標準原価計算と差異分析

重要度 B第1・2・3問で出題過去問 4問

標準原価計算と差異分析は、建設業経理士1級 原価計算の第29〜39回(11回)のうち4回で出題された論点です(収録68問中4問・重要度B)。出題されるのは第1問・第2問・第3問です。

要点:標準原価をタイトネス(理想・現実的・正常)と改訂頻度(当座・基準)で分類し、原価標準×実際生産量で標準原価を求める。ロット別個別原価計算では指図書ごとに材料数量差異・賃率差異・作業時間差異を計算し、製造間接費は予算差異・変動費能率差異・固定費能率差異・操業度差異の4分法で分ける。差異は有利A・不利Bの記号を付けるので、標準-実際の符号を確認する。

覚える要点

  • 標準原価=原価標準(製品1単位当たり標準原価)×実際生産量。原価標準は物量標準と価格標準の両面から算定し、原単位管理・歩掛管理では物量標準を重視する。
  • タイトネスによる分類は理想標準原価・現実的標準原価・正常原価。改訂頻度による分類は当座標準原価(毎期見直し、棚卸資産評価にも使える)と基準標準原価(指数的に固定、趨勢比較用)。
  • ロット別個別原価計算で生産量が示されないときは「実際消費量−超過出庫量+戻入量=標準消費量」から逆算する。仕掛中の指図書は材料費100%・加工費は進捗度の完成品換算量で標準原価と標準時間を計算する。
  • 材料数量差異=(標準消費量−実際消費量)×標準単価、賃率差異=標準賃率×実際時間−実際賃金、作業時間差異=(標準時間−実際時間)×標準賃率。
  • 製造間接費の4分法:予算差異=(変動費率×実際時間+固定費予算)−実際発生額、変動費・固定費能率差異=各費率×(標準時間−実際時間)、操業度差異=固定費率×(実際時間−基準操業度)。
  • 差異は「標準−実際」の符号で有利A・不利Bを付け、合計が標準配賦額−実際発生額に一致することを検算する。

勉強のしかた:第3問のロット別差異分析は第29回と第37回が同型。生産量の逆算→標準原価→4種の差異の順に解き、操業度差異の基準が標準時間ではなく実際時間と基準操業度である点を毎回確認する。

この論点の引っかけ・間違えやすい点

収録している過去問の解説から、標準原価計算と差異分析で間違えやすい点を集めました。

  • 第37回 第3問:生産量が資料にないので、「実際消費量 - 超過出庫量 + 戻入量 = 標準消費量」から逆算する。#503 は材料費が 100%、加工費が 60% なので、標準原価も作業時間差異の標準時間も完成品換算量(420 個)で計算する。製造間接費の能率差異は変動費と固定費に分けて 4 分法にし、操業度差異は実際時間と基準操業度の差に固定費率を掛ける(標準時間との差ではない)。
  • 第32回 第1問 問2:厳格度による分類(理想・現実的・正常標準原価)を書いても加点にならない。二つの名称だけでなく、改訂の頻度と利用目的の両方をそろえる。
  • 第31回 第2問:【2】は原価計算基準の原価管理が「原価統制」に限られる点がポイントで、原価企画やコスト・マネジメントを選ばない。【3】は「実際生産量」で、計画生産量ではない。【7】【8】はタイトネス(厳格さ)による分類(理想・現実的・正常)と、改訂頻度による分類(基準・当座)を混同しない。
  • 第29回 第4問:生産量が資料にないので「実際消費量 - 超過出庫量 + 戻入量 = 標準消費量」から逆算する。#402 は戻入なので足し、#401・#403 は超過出庫なので引く。#403 は材料費 100%・加工費 50% なので、標準原価も作業時間差異の標準時間も完成品換算量(400 個)で計算する。製造間接費の能率差異は変動費と固定費に分けて 4 分法にし、操業度差異は実際時間と基準操業度の差に固定費率を掛ける(標準時間との差ではない)。予算差異だけが有利(A)になる点も符号を確かめる。

この論点の問題

同じ大問で出る論点

第1・2・3問では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。

出題実績は資格試験対策.netが第29〜39回の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。