財務分析の基礎(外部分析・内部分析、比率分析の種類)

重要度 B第1・2問で出題過去問 7問

財務分析の基礎(外部分析・内部分析、比率分析の種類)は、建設業経理士1級 財務分析の第29〜39回(11回)のうち4回で出題された論点です(収録78問中7問・重要度B)。出題されるのは第1問・第2問です。

要点:外部分析は公表データに基づき投資家・株主・債権者などが行い、内部分析は経営管理者が内部データで行う。外部分析は情報が限定されるため予算差異分析などはできない。比率分析には構成比率・関係比率・趨勢比率があり、構成比率分析は百分率法とも呼ぶ。

地域別・規模別・業種別分析もこの論点に含めて扱います。それぞれの要点は、問題の一覧の下にまとめています。

覚える要点

  • 外部分析は投資家(投資判断)・株主(収益力の確認と保有継続の判断)・銀行等の与信者(債務返済能力)が公表データで行い、内部分析は経営管理者が内部データで行う。
  • 外部分析の限界は情報の非対称と公表データへの制約で、予算差異分析や標準原価差異分析のように内部データを要する分析はできない。
  • 比率分析は構成比率分析(全体を100とする百分率法。損益計算書は売上高、貸借対照表は総資産)・関係比率分析(関連する2項目の比率。特殊比率分析とも)・趨勢比率分析(基準年度を100)の3つ。
  • クロス・セクション分析は同一時点の他企業・業界平均(行政機関等の標準比率)と比べる企業間比較分析で、時系列分析と対をなす。ベンチ・マーキングはその発展形。

勉強のしかた:第1問の記述と第2問の正誤で出る基礎論点。「誰が・何のために」(外部分析)と「何を分母にするか」(比率分析3種)の2軸で整理し、各200〜300字の型を作っておく。

この論点の引っかけ・間違えやすい点

収録している過去問の解説から、財務分析の基礎(外部分析・内部分析、比率分析の種類)で間違えやすい点を集めました。

  • 第36回 第1問 問1:定義だけでなく、なぜ建設業でその分類が重要かの理由まで書く。比較の前提であるという総論も要素の一つ。
  • 第36回 第1問 問2:「業種が多様だから」だけでは足りない。比率の開きという事実と、外部分析・内部分析それぞれでの使われ方まで書く。
  • 第31回 第2問 1:「関係比率分析」を「特殊比率分析」と呼ぶことがあり、名称の違いを誤りと勘違いしない。百分率法の基準は損益計算書が売上高、貸借対照表が総資産(総資本)で、自己資本ではない。
  • 第30回 第1問 問1:定義だけで終わると設問の「各利害関係者の観点」に答えていない。投資家(買うか)と株主(持ち続けるか)は目的を書き分ける。
  • 第30回 第1問 問2:「情報が少ない」で終わらせず、内部分析との対比と具体例(予算差異分析・標準原価差異分析)を入れる。粉飾や会計方針の差といった財務諸表分析一般の限界に広げすぎない。
  • 第29回 第1問 問1:「業界平均と比べる分析」だけで終えると目的とベンチ・マーキングへの展開が抜ける。時系列分析との区別を冒頭で明確にする。

この論点の問題

地域別・規模別・業種別分析

建設業の経営分析では、企業を地域別・規模別(資本金や完成工事高)・業種別(総合工事業・職別工事業・設備工事業など)に区分して平均値と比較する。同一条件の企業群との比較で分析の意味が明確になる。第36回に記述で出題された。

  • 地域別分析は大都市地域か雪寒地域かなど地域の事情を踏まえた分析。建設業は屋外工事が中心で同一土地に一建造物、気候など自然条件に左右されるため地域で経営体質が異なる。
  • 規模別分析は総資本額・完成工事高・従業員数などの規模を踏まえた分析。建設業は大手から零細まで規模の幅が他産業にないほど広い。
  • 業種別分析は下請制度と専門化・職能化で業種が多様で、業種により利益率・回転率に開きがあるため必要。外部分析では業界平均値の算定、内部分析では競合他社比較に用いる。
  • いずれも経営比較・企業比較を行う前提で、同じ条件の企業群と比べることで分析の意味が明確になる。

勉強のしかた:第36回に記述で出た論点。定義だけでなく「なぜ建設業でその区分が必要か」の理由(自然条件・規模の幅・下請制度)まで250字で書けるよう準備する。

この内容を問う過去問:第36回 第1問 問1・第36回 第1問 問2

同じ大問で出る論点

第1・2問では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。

出題実績は資格試験対策.netが第29〜39回の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。