空気調和設備工事の留意事項(全熱交換ユニットの吹出口・吸込口の配置・送風機の天井吊り・冷媒管の気密試験・スパイラルダクトの吊り)
これは2級管工事施工管理技士 第二次検定 令和7年度(2025年11月16日(日)実施) 問題4 設問1の問題です。論点は「ダクトの施工」(重要度B・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。
次の(1)〜(4)に関する留意事項を、それぞれ解答欄の(1)〜(4)に具体的かつ簡潔に記述しなさい。
【問題4】鉄筋コンクリート造3階建ての新築事務所ビルの空気調和設備工事で、その設備概要が次のとおりである場合、設問1〜設問3の答えを解答欄に記述しなさい。
ただし、工程管理及び安全管理に関する事項は除く。
【設備概要】
空調方式:個別空調方式
空調機器:マルチパッケージ形空気調和機(天井カセット形)、全熱交換ユニット(天井隠ぺい形)
換気方式:第一種機械換気方式(倉庫、書庫)、第三種機械換気方式(便所)
送風機:遠心送風機
配管:冷媒管 銅管、ドレン管 配管用炭素鋼鋼管(白)
ダクト:亜鉛鉄板製スパイラルダクト
吹出口、吸込口:ユニバーサル形、スリット形
(1) 天井面に設ける全熱交換ユニット用の吹出口又は吸込口の配置に関する留意事項
(2) 遠心送風機(呼び番号1 1/2)を天井吊りする場合の留意事項
(3) 冷媒管の気密試験に関する留意事項
(4) 亜鉛鉄板製スパイラルダクト(呼称寸法150)の吊り又は支持に関する留意事項
解答欄
正解
給気の吹出口と還気の吸込口は離して配置し、吹き出した外気がすぐ吸い込まれるショートサーキットを防ぐ。
50 字全熱交換ユニットの吹出口は、室内に外気が行き渡るよう、吸込口から十分離れた位置(部屋の反対側など)に設ける。
吸込口は空調機の吹出し気流が直接入らない位置とし、吹出口は在室者に外気が直接当たらない位置とする。
吹出口・吸込口は照明器具や空調機の吹出口と干渉しないよう天井伏図で調整し、気流が偏らない配置とする。
送風機はスラブに固定した吊りボルトで吊り、吊りボルトにはブレースによる振れ止めを設けて地震時の揺れを防ぐ。
53 字送風機とダクトの接続には、振動が伝わらないようたわみ継手を設ける。
吊りボルトはインサート等で上部スラブに堅固に固定し、ナットはダブルナットとして緩みを防ぐ。
天井内の送風機の近くに点検口を設け、Vベルトや軸受の点検・交換ができる空間を確保する。
気密試験は保温前に窒素ガスで行い、製造者の指定する試験圧力まで段階的に加圧して、圧力降下や漏れがないことを確認する。
58 字気密試験には乾燥した窒素ガスを使い、酸素や可燃性ガスは使用しない。
室外機の閉止弁は閉じたままとし、配管側だけに試験圧力をかけて、圧力の保持と接続部の漏れを確認する。
試験圧力で所定時間保持し、温度変化を補正したうえで圧力降下がないことを確かめ、合格後に真空引きする。
横走りダクトは4,000mm以下の間隔で吊りバンドと吊りボルトで吊り、帯状の吊り金物を使う場合は要所に振れ止めを設ける。
60 字スパイラルダクトの吊り間隔は4,000mm以下とし、吊りボルトはM10又は呼び径9を用いる。
呼称寸法300以下なので、厚さ0.6mmの亜鉛鉄板の帯状吊り金物を使ってもよいが、その場合は要所に振れ止め支持を行う。
吹出口への分岐部や曲がり部の近くは吊りを追加し、接合部に重さがかからないよう支持する。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- (1) 全熱交換ユニットは、室内の空気(還気)を吸い込んで排気し、その熱を回収した外気を室内へ給気する。給気の吹出口と還気の吸込口が近いと、吹き出した外気がすぐに吸い込まれて排気され(ショートサーキット)、室内の換気が不十分になる。吹出口と吸込口はできるだけ離し、室内全体に外気が行き渡る配置とする。
- (2) 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)第3編2.1.18.1により、天井吊形の遠心送風機は標準図(吊りボルトによる機器振れ止めの施工例、機器固定要領)によって据え付け、小形の遠心送風機(呼び番号2未満)は吊り用ボルトにブレース等による振れ止めを施したものでもよい。呼び番号1 1/2はこれにあたる。また、送風機とダクトの接続にはたわみ継手を用いる。
- (3) 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)第2編2.4.6・2.9.2により、冷媒管は配管完了後に気密試験を行い、その後に真空脱気、冷媒充塡を行う。保温工事は気密試験の完了後に行う。気密試験は JRA-GL14(フロン類を用いた冷凍空調機器の冷媒漏えいガイドライン)によるもので、乾燥窒素で製造者の指定する圧力まで段階的に加圧し、保持して圧力降下と漏れがないことを確認する。酸素は油と反応して爆発のおそれがあるので使わない。
- (4) 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)第3編2.2.2.4により、スパイラルダクトの横走りの吊り間隔は4,000mm以下とする。呼称寸法750以下は厚さ0.8mm以上の吊りバンドと吊り用ボルトの組合せでもよく、呼称寸法300以下は厚さ0.6mmの亜鉛鉄板を帯状に加工した吊り金物でもよいが、その場合は要所に振れ止め支持を行う。
同じ論点の過去問
令和7年度の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した2級管工事施工管理技士 第二次検定 令和7年度(2025年11月16日(日)実施) 問題4 設問1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する