生産性分析(付加価値率・付加価値増減率・付加価値対固定資産比率・資本集約度・建設仮勘定の逆算)
これは建設業経理士1級 財務分析 第33回(2023年9月10日(日)実施) 第4問(配点 15点)の問題です。論点は「生産性分析:付加価値・付加価値率・労働生産性」(重要度A・解答の形は3点×5の計算問題。3月実施回(第30・32・34・36・38回)は損益分岐点分析、9月実施回(第29・31・33・35・37・39回)は生産性分析(うち第31・35・39回は問5で経常利益段階の損益分岐点比率、第29回は問3が完成工事高総利益率))。採点すると、解き方 7 手順・引っかけの指摘が読めます。
次の<資料>に基づき、下記の設問に答えなさい。なお、解答に際しての端数処理については、解答用紙の指定のとおりとする。
問1 付加価値率を計算しなさい。
問2 前期の付加価値が 172,800 千円であるときの付加価値増減率を計算しなさい。なお、当該比率がプラスの場合は「A」、マイナスの場合は「B」を解答用紙の所定の欄に記入しなさい。
問3 付加価値対固定資産比率を計算しなさい。
問4 資本集約度を計算しなさい。
問5 建設仮勘定の金額を計算しなさい。
| <資料>(金額単位:千円) | 金額 |
|---|---|
| 1.完成工事原価の内訳 材料費 | ? |
| 労務費(すべて労務外注費) | ? |
| 外注費 | ? |
| 経費(うち人件費:35,000) | 60,720 |
| 2.資産の内訳(期中平均) 流動資産 | 289,000 |
| 有形固定資産 | 122,000 |
| (うち建設仮勘定) | ? |
| 無形固定資産 | 3,500 |
| 投資その他の資産 | 65,500 |
| 3.総職員数 期首 | 29 人 |
| 期末 | ?人 |
| 4.その他(注) 完成工事高総利益率 | 25.00 % |
| 総資本回転率 | 1.15 回 |
| 労働生産性 | 6,624 千円 |
| 設備投資効率 | 165.60 % |
- (注)期中平均値を使用することが望ましい比率については、そのような処置をしている。
解答欄 主要比率表(算式)を別タブで開く
正解
| 問1 付加価値率 | 36.00 % |
|---|---|
| 問2 付加価値増減率 | 15.00 % |
| 問2 付加価値増減率の記号 | A |
| 問3 付加価値対固定資産比率 | 104.04 % |
| 問4 資本集約度 | 16,000 千円 |
| 問5 建設仮勘定の金額 | 2,000 千円 |
解き方
- 総資本(期中平均)=流動資産 289,000+有形固定資産 122,000+無形固定資産 3,500+投資その他の資産 65,500=480,000。総資本回転率 1.15 回 → 完成工事高=480,000×1.15=552,000。
- 完成工事高総利益率 25.00% → 完成工事原価=552,000×(1−0.25)=414,000。
- 問1 付加価値=完成工事高−(材料費+労務外注費+外注費)。材料費・労務費・外注費は個別には「?」だが、労務費はすべて労務外注費なので、3つの合計=完成工事原価−経費=414,000−60,720=353,280。付加価値=552,000−353,280=198,720。付加価値率=198,720÷552,000×100=36.00%。
- 問2 付加価値増減率=(当期付加価値−前期付加価値)÷前期付加価値×100=(198,720−172,800)÷172,800×100=25,920÷172,800×100=15.00%。プラスなので記号はA。
- 問3 付加価値対固定資産比率(資本生産性)=付加価値÷固定資産×100。固定資産=有形固定資産 122,000+無形固定資産 3,500+投資その他の資産 65,500=191,000(建設仮勘定も含む)。198,720÷191,000×100=104.041… → 104.04%。
- 問4 労働生産性=付加価値÷総職員数(期中平均)=6,624 千円 → 総職員数(期中平均)=198,720÷6,624=30 人(期末は 31 人)。資本集約度=総資本÷総職員数=480,000÷30=16,000 千円。
- 問5 設備投資効率=付加価値÷(有形固定資産−建設仮勘定)×100=165.60% → 有形固定資産−建設仮勘定=198,720÷1.656=120,000。建設仮勘定=122,000−120,000=2,000 千円。
引っかけ:付加価値の計算で控除するのは材料費・労務外注費・外注費で、経費に含まれる人件費 35,000 は控除しない(経費は付加価値に残る)。問3の固定資産は建設仮勘定を含む固定資産全体(191,000)で、問5で使う「有形固定資産−建設仮勘定」(120,000)と混同しない。問4の職員数は期首 29 人ではなく、労働生産性から逆算した期中平均 30 人を使う。
同じ論点の過去問
第39回 第4問 生産性分析(付加価値率・労働生産性・建設仮勘定の逆算・要因分解)と経常利益段階の損益分岐点比率
第37回 第4問 生産性分析(付加価値・資本生産性・労働装備率・資本集約度・労働生産性の要因分解)
第35回 第4問 生産性分析(付加価値・労働生産性・設備投資効率・資本生産性)と損益分岐点比率からの支払利息の逆算
第32回 第2問 生産性分析の中心概念とその計算方法、生産性指標の分解(用語選択)
第31回 第4問 生産性分析(付加価値率・労働生産性・付加価値対固定資産比率・3要因分解)と経常利益段階の損益分岐点比率
論点ページ:生産性分析:付加価値・付加価値率・労働生産性の要点この論点の出題実績とよくある間違い
→第33回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 財務分析 第33回(2023年9月10日(日)実施) 第4問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する