費用および費用配分の原則(貸借対照表原則五)
これは建設業経理士1級 財務諸表 第30回(2022年3月13日(日)実施) 第2問(配点 14点)の問題です。論点は「収益・費用の概念と費用配分の原則」(重要度B・解答の形は記号(ア〜チ/ア〜ネ)を空欄 7 個に記入)。採点すると、解き方 7 手順・引っかけの指摘が読めます。
費用および費用配分の原則に関する次の文中の空欄の中に入れるべき最も適当な用語を下記の<用語群>の中から選び、その記号(ア〜タ)を解答用紙の所定の欄に記入しなさい。
【1】は期間収益からそれに対応する費用を差し引いて計算される。この対応計算を合理的に行うためには、対応計算に先だって、財・用役の減少部分を収益の獲得活動と関係をもつ部分とそれ以外の部分とに明確に区別しておくことが望ましく、かつ、必要なことはいうまでもない。『企業会計原則』においても、こうした理由から、収益の獲得活動と関係をもつ部分、すなわち「費用」と、それ以外の部分、すなわち「【2】」とを明確に区別すべきものとしている。
『企業会計原則』の「貸借対照表原則五」は、費用配分の原則について、資産の【3】を所定の方法に従い、計画的・規則的に各期に配分すべきであるということを要請している。ここにいう「所定の方法」とは、【4】費用配分の方法をいう。たとえば、棚卸資産原価の配分方法には【5】、先入先出法、平均原価法などが認められる。また、配分方法の選択については企業の自主的な判断に委ねる立場をとっているが、これを企業による配分方法の恣意的な選択を容認するものと解してはならない。「計画的」とは、合理的な配分計画のもとに企業の【6】を十分に考慮して適正な【1】の計算を保証するという意味での妥当な方法の選択を意味する。このようにして選択された配分方法は、【7】のないかぎり、毎期継続して適用されなければならない。つまり、「規則的」とは、妥当な方法の機械的適用を意味する。
- <用語群>
- ア 損失 イ 共通性 ウ 定額法 エ 正当な理由
- オ 購入代価 カ 期間利益 キ 損金 ク 個別法
- コ 特殊性 サ 保守的な シ 取得原価 ス 定率法
- セ 配当可能利益 ソ 損益調整の必要性 タ 一般に公正妥当と認められた
解答欄
正解
| 空欄1 | カ |
|---|---|
| 空欄2 | ア |
| 空欄3 | シ |
| 空欄4 | タ |
| 空欄5 | ク |
| 空欄6 | コ |
| 空欄7 | エ |
解き方
- 【1】カ(期間利益)。「期間収益からそれに対応する費用を差し引いて計算される」のは期間利益。後段の「適正な【1】の計算を保証する」にも同じ語が入る。「配当可能利益」(セ)は期間収益と費用の対応計算から直接求まるものではない。
- 【2】ア(損失)。財・用役の減少部分のうち、収益の獲得活動と関係をもつ部分が「費用」、それ以外の部分が「損失」。企業会計原則は費用と損失を区別する。「損金」(キ)は税法上の概念。
- 【3】シ(取得原価)。貸借対照表原則五は「資産の取得原価は、資産の種類に応じた費用配分の原則によって、各事業年度に配分しなければならない」と定める。配分の対象は購入代価(オ)ではなく付随費用を含めた取得原価。
- 【4】タ(一般に公正妥当と認められた)。「所定の方法」とは一般に公正妥当と認められた費用配分の方法。企業が自由に決めた方法や保守的な(サ)方法という意味ではない。
- 【5】ク(個別法)。棚卸資産原価の配分方法(払出単価の計算方法)は個別法・先入先出法・平均原価法など。定額法(ウ)・定率法(ス)は固定資産の減価償却の方法。
- 【6】コ(特殊性)。「計画的」とは、合理的な配分計画のもとに企業の特殊性(業種・資産の使用状況など)を考慮して妥当な方法を選ぶこと。共通性(イ)ではない。
- 【7】エ(正当な理由)。選択した配分方法は「正当な理由のないかぎり」毎期継続して適用する(継続性の原則)。「損益調整の必要性」(ソ)は利益操作にあたり、変更の理由にならない。
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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 財務諸表 第30回(2022年3月13日(日)実施) 第2問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する