損益分岐点分析(高低点法による固変分解・損益分岐点完成工事高・安全余裕率・固定費増加時の目標営業利益率達成の完成工事高)
これは建設業経理士1級 財務分析 第36回(2025年3月9日(日)実施) 第4問(配点 15点)の問題です。論点は「損益分岐点分析(固変分解・損益分岐点比率・安全余裕率・目標利益)」(重要度A・解答の形は3点×5の計算問題。3月実施回(第30・32・34・36・38回)は損益分岐点分析、9月実施回(第29・31・33・35・37・39回)は生産性分析(うち第31・35・39回は問5で経常利益段階の損益分岐点比率、第29回は問3が完成工事高総利益率))。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘が読めます。
次の<資料>に基づき、下記の設問に答えなさい。なお、解答に際しての端数処理については、解答用紙の指定のとおりとする。
問1 工事原価を高低2点法によって費用分解し、作業1時間当たりの変動費の額を計算しなさい。
問2 工事原価のうち固定費の額(月額)を計算しなさい。
問3 販売費及び一般管理費を含む当期の損益分岐点完成工事高を計算しなさい。
問4 問3に関連して実際の完成工事高を分子に用いて、当期の安全余裕率を求めなさい。
問5 次期(第37期)の完成工事高営業利益率を 2.0%として、これを達成するための完成工事高を求めなさい。なお、変動費率は当第36期と同じであり、固定費は当第36期と比べて ¥600,000 の増加が見込まれているとする。
- <資料>
- 1.当期(第36期)の完成工事高 ¥20,160,000(年間作業時間 14,400 時間)
- 2.当期における月次の最低操業度及び最高操業度での原価発生額は次の表のとおり。
- 3.当期の販売費及び一般管理費(すべて固定費) ¥3,197,400(年間)
| 作業時間 | 工事原価 | |
|---|---|---|
| 最低操業度 | 1,100 時間 | ¥1,283,000 |
| 最高操業度 | 1,600 時間 | ¥1,794,000 |
解答欄 主要比率表(算式)を別タブで開く
正解
| 問1 作業1時間当たりの変動費 | 1,022 円 |
|---|---|
| 問2 工事原価のうち固定費の額(月額) | 158,800 円 |
| 問3 損益分岐点完成工事高 | 18,900,000 円 |
| 問4 安全余裕率 | 106.67 % |
| 問5 完成工事高営業利益率 2.0%を達成する完成工事高 | 22,812,000 円 |
解き方
- 問1 高低点法では、最高操業度と最低操業度の原価の差を作業時間の差で割って変動費率を求める。作業1時間当たり変動費=(1,794,000−1,283,000)÷(1,600 時間−1,100 時間)=511,000÷500=1,022 円。
- 問2 月次の固定費=原価−変動費。最低操業度で計算すると 1,283,000−1,022×1,100 時間=1,283,000−1,124,200=158,800 円。最高操業度でも 1,794,000−1,022×1,600=1,794,000−1,635,200=158,800 円で一致する。
- 問3 年間に直す。年間変動費=1,022×14,400 時間=14,716,800。変動費率=14,716,800÷20,160,000=0.73。年間固定費=工事原価の固定費 158,800×12 ヵ月=1,905,600+販売費及び一般管理費 3,197,400=5,103,000。損益分岐点完成工事高=固定費÷(1−変動費率)=5,103,000÷(1−0.73)=5,103,000÷0.27=18,900,000 円。
- 問4 実際の完成工事高を分子に用いる安全余裕率=実際の完成工事高÷損益分岐点完成工事高×100=20,160,000÷18,900,000×100=106.666… → 106.67%。
- 問5 次期の固定費=5,103,000+600,000=5,703,000。変動費率 0.73 は同じ。目標の完成工事高を S とすると、営業利益=S×(1−0.73)−5,703,000=0.02S → 0.27S−0.02S=5,703,000 → 0.25S=5,703,000 → S=22,812,000 円。検算:22,812,000×0.27=6,159,240、6,159,240−5,703,000=456,240=22,812,000×2%。
引っかけ:資料の原価データは月次、完成工事高と販売費及び一般管理費は年間なので、問3 以降では固定費を 12 倍して年間に直す(月額 158,800 のまま使うと誤る)。問4 は「実際の完成工事高を分子」と指定されているので 100% を超える値になり、安全余裕額÷実際完成工事高(6.25%)ではない。問5 は目標利益が金額ではなく利益率で与えられているので、固定費÷(限界利益率−目標利益率)の形で解く。
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論点ページ:損益分岐点分析(固変分解・損益分岐点比率・安全余裕率・目標利益)の要点この論点の出題実績とよくある間違い
→第36回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 財務分析 第36回(2025年3月9日(日)実施) 第4問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する