工事進行基準(追加請負金と見積原価の変更あり・2年目)
これは建設業経理士2級 第36回(2025年3月9日(日)実施) 第1問 (5)(配点 4点)の問題です。論点は「工事進行基準・完成工事高」(重要度A・解答の形は記号+勘定科目+金額)。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘・現行の法令・基準との関係が読めます。
次の各取引について仕訳を示しなさい。使用する勘定科目は下記の<勘定科目群>から選び、その記号(A〜Y)と勘定科目を書くこと。
前期より着工したP工事(請負金額 ¥45,000,000 工事原価見積額 ¥39,150,000)について、原価比例法による工事進行基準を適用して収益計上している。当期において追加工事の発生により、追加請負金 ¥3,000,000 を獲得するとともに、工事原価見積額を ¥2,130,000 増額している。前期の工事原価発生額は ¥7,830,000 であり、当期は ¥11,984,400 であった。当期の完成工事高に関する仕訳を示しなさい。
A現金B当座預金C完成工事未収入金D未成工事支出金E仮払消費税F未収消費税G投資有価証券H建物J建設仮勘定K仮受消費税L未払消費税M社債N資本金Q資本準備金R利益準備金S完成工事高T社債発行費U有価証券利息W支払利息X修繕費Y社債利息
解答欄
正解
| 記号 | 借方科目 | 金額 | 記号 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|---|---|
| C | 完成工事未収入金 | 14,040,000 | S | 完成工事高 | 14,040,000 |
解き方
- 前期の完成工事高:進捗率 = 7,830,000 ÷ 39,150,000 = 20%。45,000,000 × 20% = 9,000,000。
- 当期末の請負金額 = 45,000,000 + 3,000,000 = 48,000,000。見積総原価 = 39,150,000 + 2,130,000 = 41,280,000。
- 当期末までの累計進捗率 = (7,830,000 + 11,984,400) ÷ 41,280,000 = 19,814,400 ÷ 41,280,000 = 48%。
- 累計完成工事高 = 48,000,000 × 48% = 23,040,000。当期分 = 23,040,000 − 9,000,000 = 14,040,000。
- 仕訳:(借)完成工事未収入金 14,040,000 /(貸)完成工事高 14,040,000。
引っかけ:前期の完成工事高は変更前の請負金額と見積原価で計算し、当期は変更後の金額で累計を計算する。当期の発生原価だけで進捗率を出したり、変更後の請負金額で前期分を計算し直したりしない。
現行基準との関係:「工事進行基準」は廃止された「工事契約に関する会計基準」の用語で、現行の「収益認識に関する会計基準」(2021年4月1日以後開始する事業年度から適用)では、建設工事を「一定の期間にわたり充足される履行義務」として、原価比例法(インプット法)で見積った進捗度に応じて収益を認識する。請負金額の増額は契約変更(取引価格の変更)にあたり、変更後の取引価格で累計の収益を計算し直して前期までの計上額との差額を当期に計上する(累積的なキャッチアップ)ため、計算手順と仕訳は本問と同じになる。本試験は引き続き「工事進行基準」の表現で出題している。なお、収益認識基準では請求前の部分は契約資産にあたるが、建設業の財務諸表様式では完成工事未収入金に含めて表示するのが一般的で、本試験でも借方は完成工事未収入金とする。
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論点ページ:工事進行基準・完成工事高の要点この論点の出題実績とよくある間違い
→第36回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士2級 第36回(2025年3月9日(日)実施) 第1問 (5)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する