空気調和設備工事の留意事項(冷却塔の配置・保温・空気調和機の据付け・送風機の試運転)
これは1級管工事施工管理技士 第二次検定 令和7年度(2025年12月7日(日)実施) 問題4 設問1の問題です。論点は「機器の据付け」(重要度B・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。
次の(1)〜(4)に関する留意事項を、それぞれ解答欄の(1)〜(4)に具体的かつ簡潔に記述しなさい。
【問題4】鉄筋コンクリート造5階建ての新築事務所ビルの空気調和設備工事で、その設備概要が次のとおりである場合、設問1〜設問3の答えを解答欄に記述しなさい。
ただし、工程管理及び安全管理に関する事項は除く。
【設備概要】
空調方式:変風量単一ダクト方式
熱源機器:吸収冷温水機2台(1階熱源機械室に設置)
冷却塔:開放式2台(屋上に設置)
空気調和機:ユニット形空気調和機(各階機械室に1台設置)
ポンプ:遠心ポンプ(冷温水用2台、冷却水用2台)
換気方式:第一種機械換気方式(機械室、倉庫)、第三種機械換気方式(便所)
送風機:遠心送風機
配管:冷温水管、冷却水管、ドレン管 配管用炭素鋼鋼管(白)
ダクト:亜鉛鉄板製
空調吹出口:シーリングディフューザー
自動制御設備:デジタル式、中央監視制御装置
(1) 冷却塔の配置に関し、運転の観点からの留意事項
(2) 冷温水管の保温施工に関する留意事項
(3) ユニット形空気調和機のコンクリート基礎への据付けに関する留意事項
(4) 遠心送風機(Vベルト駆動)の個別試運転調整に関する留意事項
解答欄
正解
冷却塔は、吐き出した高温多湿の空気を再び吸い込まないよう、周囲の壁や他の冷却塔との離隔を十分に確保して配置する。
56 字冷却塔は、煙突や厨房排気口などの排気を吸い込まない位置とし、外気取入口や窓からは10m以上離して配置する。
冷却塔の水槽の水位を冷却水ポンプより高い位置とし、ポンプの吸込み側に必要な押込み水頭を確保できるよう配置する。
2台の冷却塔を並べる場合は、互いの吐出し空気が相手の空気取入面に回り込まないよう、取入面の間隔を十分にとる。
運転時の送風機や落水の騒音が敷地境界で騒音規制法や条例の規制基準以下になるよう、隣地や住宅から離して配置する。
冷水も流れるため、保温筒の外側にポリエチレンフィルムを1/2重ね以上に巻いて防湿層を連続させ、結露を防ぐ。
53 字吊りバンドなどの支持部には合成樹脂製や木製の断熱支持受けを用い、保温を切らずに連続させて支持金物の結露を防ぐ。
横走り管の筒状保温材の抱合せ目地は管の横側に位置させ、保温材どうしの継目にすき間ができないよう密着させる。
弁・ストレーナー・フランジ回りも保温し、点検のため取り外す部分は保温カバーとして、金属面を露出させない。
基礎の高さは、ドレン管の排水トラップに機内の負圧以上の封水深さを確保できる高さ(150mm程度以上)とする。
54 字コンクリート基礎は打設後10日程度以上養生して所定の強度が出てから、空気調和機を据え付ける。
空気調和機はライナー等で水平に調整し、アンカーボルトはナットを締め付けた後にねじ山が3山程度出る長さとする。
地震時の移動・転倒を防ぐため、空気調和機はアンカーボルトで基礎に固定し、防振架台を用いる場合は耐震ストッパーを設ける。
Vベルトは、中央を指で押したときにベルトの厚さ程度たわむ張りに調整し、プーリーの芯ずれがないことを確認する。
54 字手元スイッチで瞬時運転して羽根車の回転方向が正しいことを確認してから連続運転し、異常な音や振動がないことを確認する。
吐出し側ダンパーを閉じ気味にして起動し、電動機の運転電流が定格値以下であることを確かめながら徐々に開いて風量を調整する。
運転中に軸受の温度を測定し、周囲の空気の温度+40℃以下であることを確認する。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- (1) 冷却塔は、吐き出した高温多湿の空気を自ら吸い込む(ショートサーキット)と冷却能力が落ち、冷却水温度が上がって熱源機の効率が下がる。周囲の壁・目隠し・他の冷却塔との離隔を製造者の推奨値以上にとる。また、煙突や厨房排気を吸い込まない位置とし、レジオネラ属菌を含むおそれのある飛散水が外気取入口や窓から入らないよう10m以上離す。冷却水ポンプが冷却塔の水槽の水位より低い位置にあることも運転上の条件である。
- (2) 冷温水管は冷水を流すときに表面温度が露点より低くなるので、保冷として施工する。公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)では、屋内の冷温水管は保温筒の外側にポリエチレンフィルムを1/2重ね以上に巻いて防湿層とする。支持部で保温を切ると金物から結露するので、断熱支持受けを使う。
- (3) ユニット形空気調和機のドレンパンは送風機の吸込み側にあって負圧になるので、ドレン管の排水トラップの封水深さは機内の負圧より大きくする必要があり、その高さを確保できるように基礎を高くする。公共建築設備工事標準図(基礎施工要領(一))では空気調和機の基礎の高さを150mmとしている。基礎はコンクリートの打設後10日間以内に荷重をかけないこと(公共建築工事標準仕様書 第3編2.1.1(3))、機器は水平に据え付けてアンカーボルトで固定する。
- (4) Vベルトは張りすぎると軸受の過熱や早期摩耗、緩すぎるとスリップや発熱の原因になる。多翼送風機などの遠心送風機は風量が増えると軸動力が増えるので、ダンパーを絞って起動し電流値を見ながら開く。回転方向・異常音・振動・軸受温度(周囲温度+40℃以下が目安)を確認する。
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令和7年度の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級管工事施工管理技士 第二次検定 令和7年度(2025年12月7日(日)実施) 問題4 設問1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する