工事進行基準(見積総原価と請負金額の変更あり)
これは建設業経理士2級 第38回(2026年3月8日(日)実施) 第1問 (5)(配点 4点)の問題です。論点は「工事進行基準・完成工事高」(重要度A・解答の形は記号+勘定科目+金額)。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘・現行の法令・基準との関係が読めます。
次の各取引について仕訳を示しなさい。使用する勘定科目は下の<勘定科目群>から選び、その記号(A〜Y)と勘定科目を書くこと。
前期より着工したA工事は、工期 5年、請負金額 ¥45,000,000 総工事原価見積額 ¥33,300,000 であり、収益認識は工事進行基準を適用している。当期において、総工事原価見積額を見直しており、その内訳は、資材高騰の影響による ¥2,500,000 の増額と、バリュー・エンジニアリング(VE)による ¥1,720,000 の減額である。また、発注者との交渉により、追加請負金 ¥3,000,000 を獲得することとなった。前期の工事原価発生額 ¥5,994,000 当期の工事原価発生額 ¥6,956,400 であるとき、当期の完成工事高に関する仕訳を示しなさい。
A現金B当座預金C完成工事未収入金D当座E有価証券F営業外受取手形G土地H当座借越J社債K工事未払金L預り金M営業外支払手形N未成工事受入金Q未払配当金R未払法人税等S完成工事高T租税公課U支払手数料W受取配当金X社債発行費Y広告宣伝費
解答欄
正解
| 記号 | 借方科目 | 金額 | 記号 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|---|---|
| C | 完成工事未収入金 | 10,140,000 | S | 完成工事高 | 10,140,000 |
解き方
- 前期の完成工事高 = 45,000,000 × 5,994,000 ÷ 33,300,000 = 45,000,000 × 18% = 8,100,000。
- 当期末の見積総原価 = 33,300,000 + 2,500,000 − 1,720,000 = 34,080,000。請負金額 = 45,000,000 + 3,000,000 = 48,000,000。
- 当期末までの原価累計 = 5,994,000 + 6,956,400 = 12,950,400。進捗度 = 12,950,400 ÷ 34,080,000 = 38%。
- 当期末までの完成工事高累計 = 48,000,000 × 38% = 18,240,000。当期分 = 18,240,000 − 8,100,000 = 10,140,000。
- 借方は完成工事未収入金、貸方は完成工事高。
引っかけ:見直し後の見積総原価と変更後の請負金額で「累計」を出してから前期分を引く。当期の原価だけで進捗度を出したり、前期分を新しい条件で計算し直したりしないこと。
現行基準との関係:「工事進行基準」は廃止された「工事契約に関する会計基準」の用語で、現行の「収益認識に関する会計基準」(2021年4月1日以後開始する事業年度から適用)では、建設工事を「一定の期間にわたり充足される履行義務」として、原価比例法(インプット法)で見積った進捗度に応じて収益を認識する。請負金額の増額は契約変更(取引価格の変更)にあたり、変更後の取引価格で累計の収益を計算し直して前期までの計上額との差額を当期に計上する(累積的なキャッチアップ)ため、計算手順と仕訳は本問と同じになる。本試験は引き続き「工事進行基準」の表現で出題している。
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論点ページ:工事進行基準・完成工事高の要点この論点の出題実績とよくある間違い
→第38回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士2級 第38回(2026年3月8日(日)実施) 第1問 (5)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する