建設業の慣行的な費用分解による分岐点比率と、貸借対照表を活用した均衡分析
これは建設業経理士1級 財務分析 第33回(2023年9月10日(日)実施) 第2問(配点 15点)の問題です。論点は「損益分岐点分析(固変分解・損益分岐点比率・安全余裕率・目標利益)」(重要度A・解答の形は用語群から記号を選ぶ空欄補充(9〜13空欄、2点と1点の混合)か、5文の正誤(T/F、3点×5))。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘が読めます。
次の文中の【 】の中に入る最も適当な用語を下記の<用語群>の中から選び、その記号(ア〜ヘ)を解答用紙の所定の欄に記入しなさい。
原価と売上高と利益の相関関係を的確に把握するために、建設業の【1】分析においては、【2】利益段階での分析を行うことを慣行としている。これは、建設業における資金調達の重要性が加味されていることを意味する。したがって、簡便的に固定費とされている【3】に【4】を加え、変動費である【5】に、その他の【6】(ただし【4】を除く)も加えている。このような費用分解を前提とすると、【1】比率とは、【3】と【4】の合計額を分子とし、【7】と【6】と【4】の合計額を分母として 100 をかけることによって求められる。この比率は、その数値が【8】ほど収益性は安定しているといえる。
また、【1】分析を応用して、貸借対照表を活用した均衡分析を行う手法が、総収益と【9】が一致する分岐点を求める【10】分析である。【9】は【11】と【12】に分解されるが、【10】分析の分子となるのは【12】である。当期の完成工事高が 12,000 千円で、【9】が 10,000 千円、【12】が 2,400 千円であるとき、【10】の完成工事高は、【13】千円(千円未満を切り捨て)となる。
- <用語群>
- ア 営業外収益 イ 営業外費用 ウ 資本回収点 エ 固定的資本 オ 営業外損益 カ 高い キ 変動的資本 ク 経常
- コ 損益分岐点 サ 完成工事原価 シ 支払利息 ス 受取利息 セ 完成工事総利益 ソ 総資本 タ 低い チ 特別損失
- ト 総費用 ナ 営業 ニ 限界利益 ネ 販売費及び一般管理費 ノ 6,545 ハ 9,500 フ 20,727 ヘ 22,000
解答欄
正解
| 空欄1 | コ |
|---|---|
| 空欄2 | ク |
| 空欄3 | ネ |
| 空欄4 | シ |
| 空欄5 | サ |
| 空欄6 | オ |
| 空欄7 | セ |
| 空欄8 | タ |
| 空欄9 | ソ |
| 空欄10 | ウ |
| 空欄11 | キ |
| 空欄12 | エ |
| 空欄13 | ノ |
解き方
- 建設業の損益分岐点(コ)分析は、資金調達の重要性(借入金利子の負担)を加味して経常(ク)利益段階で行うのが慣行になっている。営業利益段階ではなく、営業外損益まで含めた利益で分析する。
- 慣行的な費用分解では、固定費=販売費及び一般管理費(ネ)+支払利息(シ)、変動費=完成工事原価(サ)+その他の営業外損益(オ)(支払利息を除く)とする。営業外損益は収益と費用の両方を含むので、営業外収益(ア)・営業外費用(イ)の片方ではない。
- 損益分岐点比率=(販売費及び一般管理費+支払利息)÷(完成工事総利益(セ)+営業外損益+支払利息)×100。主要比率表では分母を「完成工事総利益+営業外収益−営業外費用+支払利息」と書く。分子が固定費、分母が限界利益(完成工事高−変動費)にあたり、低い(タ)ほど収益性が安定している。
- 損益分岐点分析を貸借対照表に応用したのが資本回収点(ウ)分析で、総収益と総資本(ソ)が一致する点(資本回収点)を求める。総資本は完成工事高に応じて増減する変動的資本(キ)と、増減しない固定的資本(エ)に分解され、分子になるのは固定的資本。
- 資本回収点の完成工事高=固定的資本÷(1−変動的資本÷完成工事高)。変動的資本=総資本 10,000−固定的資本 2,400=7,600。2,400÷(1−7,600÷12,000)=2,400÷0.3666…=6,545.45… → 6,545 千円(ノ)。
同じ論点の過去問
第33回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 財務分析 第33回(2023年9月10日(日)実施) 第2問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する