工事進行基準(3年目・見積総原価の増額と追加請負金あり)
これは建設業経理士2級 第39回(2026年9月13日(日)実施) 第1問 (5)(配点 4点)の問題です。論点は「工事進行基準・完成工事高」(重要度A・解答の形は記号+勘定科目+金額)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘・現行の法令・基準との関係が読めます。
次の各取引について仕訳を示しなさい。使用する勘定科目は下の<勘定科目群>から選び、その記号(A〜Y)と勘定科目を書くこと。
前々期より着手した甲工事は、工期 6年、請負金額 ¥54,000,000 総工事原価見積額 ¥42,660,000 であり、工事進行基準を適用している。労務費高騰等の影響により総工事原価見積額を、前期において ¥2,700,000 の増額、当期において ¥1,120,000 の増額でそれぞれ見直している。一方、発注者との交渉により、当期において追加請負金 ¥2,000,000 を獲得することとなった。前期までの工事原価発生額 ¥14,968,800 当期の工事原価発生額 ¥7,341,600 であるとき、当期の完成工事高に関する仕訳を示しなさい。
A現金B当座預金C完成工事未収入金D貸倒引当金E投資有価証券F建物G機械装置H完成工事補償引当金J工事未払金K未払配当金L受取配当金M資本金N資本準備金Q利益準備金Rその他資本剰余金S完成工事高T外注費U労務費W完成工事補償引当金繰入額X投資有価証券評価損Y投資有価証券売却損
解答欄
正解
| 記号 | 借方科目 | 金額 | 記号 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|---|---|
| C | 完成工事未収入金 | 9,060,000 | S | 完成工事高 | 9,060,000 |
解き方
- 前期末の見積総原価 = 42,660,000 + 2,700,000 = 45,360,000。前期末までの進捗度 = 14,968,800 ÷ 45,360,000 = 33%。前期までの完成工事高累計 = 54,000,000 × 33% = 17,820,000。
- 当期末の見積総原価 = 45,360,000 + 1,120,000 = 46,480,000。請負金額 = 54,000,000 + 2,000,000 = 56,000,000。
- 当期末までの原価累計 = 14,968,800 + 7,341,600 = 22,310,400。進捗度 = 22,310,400 ÷ 46,480,000 = 48%。完成工事高累計 = 56,000,000 × 48% = 26,880,000。
- 当期の完成工事高 = 26,880,000 − 17,820,000 = 9,060,000。借方 完成工事未収入金 9,060,000/貸方 完成工事高 9,060,000。
引っかけ:前期までの完成工事高は「前期の見積総原価(42,660,000 + 2,700,000)」と「もとの請負金額」で計算する。当期分は増額後の見積総原価 46,480,000 と追加後の請負金額 56,000,000 で累計を出してから前期分を引く。前々期と前期の原価の内訳は不要(前期末に累計で計算し直しているため)。
現行基準との関係:「工事進行基準」は廃止された「工事契約に関する会計基準」の用語で、現行の「収益認識に関する会計基準」(2021年4月1日以後開始する事業年度から適用)では、建設工事を「一定の期間にわたり充足される履行義務」として、原価比例法(インプット法)で見積った進捗度に応じて収益を認識する。見積総原価の変更は会計上の見積りの変更として、変更後の見積りによる累計進捗度で計算し直し、前期までの計上額との差額を当期の収益にするため、計算手順と答えは本問と同じになる。本試験は引き続き「工事進行基準」の表現で出題している。
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論点ページ:工事進行基準・完成工事高の要点この論点の出題実績とよくある間違い
→第39回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士2級 第39回(2026年9月13日(日)実施) 第1問 (5)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する