工事進行基準(2年目・見積総原価と請負金額の増額あり)
これは建設業経理士2級 第34回(2024年3月10日(日)実施) 第1問 (5)(配点 4点)の問題です。論点は「工事進行基準・完成工事高」(重要度A・解答の形は記号+勘定科目+金額)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘・現行の法令・基準との関係が読めます。
次の各取引について仕訳を示しなさい。使用する勘定科目は下記の<勘定科目群>から選び、その記号(A〜X)と勘定科目を書くこと。なお、解答は次に掲げた(例)に対する解答例にならって記入しなさい。
前期に着工したP工事は、工期 4 年、請負金額 ¥35,000,000、総工事原価見積額 ¥28,700,000 であり、工事進行基準を適用している。当期において、資材高騰の影響等により、総工事原価見積額を ¥2,000,000 増額したことに伴い、同額の追加請負金を発注者より獲得することとなった。前期の工事原価発生額 ¥4,592,000、当期の工事原価発生額 ¥6,153,000 であるとき、当期の完成工事高に関する仕訳を示しなさい。
A現金B当座預金C有価証券D完成工事未収入金E受取手形F前払費用G建設仮勘定H建物J貸倒引当金K未払金L営業外支払手形M資本金N資本準備金Q完成工事高R完成工事原価S貸倒損失T貸倒引当金繰入額U貸倒引当金戻入W有価証券売却益X有価証券売却損
解答欄
正解
| 記号 | 借方科目 | 金額 | 記号 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|---|---|
| D | 完成工事未収入金 | 7,350,000 | Q | 完成工事高 | 7,350,000 |
解き方
- 前期の完成工事高を出す。前期の進捗率 = 4,592,000 ÷ 28,700,000 = 16%。前期の完成工事高 = 35,000,000 × 16% = 5,600,000。
- 当期は見積総原価と請負金額が変わる。変更後の見積総原価 = 28,700,000 + 2,000,000 = 30,700,000、変更後の請負金額 = 35,000,000 + 2,000,000 = 37,000,000。
- 当期末までの累計進捗率 = (4,592,000 + 6,153,000) ÷ 30,700,000 = 10,745,000 ÷ 30,700,000 = 35%。累計の完成工事高 = 37,000,000 × 35% = 12,950,000。
- 当期の完成工事高 = 12,950,000 − 5,600,000 = 7,350,000。借方 完成工事未収入金 7,350,000 / 貸方 完成工事高 7,350,000。
引っかけ:前期の完成工事高は変更前の数字(28,700,000・35,000,000)で計算し、当期の累計は変更後の数字(30,700,000・37,000,000)で計算する。前期分まで変更後で計算し直すと答えがずれる。工期 4 年は計算に使わない。
現行基準との関係:「工事進行基準」は廃止された「工事契約に関する会計基準」の用語で、現行の「収益認識に関する会計基準」(2021年4月1日以後開始する事業年度から適用)では、建設工事を「一定の期間にわたり充足される履行義務」として、原価比例法(インプット法)で見積った進捗度に応じて収益を認識する。見積総原価の変更は会計上の見積りの変更、請負金額の増額は契約変更(取引価格の変更)にあたり、いずれも変更後の数値による累計で計算し直して前期までの計上額との差額を当期に計上するため、計算手順と答えは本問と同じになる。本試験は引き続き「工事進行基準」の表現で出題している。なお、収益認識基準では請求前の部分は契約資産にあたるが、建設業の財務諸表様式では完成工事未収入金に含めて表示するのが一般的で、本試験でも借方は完成工事未収入金とする。
同じ論点の過去問
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論点ページ:工事進行基準・完成工事高の要点この論点の出題実績とよくある間違い
→第34回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士2級 第34回(2024年3月10日(日)実施) 第1問 (5)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する