原価計算の理論・用語
重要度 B第2・3・4問で出題過去問 9問
原価計算の理論・用語は、建設業経理士2級の第29〜39回(11回)のうち9回で出題された論点です(収録142問中9問・重要度B)。出題されるのは第2問・第3問・第4問です。
要点:個別原価計算と総合原価計算、直接費と間接費、固定費と変動費、原価計算基準の用語、非原価項目。記号選択で問われる。
経費・工事原価の分類もこの論点に含めて扱います。それぞれの要点は、問題の一覧の下にまとめています。
覚える要点
- 原価計算基準の原価の本質:経済価値の消費、経営で作り出された給付に転嫁される価値、経営目的に関連、正常的なもの。「市場価値」「標準的」は誤り。
- 実際工事原価計算の段階は第一次 費目別計算→第二次 部門別計算→第三次 工事別計算(製品別計算)。
- 工事原価はプロダクト・コスト、本社の管理費は期間原価(販管費)、支払利息や盗難損失は非原価。個別原価計算は指図書・工事ごと、総合原価計算は期間原価÷生産量。
- 営業費は注文獲得費(広告・市場調査)、注文履行費(物流・集金・アフターサービス)、全般管理費(経理部など)に分ける。受注前か後かで区別する。
- 部門共通費の配賦基準は性質によりサービス量基準(動力使用量)、活動量基準(作業時間)、規模基準(面積・従業員数)に、数値の内容により数量・時間・金額基準に分かれる。複合配賦基準は重量×運搬回数。
勉強のしかた:第3問・第4問の記号選択で用語を問う。基準の原文の言い回しと3〜4分類の対応表を作り、用語群の余り(ひっかけ)に惑わされない練習をする。
この論点の引っかけ・間違えやすい点
収録している過去問の解説から、原価計算の理論・用語で間違えやすい点を集めました。
- 第39回 第4問 問1:文の順番が (1) 工事別 → (2) 部門別 → (3) 費目別と、計算段階の逆順に並んでいる。(3) を先に確定させると 4 = 費目、6 = 一と決まり、残りが埋めやすい。「形態(A)」「工種(H)」は原価の分類の用語で、計算段階の名前ではない。
- 第38回 第4問 問2:「単一」「複合」は配賦率の設定方法(単一配賦率・複合配賦率)、「費目一括」は費目別配賦か一括配賦かの区別で、本問の分類とは別物。用語群の余りに惑わされない。
- 第36回 第3問 問1:空欄 1 と 3 は文中に2回ずつ出てくるので、両方に当てはまる語(獲得・履行)を選ぶ。「受注」を 1 に入れると「受注した注文を…」となって意味が通らない。
- 第35回 第4問 問2:1 と 2 は「総合」と「個別」の対比。「量産」「期間」「生産量で割る」が出たら総合原価計算、「指図書」「工事ごと」が出たら個別原価計算。事前原価計算の対は事後原価計算(実際原価計算)。
- 第34回 第4問 問1:「No.101 工事」と書いてあっても、盗難損失のような異常な損失は工事原価にならない。逆に「支店」の費用でも現場の工事のために直接かかったものなら工事原価になる。発生場所ではなく「施工のために正常に発生したか」で判断する。
- 第33回 第4問 問1:「本社」の費用は期間原価(B)、「現場」の費用は工事原価(A)が基本。支払利息などの財務費用と、盗難・災害などの異常な損失は原価にならない(C)。
この論点の問題
実際工事原価計算の基本構造(費目別・部門別・工事別計算の 3 段階)第39回 第4問 問1
部門共通費の配賦基準の分類(用語選択)第38回 第4問 問2
営業費の分類(注文獲得費・注文履行費・全般管理費)第36回 第3問 問1
工事原価計算の種類(形態別・事前・総合・個別)第35回 第4問 問2
工事原価に算入すべき費用かどうかの判定第34回 第4問 問1
原価計算制度における費用・損失の区分(プロダクト・コスト/ピリオド・コスト/非原価)第33回 第4問 問1
部門共通費の配賦基準の分類(用語選択)第32回 第4問 問1
原価計算基準における原価の4つの本質第31回 第4問 問1
営業費の分類(注文獲得費・注文履行費・全般管理費)第30回 第4問 問1
経費・工事原価の分類
支払経費・月割経費・測定経費・発生経費の計算。工事直接費と工事間接費、現場経費と本社経費の区別。
- 工事原価になるのは工事の施工のために現場で正常に発生した費用。本社・支店の管理部門の費用や営業活動の費用は販売費及び一般管理費。
- 資材の盗難損失など異常な原因による損失は非原価項目で、工事番号が付いていても工事原価にしない。
- 発生場所ではなく「施工のために正常に発生したか」で判断する。支店の費用でも現場の工事に直接かかれば工事原価。
- 現場経費の当月発生額は支払額に前払・未払の増減を加減して求める(支払経費・月割経費・測定経費・発生経費)。
勉強のしかた:第4問の記号選択で出る。費用を「現場・正常」「本社・営業」「異常」の3つに仕分ける練習をし、完成工事原価報告書の経費集計と結びつけて覚える。
この内容を問う過去問:第34回 第4問 問1
同じ大問で出る論点
第2・3・4問では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。
B 固定資産の取得・減価償却・売却B 決算整理・経過勘定・帳簿の締切A 工事進行基準・完成工事高B 銀行勘定調整・当座預金の残高照合A 完成工事原価報告書・工事原価の集計B 完成工事補償引当金・工事損失引当金など
出題実績は資格試験対策.netが第29〜39回の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。