工事現場に置く技術者
これは1級建築施工管理技士 第一次検定 令和2年度(2020年10月18日(日)実施) No.76の問題です。論点は「建設業法」(重要度A・解答の形は四肢択一)。採点すると、解き方 3 手順・選択肢 4 つそれぞれの解説・引っかけの指摘・現行の法令・基準との関係が読めます。この問題は、本試験の問題を2026年10月時点の法令・基準に照らして一部改訂したものです。
工事現場に置く技術者に関する記述として,「建設業法」上,誤っているものはどれか。
解答欄
正解
正解:(2) 工事一件の請負代金の額が6,000万円である診療所の建築一式工事において,工事の施工の技術上の管理をつかさどるものは,工事現場ごとに専任の者でなければならない。
解き方
- 建設業法第26条第3項・同法施行令第27条第1項により,公共性のある施設や多数の者が利用する施設(病院・診療所を含む)に関する重要な建設工事で,工事一件の請負代金の額が建築一式工事で9,000万円以上(その他の工事で4,500万円以上)のものは,主任技術者・監理技術者を工事現場ごとに専任の者としなければならない。
- 請負代金の額が6,000万円の診療所の建築一式工事は9,000万円未満なので,専任を要しない。専任の者でなければならないとした(2)が誤りである(出題当時の基準7,000万円以上でも同じ)。
- (1)は同法第26条第2項・同法施行令第2条(建築一式工事で下請契約の総額8,000万円以上),(3)は同法施行令第27条第2項のとおりである。(4)は防水工事の下請契約の総額3,500万円が監理技術者を要する5,000万円に満たないので主任技術者でよい。いずれも正しい。
選択肢ごとの解説
- (1)正しい。発注者から直接建築一式工事を請け負った特定建設業者は,下請契約の総額が8,000万円以上となる場合,監理技術者を置かなければならない(建設業法第26条第2項,同法施行令第2条)。
- (2)誤り。建築一式工事で専任を要するのは請負代金の額が9,000万円以上(出題当時は7,000万円以上)の場合であり,6,000万円では専任を要しない(同法施行令第27条第1項)。
- (3)正しい。密接な関係のある2以上の建設工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所で施工する場合は,同一の専任の主任技術者がこれらの工事を管理できる(同法施行令第27条第2項)。
- (4)正しい。防水工事で下請契約の総額が5,000万円(出題当時は4,000万円)未満なので,監理技術者ではなく主任技術者を置けばよい(同法第26条第1項・第2項)。
問題改訂の内容
本試験の(1)は「発注者から直接建築一式工事を請け負った特定建設業者は,下請契約の総額が6,000万円以上の工事を施工する場合,監理技術者を工事現場に置かなければならない。」だった。監理技術者を置かなければならない下請契約の総額(建設業法第26条第2項,同法施行令第2条)は,出題当時は建築一式工事で6,000万円以上だったが,令和4年政令第353号(2023年1月1日施行)で7,000万円以上,令和6年政令第366号(2025年2月1日施行)で8,000万円以上に引き上げられた。現行の規定では下請契約の総額が6,000万円以上8,000万円未満の場合は監理技術者を置く必要がないので(1)も誤りとなり,正答が(1)(2)の2つになる。正答が 2 つにならないよう(1)の金額を現行の「8,000万円以上」に改めた。正答は本試験と同じ(2)。なお,技術者の専任を要する請負代金の額(同法施行令第27条第1項)も同じ改正で建築一式工事9,000万円以上(その他4,500万円以上)に引き上げられたが,(2)の6,000万円は出題当時の基準(7,000万円)でも現行の基準でも専任を要しないので,(2)が誤りであることは変わらない。
- 建設業法施行令 第2条(2025年2月1日施行)
- 建設業法施行令 第27条第1項(2025年2月1日施行)
- 建設業法 第26条第2項・第3項
本試験の原文(改訂前)を見る
- (1)発注者から直接建築一式工事を請け負った特定建設業者は,下請契約の総額が6,000万円以上の工事を施工する場合,監理技術者を工事現場に置かなければならない。
- (2)工事一件の請負代金の額が6,000万円である診療所の建築一式工事において,工事の施工の技術上の管理をつかさどるものは,工事現場ごとに専任の者でなければならない。
- (3)専任の主任技術者を必要とする建設工事のうち,密接な関係のある2以上の建設工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工するものについては,同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を管理することができる。
- (4)発注者から直接防水工事を請け負った特定建設業者は,下請契約の総額が3,500万円の工事を施工する場合,主任技術者を工事現場に置かなければならない。
本試験の正答:(2)
改訂は資格試験対策.netが行ったもので、主催者によるものではありません。2026年10月時点の法令・基準にもとづきます。
同じ論点の過去問
令和2年度の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した1級建築施工管理技士 第一次検定 令和2年度(2020年10月18日(日)実施) No.76。現行の法令・基準に照らして一部を改訂しています(本試験の原文は解説の「問題改訂の内容」)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する