造園施工管理技士 第一次検定の頻出論点:重要度 A の要点と引っかけ
造園施工管理技士の第一次検定は、同じ論点が数値や語句を入れ替えて繰り返し出る試験です。当サイトに収録した 1級 10 回分(650 問)と 2級 17 回分(690 問)を論点ごとに数え、出題の多い論点の要点と、誤りの選択肢によく使われる形を整理しました。
出題数の多い論点
| 論点 | 1級(10 回) | 2級(17 回) |
|---|---|---|
| 植栽・移植 | 43 問 | 75 問 |
| 造園植物 | 35 問 | 52 問 |
| 土壌・肥料 | 25 問 | 50 問 |
| 庭園の施工 | 34 問 | 22 問 |
| 工程管理 | 58 問 | 41 問 |
| 安全管理 | 50 問 | 51 問 |
| 施工計画・品質管理 | 43 問・42 問 | 38 問・25 問 |
| 樹木の規格・植栽基盤の調査 | 38 問 | 30 問 |
| 公園施設 | 39 問 | 38 問 |
| 建設業法 | 26 問 | 24 問 |
1級は施工管理法の比重が大きく、2級は植栽・植物・土壌の比重が大きいのが違いです。能力問題(1級 問題B No.24〜29、2級 No.37〜40)も、中身は植栽・樹木の規格・施工計画・安全なので、下の要点がそのまま使えます。
植栽・移植
- 根回しの適期は春の萌芽前から梅雨期まで。秋〜冬の休眠期は新根が出にくく適さない。溝掘り式は太根を三方か四方に残し、幅 10〜15cm 程度を形成層まで環状はく皮する(「内皮を残す」「幅 3cm」は誤り)。断根式は浅根性・小径の樹木向き
- 根鉢の径は根元直径の 3〜5 倍程度。掘取りは根回しの位置より一回り外側で行い、新根を切らない
- 枝しおりは梢に近い上部の枝から下方の枝へ、各段では幹に近い内側の枝から外側の枝へ
- 植穴の底は耕して中高にし、元と同じ深さに植える。水極めは水を注いで棒で突く方法で、過湿を嫌うマツ類・ジンチョウゲは土極め。肥料は根に直接触れさせない
- 添え柱支柱は中木などの小さな樹木用で、樹高 3.5m の高木に使う選択肢は誤り。1級は支柱の形式と幹周の区分(八ツ掛(竹)20cm 未満、二脚鳥居(添木付)30cm 未満、三脚鳥居・十字鳥居 30cm 以上 60cm 未満)
- 当年枝に花芽ができて年内に咲くのはサルスベリ・ムクゲ・キンモクセイ・ハギ。ツツジ類・ハナミズキ・ジンチョウゲ・ツバキは前年の夏に花芽をつくるので、秋の剪定で翌年の花を失う
造園植物と土壌・肥料
造園植物
- 耐陰性が強いのはアオキ・ヤツデ・カクレミノ・マンリョウ。アカマツ・ユリノキ・シラカンバは陽樹
- 防火力はサンゴジュ・モチノキ・イチョウ(アカマツ・ヒマラヤスギは樹脂で燃えやすい)、潮風に強いのはウバメガシ・トベラ・クロマツ
- 早春の黄色い花はレンギョウ・ロウバイ・サンシュユ・ヒュウガミズキ。「白色」として出たら誤り
- 春播き一年草はサルビア・マリーゴールド・ケイトウ、秋播き一年草はパンジー・キンセンカ・ストック、宿根草はキキョウ・ギボウシ、球根類はムスカリ・スイセン。2 種の区分を入れ替える選択肢が多い
- 日本芝は夏型・ほふく型で乾燥と踏圧に強く日陰に弱い。ウインターオーバーシーディングは暖地型の芝の上に寒地型の芝草を播く(逆は誤り)
- 遷移の先駆植物は陽性で貧栄養に耐える(「陰性」は誤り)。極相は陰樹林
土壌・肥料
- 植物が吸収できる有効水は毛管水。重力水はすぐ流れ去り、吸湿水は土粒子に強く吸着されて使えない
- 圃場容水量は重力水が抜けた後の水分、最大容水量は孔隙がすべて水で満たされたときの水分(入れ替えが定番)
- 腐植はアルミニウムを不活性化してリン酸の固定を抑える。雨の多い日本の土は酸性化しやすく石灰質資材で改良するが、市街地の土はコンクリートの影響でアルカリ化しやすい
- 黒曜石パーライトは透水性・通気性、真珠岩パーライトは保水性、バーミキュライト・ゼオライトは保肥力。ピートモスは酸性
- 窒素は葉肥、リン酸は実肥、カリは根肥。リン酸が欠乏すると葉が暗緑色になり花芽分化が悪くなる
庭園の施工と日本庭園
- 滝の役石は水落石・脇石・水受石・水分石、流れの役石は横石・水越石・水切石・底石。「脇石は両岸に据えて流れの幅を狭める」(正しくは横石)、「水受石は水を盛り上げる」(正しくは水越石)は毎年のように出る誤り
- 飛石は起点の踏込石から据える(「終点の踏止石から」は誤り)。延段は周辺の角石を先に据えて中央へ張り、目地は幅 1〜1.5cm、四つ目地・通り目地・八つ巻きを避ける
- 茶室の客の出入口はにじり口、中潜りの外露地側は客石・内露地側は乗越石、蹲踞の役石は前石・湯桶石・手燭石
- 建仁寺垣・網代垣は遮蔽垣、四つ目垣・光悦寺垣は透かし垣
- 平安時代=浄土式(平等院・毛越寺)、室町時代=枯山水(龍安寺方丈・大徳寺大仙院)、江戸時代=池泉回遊式(桂離宮・六義園)。天龍寺(夢窓疎石)・醍醐寺三宝院(桃山)・無鄰庵(明治)はどの組にも入らない
施工管理法
- 工程:ダミーは日数 0 の作業として経路に含め、合流する結合点では大きい値をとる。作業を短縮したら全経路を計算し直す。工期を縮めると直接費は増え間接費は減り、合計が最小の工期が最適工期。歩掛りの日数の端数は切り上げる
- 安全:移動式クレーンはつり上げ荷重 5t 以上が免許、1t 以上 5t 未満が小型移動式クレーン運転技能講習、1t 未満が特別教育。高所作業車は作業床 10m 以上が技能講習。作業主任者は地山の掘削 2m 以上、足場の組立て 5m 以上。作業床は幅 40cm 以上・隙間 3cm 以下
- 施工計画:計画の名称と中身の入れ替え(緊急時の連絡体制は安全管理計画、騒音・振動の防止は環境保全計画)。廃棄物の処理の委託は収集運搬と処分をそれぞれ書面で契約し、マニフェストの写しは 5 年保存。建設リサイクル法の届出は発注者が着手の 7 日前までに都道府県知事へ
- 品質:品質特性→品質標準→作業標準の順に決める。ヒストグラムは規格値に対するゆとり、管理図は工程の安定を見る(役割の入れ替えが定番)。レディーミクストコンクリートは 1 回が呼び強度の 85% 以上かつ 3 回の平均が呼び強度以上
- 樹木の規格:規格基準は搬入時に適用し、寸法は最低値。枝張は最長と最短の平均、幹周は根鉢の上端から 1.2m 上り。株立物は所要樹高の 70% に満たない幹を除き、残りの周長の総和×0.7(「75%」は誤り)。品質規格は樹姿 5 項目と樹勢 7 項目。長谷川式土壌貫入計の S 値は小さいほど硬い
- 公園施設:陸上競技場・テニスコートは長軸を南北に。トラックの排水勾配は走る方向 1/1,000 以下・横断方向 1/100 以下、テニスコートは片流れ。園路の幅は 180cm 以上(やむを得ない場合 120cm)、傾斜路は 8% 以下で高さ 75cm ごとに踊場。遊具の安全領域は落下高さ 600mm 以下で 1.5m、超えると 1.8m(都市公園における遊具の安全確保に関する指針 改訂第3版)
法規
法規で毎回 1〜3 問出るのが建設業法です。二以上の都道府県に営業所を置くなら国土交通大臣、一つなら知事の許可(工事の場所ではなく営業所で決まる)。特定建設業の許可と監理技術者は下請代金の総額 5,000 万円(建築一式 8,000 万円)以上、専任が要るのは請負代金 4,500 万円(建築一式 9,000 万円)以上で、金額は 2025 年 2 月の改正後の値で覚えます。公共工事では下請契約を結べば金額にかかわらず施工体制台帳を作り、工事現場ごとに備えます。
都市公園法は「公園施設か占用物件か」が定番で、保育所などの通所の社会福祉施設は占用できるが診療所は占用できない、派出所は占用物件、という区別が繰り返し出ます。道路で作業するときは、足場や板囲を置いて継続して使うのが道路法の占用(道路管理者の許可)、剪定などの作業が道路交通法の使用(警察署長の許可)です。
第二次検定の頻出論点(植栽基盤・移植・規格基準・工程表・安全) →
よくある質問
1級と2級で覚える数値は違いますか?
根回しの適期、株立物の判定、クレーンの資格などの基本は同じです。1級は支柱の幹周の区分、運動施設の排水勾配、建設業法の細かな手続きなど、同じ論点でも一段細かい数値が問われます。
法規は捨ててもいいですか?
全問必須なので捨てられません。1級は法規が毎回 7〜8 問出ます。建設業法と都市公園法は出題の型が決まっているので、過去問の範囲で得点源にできます。
造園植物はどこまで覚えればよいですか?
過去問に出た樹種と草花で十分です。耐陰性・防火力・耐潮性、花の色と開花の順、花壇植物の区分の 3 つを表にまとめると、同じ樹種が何度も出ていることが分かります。
あわせて読む
出典・参考:1級造園施工管理技術検定 第一次検定(平成29年度〜令和8年度)・2級造園施工管理技術検定 第一次検定(平成29年度〜令和8年度前期)の試験問題と正答肢(一般財団法人 全国建設研修センター)。出題数は当サイトが論点ごとに数えたもの、公共用緑化樹木等品質寸法規格基準(案)、都市公園における遊具の安全確保に関する指針(改訂第3版)、建設業法・同施行令(2025年2月の金額の改正後)
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