨水ますの違い、受水タンクの間接排水、送風機の吐出し側のダクト、伸縮管継手の固定とガイドのように、第一次検定の施工管理法と同じ知識です。違いは、選ぶのではなく「どう直すか」を 1〜2 行で書くことです。第一次検定の勉強中から、誤りの選択肢を見たら正しい形を言葉にしておくと、第二次検定でそのまま使えます。

問題 2:工程表

1級はネットワーク工程表(クリティカルパス、作業の遅れによる工期の延長、トータルフロート・フリーフロート、工期短縮)、2級はバーチャート工程表と累積出来高曲線(工期、出来高の割合、並行作業や増員による短縮)が毎年出ます。答えが数値で一つに決まるので、型を覚えれば満点を狙える問題です。過去問を最低 5 年分、自分で図を書き直しながら解いてください。

問題 3:法規

労働安全衛生法の条文の空欄に、語句や数値を入れる問題です。令和5年度の問題用紙では工程表と法規のどちらかを選べましたが、令和6年度からはどちらも必須になったので、法規を捨てる作戦は取れなくなりました。作業主任者・特別の教育・技能講習の区別、墜落防止の 2m、石綿の記録の 40 年のように、問われる数値と語句は限られています。

問題 4・5:施工の留意事項と「特に重要と考え実施すること」

問題 4 は空調、問題 5 は衛生で、どちらか 1 問を選びます。設備の概要(建物、機器、配管材料)が示され、配置・据付け・配管・試運転調整の留意事項を 4 つ書く設問と、機器や材料の特徴、受入検査や総合試運転調整で「特に重要と考え実施すること」を書く設問が続きます。「工程管理及び安全管理に関する事項は除く」と条件が付くので、安全の話を書くと点になりません。自分の仕事に近い側を早めに決め、過去問の設備概要を見て、留意事項を 1 項目 1〜2 行で書く練習を繰り返してください。

令和5年度までの施工経験記述の過去問と書き方は施工経験記述のページにまとめています。現在の問題 4・5 の「特に重要と考え実施すること」も、自分が現場で確かめた手順を具体的に書く点は同じです。

過去問の回し方

第一次検定の過去問は、次の順で 3 周すると、同じ時間でも定着が違います。

  1. 1 周目は直近 2 回分を回ごとに解く。正答率は気にせず、どの区分に何が何問出るかと、自分が選ぶ問題の番号の範囲を確かめる
  2. 2 周目は論点ごとに解く。当サイトの論点ページ(たとえば1級 空気調和の計画・方式や2級 配管の施工)は同じ論点の問題を年度をまたいで並べているので、数値の入れ替えの型が見えます
  3. 3 周目は間違えた問題だけ。4 つの記述のどこが誤りで、正しくは何かを声に出して言えるまで繰り返す
  4. 試験の 2 週間前からは、直近の回を本番と同じ時間で通しで解き、選ぶ問題を決める手順まで練習する

法規は改正があるので、直近 5 年分を中心にします。古い年度で答えが変わった問題は、当サイトでは「問題改訂」として現行の法令に合わせ、解説に原文との違いを書いています。

よくある質問

空調と衛生のどちらかだけを勉強しても受かりますか?

第一次検定の空調・衛生設備の区分は、1級が 23 問から 12 問、2級が 17 問から 9 問を選ぶ方式で、どちらかだけでは解答数がそろわない年があります。得意な側を深く、苦手な側は出題数の多い論点(空調方式・換気、排水・通気・上下水道)だけ、という分け方をすすめます。

計算問題が苦手です。捨ててもいいですか?

1級の一般基礎 14 問は必須で、流体や熱の計算が毎年出ます。全部を捨てると合格ラインの 36 問が遠くなるので、ダルシー・ワイスバッハの式・連続の式・熱通過率のように型が決まった問題だけでも取れるようにしてください。

第二次検定に施工経験記述はありますか?

令和6年度と令和7年度の 1級・2級の問題用紙に施工経験記述の問題はなく、問題 1〜3 が必須、問題 4・5 から 1 問を選ぶ構成でした。令和8年度以降の構成は、受検の手引と当日の問題用紙で確かめてください。

テキストは必要ですか?

第一次検定は解説つきの過去問で論点の型をつかめば、テキストは分からない用語を調べる辞書として足ります。第二次検定の施工の留意事項は、公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)などの施工の基準を手元に置くと、数値の根拠を確かめやすくなります。

あわせて読む

出典・参考:一般財団法人 全国建設研修センター 1級管工事施工管理技術検定、同 2級管工事施工管理技術検定(出題数・合格基準・試験時間は令和8年度の受検の手引・試験問題・合格発表資料、第二次検定の構成は令和7年度の試験問題による)

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