固定資産の減価償却・除却・資本的支出

重要度 A第3・4・5問で出題過去問 7問

固定資産の減価償却・除却・資本的支出は、建設業経理士1級 財務諸表の第29〜39回(11回)のうち6回で出題された論点です(収録97問中7問・重要度A。うち7問は精算表・会計処理の正誤の一部として出題)。出題されるのは第3問・第4問・第5問です。

要点:定額法(残存価額ゼロが多い)で当期の減価償却費を計上し、未成工事支出金または完成工事原価に振り替える。水没した 1 台は減価償却後の帳簿価額(取得原価−累計額)を固定資産除却損にし、取得原価と累計額の両方を減らす。修理費のうち耐用年数を延長させた部分は資本的支出として取得原価に加え、残りは収益的支出として費用にする。耐用年数の見積変更や償却方法の変更は会計上の変更として処理する。

資産除去債務もこの論点に含めて扱います。それぞれの要点は、問題の一覧の下にまとめています。

覚える要点

  • 減価償却費は未成工事支出金(現場用)または完成工事原価に計上し、指示があれば70%・30%などに分ける。水没した1台は当期分も含めて償却してから、帳簿価額を固定資産除却損にする。
  • 除却時は取得原価と累計額の両方を減らす。貸借対照表の機械装置は取得原価から除却分(と減損分)を引いた額、累計額は当期償却を足して除却分を引いた額。
  • 修理費のうち耐用年数を延長させた部分は資本的支出として機械装置に加え、性能回復分は収益的支出として未成工事支出金へ。修理後の償却費=(期首帳簿価額+資本的支出)÷延長後の残存耐用年数。
  • 購入資金の借入利息は付随費用ではなく営業外費用で、取得原価に含めない(自家建設の稼働前利息だけが例外)。
  • 耐用年数が到来してもなお使用中の資産を簿外資産にすることは認められない。

勉強のしかた:第5問(1)は減価償却→除却→減損の順に処理する。残高試算表の累計額が前期末までの分であることを確認し、除却資産の累計額を「取得からの年数×年償却額」で出す練習をする。

この論点を含む問題

次の問題では、精算表・会計処理の正誤の中の一部として固定資産の減価償却・除却・資本的支出が問われます。解説の該当箇所で、この論点の処理を確かめてください。

資産除去債務

撤去費用の見積額を割り引いて資産除去債務を計上し、同額を機械装置の取得原価に加えて減価償却する。毎期、割引率分の利息費用を計上して債務を増やす。実際の撤去支出と債務残高の差は履行差額とする。売却時は帳簿価額と売却額の差を固定資産売却損益にする。

  • 資産除去債務は撤去費用の見積額を割引率で割り引いた現在価値で計上し、同額を機械装置の取得原価に加えて減価償却する。
  • 毎期、期首の債務残高×割引率を利息費用として計上し債務を増やす。利息費用は営業外費用ではなく減価償却費と同じ区分。
  • 撤去時は実際支出額と債務残高の差を履行差額にし、売却時は帳簿価額(残存価額)と売却額の差を固定資産売却損益にする。
  • 残高試算表の機械装置に含まれる除去債務分(見積額÷(1+割引率)^年数)と債務残高を読み取ってから当期の処理をする。当期償却費は要償却額から前期までの累計額を引いた差額で求める。

勉強のしかた:第32回の精算表で一度出た論点。減価償却→利息費用→撤去→売却の順に処理し、仮払金・仮受金の整理で全額が消えることを確認する。正誤では利息費用の表示区分が問われる。

この内容を問う過去問:第31回 第3問 ・第32回 第5問

同じ大問で出る論点

第3・4・5問では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。

出題実績は資格試験対策.netが第29〜39回の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。