平成29年度 問題1 設問3論点:配管の施工重要度 A未着手

冷温水コイル廻り配管・揚水ポンプ廻り・複式伸縮管継手の改善策

これは1級管工事施工管理技士 第二次検定 平成29年度(2017年12月3日(日)実施) 問題1 設問3の問題です。論点は「配管の施工」(重要度A・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 3 手順・引っかけの指摘が読めます。

(3)〜(5)に示す各図について、適切でない部分の改善策を具体的かつ簡潔に記述しなさい。

【問題1】次の設問1〜設問3の答えを解答欄に記述しなさい。

(3) 冷温水コイル廻り配管要領。空気調和機の冷温水コイル(左から気流方向の矢印がコイル面に当たる)の側面に上下2つの接続口がある。冷温水往き管(CH、コイルに向かう矢印)はコイル右側の縦管の裏を通り、上部で左側の縦管に接続し、仕切弁(GV)を経てコイル上部の接続口に入る。左側の縦管の上端は仕切弁(GV)付きの空気抜き。コイル下部の接続口から出た管は右側の縦管に接続し、仕切弁(GV)を経て上がり、冷温水還り管(CHR、コイルから離れる矢印)に接続する。右側の縦管の上端は仕切弁(GV)付きの空気抜き、下端は仕切弁(GV)を経て排水(排水口)。つまり、往き管がコイル上部、還り管がコイル下部に接続されている。図中の文字:空気抜き、GV(4か所)、コイル、気流方向、CH、CHR、排水。
(4) 地上式タンクにおける揚水ポンプ廻り施工要領。防振基礎(コンクリート基礎の上の共通ベース)に据え付けた横形の渦巻ポンプと電動機。吸込み管は左手前から水平に入り(右向きの矢印)、ポンプ側から防振継手、仕切弁(GV)の順で、GVの上流側を門形の形鋼振止めで支持している。吐出し管(呼び径80A)はポンプ上部の吐出し口から立ち上がり、ポンプ側から防振継手、仕切弁(GV)、逆止弁(CV)の順に取り付けられ、上部を門形の形鋼振止めで支持している(上向きの矢印)。吐出し側と吸込み側にそれぞれ圧力計(P)がある。基礎の排水目皿から排水管を出して漏斗(ろうと)に間接排水している。図中の文字:形鋼振止め(2か所)、呼び径80A、CV、GV(2か所)、防振継手(2か所)、圧力計(2か所)。
(5) 複式伸縮管継手の取付け要領。天井スラブにアンカーで取り付けた門形の形鋼架台(隅にガセットプレート付き)の下に、横走り配管が通る。配管の中央に複式伸縮管継手(両端フランジ接続)があり、継手本体の中央部をUボルト状の金物で架台の下面に「固定」している。継手の両側の配管には左右それぞれ「伸縮」の両向き矢印があり、両側の配管が伸縮する。継手の両側の配管には、ガイドなどの支持は描かれていない。図中の文字:固定、伸縮(2か所)、伸縮管継手。

解答欄

0 / 60 字
0 / 60 字
0 / 60 字

本試験は解答用紙の枠に手書きです。書き終えたら「採点する」で模範解答と要点を表示し、書けていた要点にチェックを入れて記録します。

字数は本試験の解答欄に入るおおよその量です。「〜する」「〜を行う」の形で、具体的な数値や方法まで書くと要点が入りやすくなります。

正解

(3) 冷温水コイル廻り配管要領の改善策 模範解答

往き管(CH)をコイル下部の接続口に、還り管(CHR)を上部に接続し、下から上へ通水して空気を抜けやすくする。

55 字
別解

冷温水はコイルの下部から入れて上部から出すよう往き管と還り管を入れ替え、気流と対向する流れにする。

還り管をコイル上部に接続してその最上部に空気抜きを設け、往き管を下部に接続して、コイル内に空気がたまらないようにする。

(4) 地上式タンクにおける揚水ポンプ廻り施工要領の改善策 模範解答

吐出し側の逆止弁と仕切弁の位置を入れ替え、ポンプ側から防振継手、逆止弁、仕切弁の順に取り付ける。

48 字
別解

逆止弁(CV)を仕切弁(GV)よりポンプ側に設け、仕切弁を閉めれば逆止弁を点検・交換できるようにする。

吐出し管の弁の順序をポンプ、防振継手、逆止弁、仕切弁とし、逆止弁の保守のときに揚水管の水を抜かずに済むようにする。

(5) 複式伸縮管継手の取付け要領の改善策 模範解答

伸縮管継手の両側の配管に、管が軸方向にだけ動くようガイドを設け、伸縮による管の曲がりや座屈を防ぐ。

49 字
別解

複式伸縮管継手の左右の配管を、継手の近くで形鋼架台にガイドで支持し、管の伸縮を継手の軸方向に導く。

継手本体の固定に加えて両側の配管にガイドを取り付け、両側の伸縮の起点となる箇所に固定点を設ける。

要点(書けていたものにチェック)(3) 冷温水コイル廻り配管要領の改善策(4) 地上式タンクにおける揚水ポンプ廻り施工要領の改善策(5) 複式伸縮管継手の取付け要領の改善策
要点の 6 割以上で「正解」扱いにします。

模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。

解き方

  1. (3) 図の冷温水往き管(CH)は右側の縦管の裏を通って左側の縦管に入り、コイル上部の接続口につながっている。還り管(CHR)はコイル下部の接続口から右側の縦管を上がって出ていく。つまり、上から入って下から出る流れになっている。コイルは下部から送水し上部から還水する。上から下へ流すと、コイル内の空気が水と一緒に押し出されずに上部にたまり、伝熱面積が減って能力が下がる。下から上へ流せば空気は水の流れとともに上部へ集まり、上部の空気抜きから抜ける。また、図ではコイル上部の接続口が空気の入口側、下部の接続口が出口側にあるので、往きと還りを入れ替えると、冷温水が空気の出口側から入口側へ流れる対向流になり、熱交換の効率もよくなる。公共建築設備工事標準図(機械設備工事編)令和7年版の「冷温水コイル及び加湿器廻り配管要領」でも、往き管(CH)はコイル下部、還り管(CHR)はコイル上部に接続し、上部に空気抜弁を設けている。
  2. (4) 吐出し管には、ポンプ側から防振継手、仕切弁(GV)、逆止弁(CV)の順に取り付けられている。逆止弁は仕切弁よりポンプ側に設け、ポンプ側から防振継手、逆止弁、仕切弁の順とする(公共建築設備工事標準図(機械設備工事編)令和7年版「空調ポンプ廻り配管要領」の弁の並びと同じ)。逆止弁はポンプ停止時に揚水管の水が逆流するのを止める弁で、弁座の摩耗や異物のかみ込みで点検・交換が必要になる。仕切弁が逆止弁の上流(ポンプ側)にあると、仕切弁を閉めても逆止弁の上に揚水管内の水圧がかかったままになり、揚水管の水を抜かないと逆止弁を外せない。なお、地上式タンクからの吸込みは押込みになるので、吸込み側の計器が圧力計(連成計でない)であることや、フート弁がないことは適切である。
  3. (5) 複式伸縮管継手は、継手本体の中央部を固定し、両側の配管の伸縮を左右の伸縮部で吸収する。図では本体は固定されているが、両側の配管にガイドがない。ガイドがないと、管の伸縮による軸方向の力で配管が横に振れたり曲がったり(座屈)して、継手に曲げの力がかかり、伸縮部の損傷や漏れの原因になる。公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版の第2編2.4.1(7)は、伸縮管継手を設ける配管には、その伸縮の起点として有効な箇所に標準図(伸縮管継手の固定及びガイド・座屈防止用形鋼振れ止め支持施工要領)による固定及びガイドを設けるとしている。標準図の複式伸縮管継手の例では、継手本体を中央で固定し、両側の配管を形鋼架台のガイドで支持している。
引っかけ:(3)はCHが右側の縦管の裏を通って左側の縦管(コイル上部)に入っている。線の切れ目(交差して接続していない部分)を見落とすと、往き・還りを読み違える。(4)の圧力計は押込み(地上式タンク)なので適切で、改善するのは弁の順序。(5)は本体の固定は正しく、足りないのは両側のガイド。

同じ論点の過去問

平成29年度の前後の問題

1級管工事施工管理技士 第二次検定 過去問一覧(回別・論点別)

出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級管工事施工管理技士 第二次検定 平成29年度(2017年12月3日(日)実施) 問題1 設問3。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する