造園施工管理技士 第二次検定の頻出論点:植栽基盤・移植・規格基準・工程表・安全
造園施工管理技士の第二次検定は、記述式でも出題の型がはっきりしています。当サイトが平成28年度〜令和7年度の 1級・2級の第二次検定(実地試験を含む)を整理すると、移植の手順、規格基準の判定、安全の規則と措置はほぼ毎年、1級のネットワーク式工程表と 2級の張芝は毎年のように出ていました。型ごとに、問われる語句と数値、答え方をまとめます。
令和6年度からの構成
| 問題(令和6・7年度) | 1級(すべて必須) | 2級(すべて必須) |
|---|---|---|
| 問題 1 | 図面・工事数量表と条件に基づく施工管理(植栽基盤・移植・植栽・遊具など) | 工事数量表と条件に基づく施工管理(高木植栽・移植・張芝、工程の正誤) |
| 問題 2 | 工程管理(ネットワーク式工程表、工程計画) | 安全管理(クレーン・高所作業・刈払機・バックホウ・利用者の安全) |
| 問題 3 | 品質管理(規格基準・植栽基盤の判定) | — |
| 問題 4 | 安全管理(規則の穴埋めと措置) | — |
令和5年度までは、1級・2級とも問題 1 が施工経験記述でした(施工経験記述のページ)。設問の中身は大きく変わっていないので、平成28年度からの過去問がそのまま練習になります。
植栽基盤の調査と改良
- 長谷川式土壌貫入計:S 値(cm/drop)は 1 回の落下で入る深さで、小さいほど硬い。1.5〜4.0 が良好、1.0 未満は根の伸長が妨げられ、0.7 以下は根がほとんど入らない固結した状態。グラフから「深さ何 cm から何 cm まで S 値がいくつ未満の層が続くか」を数値で書く(1級 令和4年度)
- 長谷川式簡易現場透水試験器:落ち着いた後の 20 分間の減水量を 3 倍して mm/hr に直す(15mm なら 45mm/hr)。100mm/hr 以上が良、30mm/hr に届かなければ不良、その間が可(1級 令和7年度)
- 改良の方法:普通耕(表層 20cm 程度)・深耕・混層耕・心土破砕の使い分け。粘性土の透水性には黒曜石パーライト、保水性には真珠岩パーライト、強い酸性(pH 4 台など)には炭酸カルシウムなどの石灰質資材
- 暗渠排水:溝底を排水先へ一様な勾配に仕上げ、有孔管の周りをフィルター材で包み、透水シートをかぶせてから埋め戻す
- 表土の仮置き:湿った状態で重機を走らせない、高く積みすぎない。透水性が悪いと土が酸欠になり根腐れを起こす
移植の手順:根回しから養生まで
- 根回し(溝掘り式):根元直径の 3〜5 倍程度の鉢を定め、支持根を三方か四方に残して幅 10〜15cm 程度を形成層まで環状はく皮し、ほかの根は鋭利な刃物で切り直す。良質土で埋め戻して突き固め、灌水し、支柱を付ける。適期は春の萌芽前から梅雨期まで
- 掘取りの準備:上鉢のかき取り・枝しおり・仮支柱の取付け。名称を穴埋めで問われる(2級 平成30年度・令和2年度・令和5年度)。枝しおりは梢に近い上部の枝から下方へ、内側の枝から外側の枝へ
- 掘取りと根巻き:根回し済みの木は根回しの位置より一回り外側を掘る。根巻きは根鉢の側面を水平に巻く樽巻き、次に肩から底へ縄を掛け回す揚巻きの順。目的は「鉢崩れによる細根の切断を防ぐ」「根鉢の乾燥を防ぐ」
- 積込み・運搬・保管:吊り位置の幹に緩衝材を当て、荷台では根鉢を固定してシートで覆う。すぐ植えられないときは根鉢を覆土し、シートで覆って散水する
- 植付け:植穴の底を耕して中高にし、深植えを避け、表を主な視点に向けて立てる。水極めは水を注いで棒で突き、過湿を嫌うクロマツなどは土極め。最後に水鉢を切って灌水する
- 養生:幹巻き(幹からの蒸散と幹焼けの防止)、マルチング(土壌の乾燥と雑草の抑制)、寒冷紗かけ。目的を 2 つずつ書かせる設問が多い
工期と樹種の組合せにも注意します。常緑広葉樹を厳寒期に植える計画は避け、月ごとの工事可能日数を積み上げて高木植栽が植栽の適期に当たる計画順序を選ぶ問題が、1級で令和3年度・令和6年度に出ています。
支柱と結束、張芝と目土
支柱と結束
支柱の名称を図から答え、結束の方法を書く問題が 2級で繰り返し出ます。丸太と幹の交差部は杉皮などの保護材を巻いてシュロ縄で割り縄がけに結束し、丸太どうしは釘打ちのうえ鉄線がけ、唐竹は節止めにします。八ツ掛は基部を地中に埋めて根止め杭を打ちます。
張芝と目土
- 作業手順:耕耘→不陸整正→植付け→目土かけ→ローラかけ。空欄に作業名を入れる形が 2級で頻出
- 植付け方法の名称:略図から、べた張り・目地張り(目地 30mm 以内、縦目地をずらす)・市松張り・筋張りを答える
- 目土:雑草の種子やれきを含まない砂質土をふるって使い、目地のくぼみにかき入れて全面に均一にかける。効果はほふく茎と根の乾燥防止と活着の促進、芝生面を平らに仕上げること
- 斜面の張芝(1級):法尻から張り上げ、縦の目地を通さず、切り芝 1 枚に目串を 2〜3 本打って止める
規格基準の判定
1級の品質管理でほぼ毎年、2級でも数年おきに出ます。株立物の合否は次の順に確かめます。
- 所要樹高の 70% を計算し(3.5m なら 2.45m)、それに満たない幹を株立数にも幹周にも数えない
- 3本立以上なら、指定株立数の過半数(2 本)が所要樹高以上か
- 数える幹が指定の株立数以上あるか(3本立以上の指定に 2本立は不適合)
- 数える幹の周長の総和×0.7 が規格の幹周以上か。ちょうど規格値は合格
幹周は根鉢の上端から 1.2m 上りで測り、そこで枝が分かれていればその上部を測ります。枝張は最長と最短の平均で、一部の突出した枝は含めません。品質規格は樹姿(樹形・幹・枝葉の配分・枝葉の密度・下枝の位置)と樹勢(生育・根・根鉢・葉・樹皮・枝・病虫害)に分け、シバ類は葉・ほふく茎・根・病虫害・雑草等です。「枝葉の配分」と「枝葉の密度」は別の項目なので混同しないでください。
ネットワーク式工程表と工程計画(1級)
毎年 1 問、未完成のネットワーク式工程表を条件どおりに完成させ、全所要日数・クリティカルパス・トータルフロート・作業日数の変更後や短縮後の工期を答える問題が出ます。最早結合点時刻は合流で最大値、最遅結合点時刻は分岐で最小値をとり、日数が変わったら全経路の日数を書き出してクリティカルパスが移っていないかを確かめます。
あわせて、工期・建設費曲線の語句(ノーマルタイム・クラッシュタイム・最適工期)、作業可能日数(暦日から定休日と天候などによる作業不能日数を引く)、稼働率を下げる要因・管理不良による時間損失・突貫工事で原価が上がる要因を 2〜3 つ書く設問が交互に出ます。2級でも令和6・7年度に建設費と工期、工程図表の穴埋め・正誤が出ました。
安全:クレーン・高所作業車・刈払機
- 移動式クレーンの資格:つり上げ荷重 5t 以上は免許、1t 以上 5t 未満(4.9t を含む)は小型移動式クレーン運転技能講習、1t 未満は特別の教育。6.0t の荷をつるにはつり上げ荷重 5t 以上のクレーンが要るので免許。玉掛けは 1t 以上なら玉掛け技能講習
- 玉掛け:ワイヤロープの安全係数は 6 以上、素線の 10% 以上の切断や直径の 7% を超える減少があれば使わない。2 本づりのつり角度(ロープの開き角)は 60 度以内。フックは荷の重心に誘導し、ブームのたわみで作業半径が大きくなるのでやや内側に合わせる。合図者は 1 人、介錯ロープは荷の端部、地切りで一旦止める
- 強風で中止するとき:荷を下ろし、ジブを縮めて固定し、ブレーキをかけ、エンジンを止めてキーを抜いてから運転位置を離れる
- 高所作業車・はしご:作業床 10m 以上は技能講習。作業指揮者を定め、アウトリガーを張り出す。高さ 6.75m を超える箇所の墜落制止用器具はフルハーネス型。3m 以上から枝を投下するときは投下設備と監視人。移動はしごは幅 30cm 以上、脚立は脚と水平面の角度 75 度以下
- 刈払機(肩掛け式草刈り機):一連続おおむね 30 分以内で 5 分以上休止。防護めがね・すね当て・防振手袋を使い、斜面での上下作業を避ける
- 現場の措置:供用中の公園は柵で囲い誘導員を置く。バックホウの旋回範囲は立入禁止で、近くで作業させるなら誘導者の合図で。ツールボックスミーティングは当日の作業・分担・危険予知、熱中症は WBGT と水分・塩分の摂取
正誤の問題では、「重心」を「中心」、「やや内側」を「外側」、「1 人」を「複数」にするような入れ替えが繰り返し出ています。
よくある質問
第二次検定の記述は何字くらい書けばよいですか?
問題用紙に字数の指定はありません。当サイトの模範解答は、措置や留意事項 1 つを 60 字程度、目的や理由を 80 字程度にまとめています。長さより、方法・部位・数値が入っているかが大切です。
1級と2級で第二次検定の中身はどう違いますか?
2級は高木の植栽・移植・張芝と安全の 2 問です。1級はこれに植栽基盤の調査と改良、ネットワーク式工程表、株立物の判定と品質規格、透水試験の計算などが加わり、4 問すべてが必須です。
第二次検定の過去問はどの年度から解けばよいですか?
令和6・7年度で現在の構成を確かめてから、平成28年度まで順にさかのぼってください。経験記述以外の設問は、令和5年度以前も同じ型で出ています。
あわせて読む
出典・参考:1級・2級造園施工管理技術検定 第二次検定(平成28年度〜令和7年度。令和2年度までは実地試験)の試験問題(一般財団法人 全国建設研修センター)、公共用緑化樹木等品質寸法規格基準(案)、公園緑地工事共通仕様書、クレーン等安全規則、労働安全衛生規則、チェーンソー以外の振動工具の取扱い業務に係る振動障害予防対策指針
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