収益・費用の概念と費用配分の原則
重要度 B第1・2問で出題過去問 6問
収益・費用の概念と費用配分の原則は、建設業経理士1級 財務諸表の第29〜39回(11回)のうち4回で出題された論点です(収録97問中6問・重要度B)。出題されるのは第1問・第2問です。
要点:広義の費用は資本の払戻し以外のあらゆる持分の減少、狭義の費用は財・用役の生産に関連した減少に限り、災害などは損失として区別する。収益も同様に広義・狭義があり、期間利益の指標性の観点から狭義の概念が重視される。費用配分の原則は資産の取得原価を一般に公正妥当と認められた方法で計画的・規則的に各期に配分することを求める。「計画的」は企業の特殊性を考慮した妥当な方法の選択、「規則的」は正当な理由のないかぎり継続適用することを意味する。
覚える要点
- 広義の費用は資本の払戻し以外の一切の持分減少額(災害・盗難も含む)、狭義の費用は財・用役の生産に関連した減少額に限り、災害などは損失として区別する。
- 広義の収益は資本の出資・資本修正以外の一切の持分増加額(受贈益を含む)、狭義は財・用役の生産・提供による増加額に限る。固定資産の受贈は広義では受贈益、狭義では受贈剰余金(資本)。
- 分配可能性を求める立場からは広義、指標性(経営成績の判断)を求める立場からは狭義の概念が導かれ、期間利益の計算では狭義が重視される。理由は費用収益対応の原則と費用・損失の区別。
- 貸借対照表原則五:資産の取得原価を一般に公正妥当と認められた費用配分の方法で計画的・規則的に各期に配分する。棚卸資産は個別法・先入先出法・平均原価法、固定資産は定額法・定率法。
- 「計画的」は企業の特殊性を考慮した妥当な方法の選択、「規則的」は選んだ方法を正当な理由のないかぎり継続して機械的に適用すること。「損益調整の必要性」は変更理由にならない。
勉強のしかた:第1問の記述は広義・狭義の定義→相違点→どちらを重視するかと理由、の型で書く。第2問の費用配分の原則の文章は第30回と第34回で空欄が異なるので、全文を暗唱できるレベルで読み込む。
この論点の引っかけ・間違えやすい点
収録している過去問の解説から、収益・費用の概念と費用配分の原則で間違えやすい点を集めました。
- 第36回 第1問 問1:広義の定義で「資本の出資および資本修正以外」を落とすと増資まで収益になる。狭義は企業の努力に基づくものに限ることを明示し、受贈益などの除外を例で示す。
- 第36回 第1問 問2:問1 の定義を繰り返さない。設問は「根拠」なので利益の役割(分配可能性・指標性)と収益概念の対応を書く。分配可能性→広義、指標性→狭義の対応を逆にしない。
- 第34回 第2問:【1】と【4】は本文に 2 回出るので、両方の文脈に合う語を選ぶ。「計画的」=合理的な配分計画による妥当な方法の選択、「規則的」=選んだ方法の機械的(継続的)適用という対応関係を押さえる。第30 回と同じ文章で空欄の位置だけが違う。
- 第31回 第1問 問1:広義の定義で「資本の払戻しを除く」を落とすと減資や配当まで費用に含まれてしまう。狭義では何が費用から除かれるか(損失)を必ず例示する。
- 第31回 第1問 問2:「狭義」と答えるだけでは配点の大半を落とす。理由の柱は費用収益対応の原則と費用・損失の区別である。分配可能性を求める立場(広義)と取り違えない。
- 第30回 第2問:【1】は本文に 2 回出るので、両方の文脈(期間収益 − 費用、適正な○○の計算)に合う語を選ぶ。【5】は「棚卸資産」の配分方法なので減価償却の方法(定額法・定率法)を選ばない。【7】に「損益調整の必要性」を入れると継続性の原則の趣旨に反する。第34 回に同じ文章が出題されている(空欄の位置が違う)。
この論点の問題
広義・狭義の収益概念の説明第36回 第1問 問1
収益概念が広義・狭義に分かれる根拠第36回 第1問 問2
費用の概念と費用配分の原則(貸借対照表原則五)第34回 第2問
広義・狭義の費用概念の説明第31回 第1問 問1
期間利益の計算で重視される費用概念とその理由第31回 第1問 問2
費用および費用配分の原則(貸借対照表原則五)第30回 第2問
同じ大問で出る論点
第1・2問では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。
A 純資産・持分・株主資本等変動計算書A 退職給付会計A 工事収益の認識(工事進行基準)A 繰延資産・無形固定資産(ソフトウェア・株式交付費・社債発行費)A 有価証券(償却原価法・その他有価証券の評価)A 企業会計原則(一般原則)
出題実績は資格試験対策.netが第29〜39回の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。