工事進行基準による当期の完成工事高(見積総原価の変更あり)
これは建設業経理士2級 第33回(2023年9月10日(日)実施) 第2問 (2)(配点 3点)の問題です。論点は「工事進行基準・完成工事高」(重要度A・解答の形は金額)。採点すると、解き方 3 手順・引っかけの指摘・現行の法令・基準との関係が読めます。
次の[ ]に入る正しい数値を計算しなさい。
前期に請負金額 ¥80,000,000 のA工事(工期は5年)を受注し、収益の認識については前期より工事進行基準を適用している。当該工事の前期における総見積原価は ¥60,000,000 であったが、当期末において、総見積原価を ¥56,000,000 に変更した。前期における工事原価の発生額は ¥9,000,000 であり、当期は ¥10,600,000 である。工事進捗度の算定を原価比例法によっている場合、当期の完成工事高は ¥[ ]である。
解答欄
正解
| 当期の完成工事高 | 16,000,000 円 |
|---|
解き方
- 前期の完成工事高 = 80,000,000 × 9,000,000 ÷ 60,000,000 = 80,000,000 × 15% = 12,000,000(前期の見積総原価で計算する)。
- 当期末までの累計進捗度 = (9,000,000 + 10,600,000)÷ 56,000,000 = 19,600,000 ÷ 56,000,000 = 35%(変更後の見積総原価で計算する)。累計の完成工事高 = 80,000,000 × 35% = 28,000,000。
- 当期の完成工事高 = 28,000,000 − 12,000,000 = 16,000,000。
引っかけ:見積総原価が変更されたときは、累計の完成工事高を変更後の見積で計算し直し、前期に計上済みの額(変更前の見積で計算した 12,000,000)を差し引く。前期分まで計算し直して差額を訂正することはしない。
現行基準との関係:「工事進行基準」は廃止された「工事契約に関する会計基準」の用語で、現行の「収益認識に関する会計基準」(2021年4月1日以後開始する事業年度から適用)では、建設工事を「一定の期間にわたり充足される履行義務」として、原価比例法(インプット法)で見積った進捗度に応じて収益を認識する。見積総原価の変更は会計上の見積りの変更として、変更後の見積りによる累計進捗度で計算し直し、前期までの計上額との差額を当期の収益にするため、計算手順と答えは本問と同じになる。本試験は引き続き「工事進行基準」の表現で出題している。
同じ論点の過去問
第39回 第1問 (5)工事進行基準(3年目・見積総原価の増額と追加請負金あり)
第38回 第1問 (5)工事進行基準(見積総原価と請負金額の変更あり)
第37回 第1問 (5)工事進行基準(3年目・請負金額と見積総原価の変更あり)
第36回 第1問 (5)工事進行基準(追加請負金と見積原価の変更あり・2年目)
第35回 第2問 (1)工事進行基準(見積総原価と請負金額の変更あり・3年目)
論点ページ:工事進行基準・完成工事高の要点この論点の出題実績とよくある間違い
→第33回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士2級 第33回(2023年9月10日(日)実施) 第2問 (2)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する