造園施工管理技士の勉強法:独学で合格するまでの進め方

公開 ・執筆・編集:試験対策プロジェクトチーム(スタジオインサイト)

造園施工管理技士の第一次検定は選択問題がなく、全問を解答します。勉強の骨組みは「出題数の多い施工管理法と植栽を先に固め、造園ならではの植物・庭園・土壌を毎日少しずつ覚え、最後の能力問題を全て選ぶ形で練習する」です。第二次検定は「植栽・移植・張芝の手順と目的、規格基準の判定、工程表、安全の措置を手で書いて覚える」が中心になります。

最初に決めること:受ける検定と、覚える分野の順番

1級は第一次検定が 9 月上旬、第二次検定が 12 月上旬の年 1 回ずつです。2級は第一次検定が前期(6 月)と後期(11 月)の年 2 回で、第二次検定は後期の第一次検定と同じ日に行われます。日程の組み方は学習スケジュールの記事にまとめました。

造園の第一次検定は、1級が問題 A 36 問・問題 B 29 問の 65 問、2級が 40 問で、どれも必須です。土木や管工事の試験のように「苦手な区分を選ばない」作戦は取れません。そのかわり、出題範囲ははっきりしています。工程・安全・品質・施工計画・法規は他の施工管理の試験とほぼ共通で、庭園の歴史と施工、造園植物、土壌と肥料、樹木の規格、公園施設は造園だけの分野です。造園の現場経験がある人は前者を、土木や建築から受ける人は後者を重点にすると、時間を無駄にしません。

1級の第一次検定は、全体で 65 問中 39 問以上に加えて、施工管理法(応用能力)6 問中 2 問以上の正解が必要です(令和8年度の合格基準)。2級は 40 問中 24 問以上が基本です。

1級 第一次検定の勉強法

当サイトに収録した平成29年度〜令和8年度の 10 回分(650 問)を論点ごとに数えると、多い順に工程管理 58 問、安全管理 50 問、植栽・移植 43 問、施工計画 43 問、品質管理 42 問、公園施設 39 問、樹木の規格・植栽基盤の調査 38 問でした。上位の 5 つのうち 4 つが施工管理法です。勉強もこの順に進めます。

手順 1:施工管理法(工程・安全・施工計画・品質)

ネットワーク式工程表の計算は毎回 2 問前後出ます。結合点ごとに最早開始時刻を書き込み、ダミーを見落とさない手順を手で身につけてください。安全は 1t・3t・5t・10m、2m・5m のような境目の数値、施工計画は計画の名称と中身の入れ替え、品質はヒストグラムと管理図の役割の違いと統計量の計算が定番です。

手順 2:植栽・樹木の規格・公園施設

支柱の形式と幹周の区分、剪定の用語、花芽ができる時期、根回しと移植の手順がほぼ毎回出ます。樹木の規格は、枝張を最長と最短の平均で測ることと、株立物の判定(所要樹高の 70% に満たない幹を除いてから、幹の周長の総和×0.7)を計算で確かめられるようにします。公園施設は運動施設の方位と排水勾配、園路の幅や傾斜路の勾配、遊具の安全領域の数値です。

手順 3:造園一般(植物・庭園・土壌・材料)

名称と性質の組を覚える分野なので、まとめて覚えようとせず、毎日 15 分ずつ続けるのが効きます。滝と流れの役石、役木の位置、花壇植物の一年草・宿根草・球根類の区分、有効水は毛管水であること、花崗岩と安山岩の耐火性の違いなどは、同じ形で何度も出ています。

手順 4:土木・設備・設計図書と法規

水準測量・土量の変化率・合理式の計算、電気と給水の離隔や深さの数値、公共工事標準請負契約約款の費用の負担者、建設業法の金額の基準です。建設業法の金額は改正で変わっているので、当サイトの解説の現行の値で覚えてください。

1級造園 第一次検定の過去問一覧(回別・論点別) →

2級 第一次検定の勉強法

2級は 40 問すべてを解答し、得点 60%(40 問中 24 問)以上で合格です。平成29年度〜令和8年度前期の 17 回分を数えると、植栽・移植が 75 問と最も多く、造園植物 52 問、安全管理 51 問、土壌・肥料 50 問、工程管理 41 問が続きます。造園の知識の比重が 1級より大きいのが特徴です。

  1. 植栽・移植を最初に。根回しの適期(春の萌芽前から梅雨期まで)、根鉢の径(根元直径の 3〜5 倍程度)、環状はく皮の幅(10〜15cm 程度)、支柱の結束の材料、植え穴の底を中高にすることなど、数値と手順を押さえる
  2. 造園植物と土壌・肥料。樹木の分類と性質、花の色と開花の順、花壇植物の区分、芝の性質、肥料の三要素の働きと欠乏症状
  3. 安全管理と工程管理。移動式クレーンと高所作業車の資格、移動はしごと脚立の数値、ネットワーク式工程表のクリティカルパスと歩掛りによる日数(端数は切り上げ)
  4. 公園施設・施工計画・樹木の規格。車いす使用者に配慮した園路の数値、計画の名称と中身、株立物の幹周の計算
  5. 電気・給水設備、コンクリート・擁壁、法規。出題数は少なめでも毎回出るので、過去問の範囲で取りこぼさない

前期と後期は同じ並びで出題されます。直近の回から通しで解き、間違えた論点を論点別のページで解き直すと、同じ数値が何度も入れ替えられていることがすぐに分かります。

2級造園 第一次検定の過去問一覧(回別・論点別) →

「適当なものを全て選びなさい」問題の練習法

令和3年度から、1級の問題 B No.24〜29(施工管理法〈応用能力〉)と 2級の No.37〜40(施工管理法〈基礎的な能力〉)は、公園工事の〔工事数量表〕と〔工事に係る条件〕を読んで答える問題になりました。多くは「適当なものを全て選びなさい」という指示で、正解の数は問題ごとに 1〜3 個で、問題文には示されません。選んだ組が正解の組とぴったり同じときだけ 1 点になります。

出題されている中身は、1級(令和3〜8年度の 36 問)では植栽・移植が 10 問、造園植物・樹木の規格・安全管理が 6 問ずつ、施工計画が 5 問、2級(令和3年度前期〜令和8年度前期の 44 問)では植栽・移植 17 問、樹木の規格 11 問、施工計画 8 問でした。新しい知識が要るのではなく、普段の論点を条件に当てはめて判断する問題です。

  1. 4 つの記述を 1 つずつ独立に ○ か × で判断する。「正解は 2 つだろう」と数で決めない
  2. × にした記述は、どこが誤りで正しくは何かを一言で書く。○ にした記述も、根拠の数値や条件を言えるか確かめる
  3. 〔工事に係る条件〕の工期・地域・前年に根回し済みか・供用中か・移動式クレーンを使うかを先に読む。移植の時期や安全の措置は、この条件で正誤が変わる
  4. 指示が「適当なもの」「誤っているもの」「合格となるもの」のどれかを丸で囲む。反対の指示を読み違えると全部が逆になる
  5. 当サイトでは本番と同じくチェックボックスで選んで採点するので、選んだ組で正解・不正解が決まる練習をしておく

1級は応用能力の 6 問のうち 2 問以上が合格の条件です。全体の点数が足りていても、ここで 1 問以下なら不合格になります。週に 1 回は 6 問を通しで解いてください。

第二次検定の勉強法:令和6年度からの構成

第二次検定は記述式で、合格基準は得点 60% 以上です。主催者は解答を公表していません。令和6・7年度は 1級・2級とも施工経験記述がなく、1級は問題 1(図面・工事数量表と条件に基づく施工管理)・問題 2(工程管理)・問題 3(品質管理)・問題 4(安全管理)の 4 問、2級は問題 1(施工管理)・問題 2(安全管理)の 2 問がすべて必須でした。試験時間は 1級が 2 時間 45 分、2級が 2 時間です。

設問の形は、次の 4 つに分けると勉強しやすくなります。

  • 穴埋め・正誤:クレーン等安全規則や労働安全衛生規則の数値、規格基準の定義(幹周は根鉢の上端から 1.2m 上り など)。条文の言葉どおりに覚える
  • 名称・手順:掘取りの準備(上鉢のかき取り・枝しおり・仮支柱)、根巻きの樽巻きと揚巻き、張芝の作業手順、支柱の名称。順序ごと覚える
  • 判定・計算:株立物の合否、長谷川式土壌貫入計の S 値の読み取り、透水試験の減水速度、ネットワーク式工程表の日数。答えが一つに決まるので満点を狙う
  • 記述:留意事項・措置・目的を 2〜3 つ。作業ごとに「目的・手順・留意事項」を 1 文ずつ、方法・部位・数値まで入れて書けるようにする

記述は、読むだけでは書けるようになりません。過去問の設問を見て自分の答えを書き、当サイトの模範解答・別解と見比べて、足りない語句を書き足す練習を繰り返してください。「(ただし、安全管理に関する内容は除く。)」のような除外条件や、工期の季節・樹種の条件に合わない答えは点になりません。型ごとの頻出パターンは第二次検定の頻出論点、令和5年度までの施工経験記述は施工経験記述のページにあります。

過去問の回し方

第一次検定は、次の順で 3 周すると同じ時間でも定着が違います。

  1. 1 周目は直近 2 回分を回ごとに通しで解き、分野ごとの正答率を出す
  2. 2 周目は論点ごとに解く。当サイトの論点ページ(たとえば1級 樹木の規格・植栽基盤の調査や2級 植栽・移植)は同じ論点の問題を年度をまたいで並べているので、入れ替えられる数値と語句が見える
  3. 3 周目は間違えた問題だけ。4 つの記述のどこが誤りかを声に出して言えるまで繰り返す
  4. 試験の 2 週間前からは、直近の回を本番と同じ時間で通しで解く

法規と安全は改正があるので、直近 5 年分を中心にします。古い年度で答えが変わった問題は、当サイトでは「問題改訂」として現行の法令に合わせ、解説に原文との違いを書いています。

よくある質問

造園の現場経験がなくても第一次検定に受かりますか?

受検資格に実務経験は要りません(1級は19歳以上、2級は17歳以上)。経験がない人は、植栽・移植の手順と造園植物を先に覚えると、能力問題の条件も読めるようになります。工程・安全・品質・法規は他の施工管理の試験と共通の内容です。

樹木や草花の名前が覚えられません。

出題される樹種はかなり限られています。過去問に出た樹種を「常緑か落葉か」「花の色と開花期」「耐陰性・防火力・耐潮性」の表にして、毎日少しずつ見返すのが近道です。花壇植物は一年草・宿根草・球根類の区分を入れ替える選択肢が多いので、区分ごとに覚えます。

全て選ぶ問題に部分点はありますか?

ありません。選んだ番号の組が正解の組と完全に一致したときだけ 1 点です。正解の数は 1〜3 個で問題ごとに違うので、4 つの記述を 1 つずつ判断してください。

第二次検定の勉強にテキストは必要ですか?

過去問と解説で型をつかめば、テキストは用語を調べる辞書で足ります。記述の根拠を確かめたいときは、公共用緑化樹木等品質寸法規格基準(案)や公園緑地工事共通仕様書などの公開されている基準を手元に置くと便利です。

あわせて読む

出典・参考:一般財団法人 全国建設研修センター 1級造園施工管理技術検定・2級造園施工管理技術検定、令和8年度 1級造園施工管理技術検定 第一次検定 合格発表資料(合格基準)。出題数は 1級・2級の試験問題(平成29年度〜令和8年度)を当サイトが論点ごとに数えたもの、第二次検定の構成は令和6・7年度の試験問題による

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