原価管理・実行予算・原価企画
重要度 B第1・2問で出題過去問 4問
原価管理・実行予算・原価企画は、建設業経理士1級 原価計算の第29〜39回(11回)のうち4回で出題された論点です(収録68問中4問・重要度B)。出題されるのは第1問・第2問です。
要点:原価管理を原価企画(源流段階の原価低減)・原価改善(施工段階の原価低減)・原価維持(標準原価による統制)の3つで整理し、原価計算基準の原価管理が原価維持(原価統制)に当たることを押さえる。工事別実行予算の機能(コスト・コントロールの出発点、全社利益計画の基礎、責任会計の推進)と事前原価の種類(見積原価・予算原価・標準原価)を説明できるようにする。第1問の記述と第2問の用語選択で出る。
覚える要点
- 原価計算基準の原価管理は、標準の設定→実際の記録→比較→差異分析→報告→原価能率を増進する措置、という標準原価計算による原価統制(コスト・コントロール)を指す。
- 昭和41年の答申は原価管理を原価計画と原価統制に区分。現在は原価企画(源流段階で見積原価を目標原価まで引き下げる)・原価改善(施工段階で標準原価を下回る水準を達成)・原価維持(実際原価が標準原価から逸脱しないよう統制)の3つ。
- 工事別実行予算の3機能:コスト・コントロールの出発点(現場参加による達成可能な目標・動機づけ)、全社利益計画の基礎(期間予算の目標利益を工事別に落とす)、責任会計の推進(管理責任区分との対応)。
- 事前原価は見積原価(受注獲得・請負価格設定、積算と関係、制度外)、予算原価(実行予算、制度内)、標準原価(原価能率の尺度、制度内)の3種類。
- 管理可能費か管理不能費かは原価の属性ではなく管理者の階層との関係で決まる。
勉強のしかた:第1問の記述では実行予算の3機能と事前原価の3種類を「名称+理由・目的」の対で書く。第2問の用語選択は原価企画・原価改善・原価維持の定義文のキーワード(源流・施工段階・逸脱)で見分ける。
この論点の引っかけ・間違えやすい点
収録している過去問の解説から、原価管理・実行予算・原価企画で間違えやすい点を集めました。
- 第38回 第1問 問1:コスト・コントロールだけで終わらせない。利益計画(期間予算の目標利益を工事別に落とす)と責任会計(管理責任区分との対応)を必ず入れる。作成手順や事前原価の種類は機能ではない。
- 第36回 第2問:【2】は 2 か所に同じ語が入る(基準の原価管理 = 昭和 41 年答申の原価統制)。「原価計画」と「原価企画」は語が似ているが、昭和 41 年答申の区分は原価計画(エ)、現代の 3 区分は原価企画(チ)と使い分ける。【7】は「目標原価」ではなく、目標原価まで引き下げる対象の「見積原価」が入る。
- 第33回 第1問 問1:事前原価=見積原価だけで終わらない。三種類それぞれの目的と、原価計算制度との結びつきの有無(見積原価は制度外、予算・標準原価は制度内)が採点要素になる。
- 第31回 第1問 問1:コスト・コントロールだけを詳しく書き、利益計画(期間予算との関係)と責任会計(管理責任区分)を落としやすい。実行予算の作成手順を書いても機能の説明にはならない。
この論点の問題
工事別実行予算の機能第38回 第1問 問1
原価管理の定義と原価企画・原価改善・原価維持の関係(用語選択)第36回 第2問
建設業で用いられる事前原価の種類第33回 第1問 問1
工事レベルの実行予算の三つの機能第31回 第1問 問1
同じ大問で出る論点
第1・2問では次の論点も問われます(問題の多い順)。まとめて対策すると得点が安定します。
A 工事間接費の予定配賦と配賦差異(予算差異・操業度差異・基準操業度)A 労務費の計算(予定賃率・月給制の期間調整・残業手当・労務外注費)A 経費の集計と人件費の区分(役員報酬の等価係数配賦・その他経費)A 原価計算制度の理論(個別・総合原価計算、原価計算基準、特殊原価調査)A 設備投資の経済性計算(税引後CF・正味現在価値・回収期間・取替投資)A 建設業原価計算の目的・特徴と原価の本質(記述)
出題実績は資格試験対策.netが第29〜39回の収録問題を集計したものです。要点と解説は当サイトの独自コンテンツです。最終更新 。