令和2年度 問題1 設問3論点:配管の施工重要度 A未着手

高置タンク電極棒取付け・温水配管基本回路・アングルフランジ工法ダクト吊りの改善策

これは1級管工事施工管理技士 第二次検定 令和2年度(2020年12月6日(日)実施) 問題1 設問3の問題です。論点は「配管の施工」(重要度A・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 6 手順・引っかけの指摘が読めます。

(3)〜(5)に示す各図について、適切でない部分の改善策を具体的かつ簡潔に記述しなさい。

【問題1】次の設問1〜設問3の答えを解答欄に記述しなさい。

(3) 高置タンク電極棒取付け要領図。高置タンクの左上の側面に揚水管が接続され(右向きの矢印で流入)、右上の側面にオーバーフロー管、右下の側面に給水管(右向きの矢印で流出)が接続されている。電極棒はタンクの天板の左寄り、揚水管の接続口のすぐ近くに取り付けられ、4本の電極棒が下がっている。電極棒の下端は、短いほうから順にポンプ停止水位、ポンプ運転水位、減水警報水位、ニュートラル電極棒位置(タンク底部の近く)に合わせてある。水位の線は上から、ポンプ停止水位、ポンプ運転水位、減水警報水位、ニュートラル電極棒位置。オーバーフロー管の接続口はポンプ停止水位より上にある。防波筒などは描かれていない。図中の文字:電極棒、高置タンク、揚水管、オーバーフロー管、ポンプ停止水位、ポンプ運転水位、減水警報水位、ニュートラル電極棒位置、給水管。
(4) 温水配管基本回路図。温水ボイラーの上部の側面から温水(往)の管が出て右へ進み、上に立ち上がって放熱器を通り、右側を温水(還)として下がり、下部を左へ戻って温水ポンプを通り、温水ボイラーの下部の側面に入る。上方に開放形の膨張タンクがあり、その水面は放熱器よりh≧1m高い。膨張タンクの底から膨張管が下がり、温水(往)の管とは渡り(接続しない交差)で交差して、温水ポンプと温水ボイラーの間の管(温水ポンプの吐出し側)に接続している。温水ボイラーの頂部には逃し弁があり、その吐出し側の管は左へ出て下がり、下端は開放(排水口)になっている。図中の文字:膨張タンク、h≧1m、放熱器、膨張管、温水(往)、温水(還)、逃し弁、温水ボイラー、温水ポンプ。
(5) 亜鉛鉄板製アングルフランジ工法ダクト吊り要領図(側面図)。上部は梁のある鉄筋コンクリートのスラブで、その下に横走り主ダクト(1,000mm×350mm)が水平に通り、ダクトの下に天井がある。ダクトにはアングルフランジの継目が一定の間隔で並ぶ。スラブのインサートから吊りボルトが下がり、ダクトの下面の山形鋼で受ける吊り金物で、7箇所でダクトを吊っている。吊り金物の間隔はいずれも3,500mmで6区間(計21,000mm)。吊り金物のほかに、斜材などの振れ止め支持は描かれていない。図中の文字:吊り金物、3,500mm(6箇所)、天井、横走り主ダクト(1,000mm×350mm)。

解答欄

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本試験は解答用紙の枠に手書きです。書き終えたら「採点する」で模範解答と要点を表示し、書けていた要点にチェックを入れて記録します。

字数は本試験の解答欄に入るおおよその量です。「〜する」「〜を行う」の形で、具体的な数値や方法まで書くと要点が入りやすくなります。

正解

(3) 高置タンク電極棒取付け要領図の改善策 模範解答

電極棒は揚水管の吐水口から離れた位置に取り付けるか防波筒を設け、波立ちによる誤作動やポンプの頻繁な発停を防ぐ。

55 字
別解

揚水の吐水で水面が波立つと電極が誤作動するので、電極保持器を吐水口から離れた水面の静かな位置に移す。

電極棒に防波筒を取り付けて吐水による水面の乱れを受けないようにし、ポンプの停止・運転水位を正しく検出させる。

ポンプ停止水位とオーバーフロー管の間に満水警報用の電極棒を設け、ポンプが停止しない異常を知らせるようにする。

(4) 温水配管基本回路図の改善策 模範解答

膨張管は温水ポンプの吐出し側ではなく吸込み側の温水(還)管に接続し、ポンプの吸込み側が負圧にならないようにする。

56 字
別解

膨張管の接続位置を、温水ポンプと温水ボイラーの間から、温水ポンプより上流側の温水(還)管に移す。

膨張管を温水ポンプの吸込み側に接続し、系統内の圧力が膨張タンクの水頭より下がらないようにする。

(5) 亜鉛鉄板製アングルフランジ工法ダクト吊り要領図の改善策 模範解答

横走り主ダクトには、吊り金物のほかに12m以下ごとと末端部に、形鋼による振れ止め支持を設ける。

47 字
別解

地震時の横揺れを防ぐため、横走り主ダクトに12m以下の間隔で山形鋼などの形鋼振れ止め支持を追加する。

吊り間隔3,500mmはそのままとし、横走り主ダクトの12m以内ごとに形鋼で振れ止め支持を行う。

要点(書けていたものにチェック)(3) 高置タンク電極棒取付け要領図の改善策(4) 温水配管基本回路図の改善策(5) 亜鉛鉄板製アングルフランジ工法ダクト吊り要領図の改善策
要点の 6 割以上で「正解」扱いにします。

模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。

解き方

  1. (3) 高置タンクの揚水ポンプは電極棒で水位を検出して自動発停させる。図では電極棒が揚水管の接続口(吐水口)のすぐ近くに取り付けられている。揚水中は吐水で水面が波立つので、電極が水位を正しく検出できず、ポンプの停止・運転を短い間隔で繰り返したり(ハンチング)、減水警報が誤って出たりする。
  2. 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版 第4編2.1.4(1) は、液面検出器は測定誤差、ハンチング等が生じないよう必要に応じてガイドパイプ又は防波筒等を設けるとしており、タンクの附属品にも「電極棒用防波筒」がある(第5編1.4.2)。電極棒は揚水管の吐水口から離れた位置に取り付けるか、防波筒を設ける。
  3. なお、図の電極棒はポンプ停止・ポンプ運転・減水警報・ニュートラルの4本で、満水警報の電極棒がない。満水警報は、ポンプ停止の電極や制御回路の故障でポンプが止まらず水位が上がり続けたときに知らせるもので、高置タンクでは一般に設けるので、これを加える改善も成り立つ(別解)。
  4. (4) 開放式膨張タンクの膨張管の接続点は、ポンプの運転・停止にかかわらず圧力が膨張タンクの水頭で一定に保たれる点(圧力の基準点)になる。図では膨張管が温水ポンプの吐出し側(ポンプとボイラーの間)に接続されているので、ポンプを運転すると、ポンプの吸込み側の圧力は基準点よりポンプの揚程分だけ低くなり、放熱器などの高所や還り管が負圧になって空気を吸い込んだり、温水が沸騰しやすくなったりする。
  5. 膨張管を温水ポンプの吸込み側(ポンプより上流の温水(還)管)に接続すると、ポンプの運転中も系統全体が膨張タンクの水頭以上の正圧に保たれる。膨張タンクの水面を放熱器より1m以上高くしていること(h≧1m)、温水ボイラーに逃し弁を設けて吐出し側を開放していることは適切である。
  6. (5) 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)第3編2.2.2.2(1) では、アングルフランジ工法ダクトの横走りダクトの吊り間隔は3,640mm以下なので、図の3,500mmは適切である。一方、同2.2.2.1(2) により、横走りダクトは周長1,000mm以内の場合や吊りボルトの長さが平均200mm以内の場合などを除き、12m以下ごとに形鋼振れ止め支持を行い、末端部にも形鋼振れ止め支持を行う。図のダクトは1,000mm×350mm(周長2,700mm)で、21mにわたって吊り金物だけで支持しているので、形鋼振れ止め支持が必要である。
引っかけ:(3) は電極棒の長さの順番やオーバーフロー管の位置は正しく、電極棒の取付け位置(揚水管の吐水口の直近)が問題。(4) は膨張管の接続位置がポンプの吐出し側になっている。(5) の吊り間隔3,500mmは基準(3,640mm以下)を満たしており、誤りは振れ止め支持がないこと。

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出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級管工事施工管理技士 第二次検定 令和2年度(2020年12月6日(日)実施) 問題1 設問3。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する