令和元年度 問題2論点:配管の施工重要度 A未着手

マルチパッケージ形空気調和機の冷媒管の施工・試運転調整の留意事項

これは1級管工事施工管理技士 第二次検定 令和元年度(2019年12月1日(日)実施) 問題2の問題です。論点は「配管の施工」(重要度A・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。

空冷ヒートポンプマルチパッケージ形空気調和機の冷媒管の施工及び試運転調整を行う場合の留意事項を解答欄に具体的かつ簡潔に記述しなさい。

ただし、冷媒管の接続は、ろう付け又はフランジ継手とする。記述する留意事項は、次の(1)〜(4)とし、工程管理及び安全管理に関する事項は除く。

(1) 冷媒管(断熱材被覆銅管)を施工する場合の留意事項(吊り又は支持に関するものを除く。)

(2) 冷媒管(断熱材被覆銅管)の吊り又は支持に関する留意事項

(3) 冷媒管の試験に関する留意事項

(4) マルチパッケージ形空気調和機の試運転調整における留意事項

解答欄

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本試験は解答用紙の枠に手書きです。書き終えたら「採点する」で模範解答と要点を表示し、書けていた要点にチェックを入れて記録します。

字数は本試験の解答欄に入るおおよその量です。「〜する」「〜を行う」の形で、具体的な数値や方法まで書くと要点が入りやすくなります。

正解

(1) 冷媒管(断熱材被覆銅管)を施工する場合の留意事項(吊り又は支持に関するものを除く。) 模範解答

ろう付けは管内に窒素ガスを流しながら行い、管の内面に酸化皮膜が生じないようにする。

41 字
別解

施工中の管の端部はキャップやテープで密閉し、管内に水分やごみが入らないようにする。

1/2H材を曲げる場合は専用工具を用い、曲げ半径を管径の4倍以上として偏平を防ぐ。

断熱材の継目には断熱粘着テープを1/2重ねで巻き、すき間をなくして結露を防ぐ。

(2) 冷媒管(断熱材被覆銅管)の吊り又は支持に関する留意事項 模範解答

吊り金物の間隔は、銅管の外径9.52mm以下で1.5m以下、12.70mm以上で2.0m以下とする。

50 字
別解

断熱材被覆銅管と吊り金物の間に保護プレートを挟み、自重で断熱材が食い込まないようにする。

立て管は中間部の1箇所で固定し、ほかは熱伸縮を妨げない支持とし、各階で振れ止めをする。

冷媒管と制御線を共吊りする場合は、支持部で制御線に損傷を与えないようにする。

(3) 冷媒管の試験に関する留意事項 模範解答

気密試験は乾燥窒素で設計圧力(R410Aで4.15MPa)まで段階的に加圧し、24時間保持して圧力降下がないか確認する。

60 字
別解

気密試験には酸素や可燃性ガス、空気を使わず、乾燥窒素などの不活性ガスを用いる。

気密試験後は真空ポンプで−100.7kPa以下まで真空引きし、1時間以上保持して真空度が戻らないことを確認する。

気密試験は保温施工の前に行い、ろう付け部やフランジ部に発泡液を塗って漏れがないことを確認する。

(4) マルチパッケージ形空気調和機の試運転調整における留意事項 模範解答

冷媒を配管長に応じて追加充塡し、運転中の吸込み・吐出し圧力と運転電流が製造者の規定範囲内か確認する。

50 字
別解

運転前に圧縮機のクランクケースヒーターへ製造者の指定時間以上通電し、起動時の液圧縮を防ぐ。

室内機を1台ずつ運転し、冷媒管と連絡配線の系統が室内機の設定と一致していることを確認する。

各室内機の吸込みと吹出しの温度差、ドレンの排水状況、異常な音・振動がないことを確認する。

要点(書けていたものにチェック)(1) 冷媒管(断熱材被覆銅管)を施工する場合の留意事項(吊り又は支持に関するものを除く。)(2) 冷媒管(断熱材被覆銅管)の吊り又は支持に関する留意事項(3) 冷媒管の試験に関する留意事項(4) マルチパッケージ形空気調和機の試運転調整における留意事項
要点の 6 割以上で「正解」扱いにします。

模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。

解き方

  1. (1) 冷媒管のろう付けは、配管内に不活性ガス(窒素ガス)を通しながら行うなどの酸化防止措置を講ずる(公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)第2編2.4.6(10))。酸化皮膜(スケール)が冷媒回路の膨張弁やストレーナを詰まらせ、圧縮機の故障の原因になるためである。銅管1/2H材は専用工具で曲げてよいが、曲げ半径は管径の4倍以上とする(同2.4.6(2))。断熱材被覆銅管の断熱材の継目は、断熱粘着テープを1/2重ね巻きとし、すき間が生じないように施工する(同2.4.6(8))。
  2. (2) 冷媒用銅管の吊り金物の間隔は、基準外径9.52mm以下で1.5m以下、12.70mm以上で2.0m以下とする(同2.6.2.2(9))。断熱材被覆銅管と吊り金物・支持金物の間に保護プレートを設け、自重による断熱材の食込みを防止する(同2.4.6(3))。立て管は立て管長の中間部で1箇所固定し、他は温度変化による伸縮を妨げない支持とする(同2.6.2.3(6))。
  3. (3) 冷媒管は、JRA-GL14「フロン類を用いた冷凍空調機器の冷媒漏えいガイドライン」による気密試験を行い、気密試験後は全系統の高真空蒸発脱水処理を行う(同2.9.2(オ))。気密試験には乾燥窒素を用い、酸素(爆発のおそれ)やフロン類は使わない。試験圧力は使用する冷媒の設計圧力(R410Aの高圧側で4.15MPa)とし、段階的に昇圧して漏れを確かめ、一般に24時間程度保持して、温度補正をしたうえで圧力降下がないことを確認する。試験は保温施工の前に行う(同2.9.1)。
  4. (4) 試運転では、配管長に応じた冷媒の追加充塡量を確かめ、運転中の吸込み・吐出し圧力、運転電流、室内機ごとの吹出し温度、ドレンの排水を確認する。マルチパッケージ形は1台の室外機に複数の室内機がつながるので、冷媒管と連絡配線の系統が室内機のアドレス設定と一致しているか(誤配管・誤配線がないか)を確かめる。圧縮機の液圧縮を防ぐため、運転前に製造者の指定時間以上電源を入れてクランクケースヒーターで予熱する。
引っかけ:(1) は吊り・支持を除くので、支持の話は(2)に書く。(3) は水圧試験ではなく、窒素ガスによる気密試験と真空引き。保持時間「最小30分」は水配管の値で、冷媒管には当てはまらない。

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出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級管工事施工管理技士 第二次検定 令和元年度(2019年12月1日(日)実施) 問題2。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する