損益分岐点分析(限界利益・損益分岐点完成工事高・安全余裕率・金利負担能力からの逆算・目標営業利益率の完成工事高)
これは建設業経理士1級 財務分析 第38回(2026年3月8日(日)実施) 第4問(配点 15点)の問題です。論点は「損益分岐点分析(固変分解・損益分岐点比率・安全余裕率・目標利益)」(重要度A・解答の形は3点×5の計算問題。3月実施回(第30・32・34・36・38回)は損益分岐点分析、9月実施回(第29・31・33・35・37・39回)は生産性分析(うち第31・35・39回は問5で経常利益段階の損益分岐点比率、第29回は問3が完成工事高総利益率))。採点すると、解き方 6 手順・引っかけの指摘が読めます。
次の<資料>に基づき、下の設問に答えなさい。なお、解答に際しての端数処理については、解答用紙の指定のとおりとする。
問1 限界利益を求めなさい。
問2 損益分岐点の完成工事高を求めなさい。
問3 分子に安全余裕の金額(安全余裕額)を用いた場合の安全余裕率を求めなさい。
問4 金利負担能力(インタレスト・カバレッジ)が10.00 倍となる完成工事高を求めなさい。
問5 第39 期には、経営能力拡大のため9,300 千円の固定費の増加が見込まれている。第39 期の完成工事高営業利益率12.0 %を達成するための完成工事高を求めなさい。なお、変動費率は第38 期と同じである。
| <資料>第38期 損益計算書(一部抜粋)(単位:千円) | 金額 | 内訳 |
|---|---|---|
| 完成工事高 | 316,000 | |
| 完成工事原価 | 246,500 | (うち変動費 201,000) |
| 完成工事総利益 | 69,500 | |
| 販売費及び一般管理費 | 37,180 | (うち変動費 13,880) |
| 営業利益 | 32,320 | |
| 営業外収益 | 9,600 | (うち受取利息 200) |
| 営業外費用 | 7,200 | (うち支払利息 5,300) |
| 経常利益 | 34,720 |
解答欄 主要比率表(算式)を別タブで開く
正解
| 問1 限界利益 | 101,120 千円 |
|---|---|
| 問2 損益分岐点の完成工事高 | 215,000 千円 |
| 問3 安全余裕率(安全余裕額を分子) | 31.96 % |
| 問4 金利負担能力が 10.00 倍となる完成工事高 | 380,000 千円 |
| 問5 第39期の完成工事高営業利益率 12.0% を達成する完成工事高 | 390,500 千円 |
解き方
- 資料は完成工事原価と販売費及び一般管理費の中の変動費を示しているので、営業利益段階で固変分解する。変動費=201,000+13,880=214,880、固定費=(246,500−201,000)+(37,180−13,880)=45,500+23,300=68,800。
- 問1 限界利益=完成工事高−変動費=316,000−214,880=101,120 千円。限界利益率=101,120÷316,000=0.32(変動費率 0.68)。
- 問2 損益分岐点の完成工事高=固定費÷限界利益率=68,800÷0.32=215,000 千円。検算:215,000×0.32−68,800=0。
- 問3 安全余裕額=実際の完成工事高−損益分岐点の完成工事高=316,000−215,000=101,000。安全余裕率=安全余裕額÷実際の完成工事高×100=101,000÷316,000×100=31.962… → 31.96%。
- 問4 金利負担能力=(営業利益+受取利息及び配当金)÷支払利息=10.00 倍 → 営業利益+200=5,300×10=53,000 → 必要な営業利益=52,800。営業利益=完成工事高×0.32−68,800 なので、完成工事高=(52,800+68,800)÷0.32=121,600÷0.32=380,000 千円。
- 問5 第39期の固定費=68,800+9,300=78,100。目標は完成工事高営業利益率 12.0% なので、完成工事高をSとすると 0.32S−78,100=0.12S → 0.20S=78,100 → S=390,500 千円。算式で書くと 固定費÷(限界利益率−目標利益率)=78,100÷(0.32−0.12)。検算:390,500×0.32−78,100=46,860、46,860÷390,500=12.0%。
引っかけ:この問題は資料に変動費の内訳が与えられているので、建設業の慣行的区分(完成工事原価全体を変動費、支払利息を固定費とする経常利益段階の区分)は使わない。問4 の金利負担能力の分子は営業利益に受取利息及び配当金を加えたもので、経常利益ではない。問5 は目標利益が「率」で与えられているので、固定費を(限界利益率−目標利益率)で割る。
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論点ページ:損益分岐点分析(固変分解・損益分岐点比率・安全余裕率・目標利益)の要点この論点の出題実績とよくある間違い
→第38回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 財務分析 第38回(2026年3月8日(日)実施) 第4問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する