TA法による設計例の等値換算厚と照査
これは1級舗装施工管理技術者 応用試験 平成28年度(2016年6月26日(日)実施) 問2 (3)の問題です。論点は「舗装の設計」(重要度A・解答の形は穴埋め・計算・記述)。採点すると、解き方 6 手順・引っかけの指摘が読めます。
表-1は、交通量区分N6、信頼度90%、設計期間10年の条件でアスファルト舗装を構造設計する場合の設計例である。各設計例の等値換算厚TA'を求め①〜④に整数で記入しなさい。必要等値換算厚TAが表-1に示す値であるときに、各設計例が構造設計の原則において適当であるか照査し、適当であれば「○」、不適当であれば「×」を⑤〜⑧に記入しなさい。
表-1 設計例
| 材料 | 等値換算係数a | 設計例1 | 設計例2 | 設計例3 | 設計例4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 表・基層 | 1.00 | 15cm | 15cm | 10cm | 15cm |
| 瀝青安定処理 | 0.80 | - | - | 8cm | 30cm |
| 粒度調整砕石 | 0.35 | 20cm | 20cm | 15cm | - |
| クラッシャラン | 0.25 | 40cm | 30cm | 40cm | - |
| 路床土(設計CBR) | 現状土 | 100cm(CBR=4) | 100cm(CBR=4) | 100cm(CBR=4) | 100cm(CBR=3) |
| 必要等値換算厚 | TA | 32cm | 32cm | 32cm | 39cm |
解答欄
正解
| ① 設計例1の等値換算厚TA' | 32 |
|---|---|
| ② 設計例2の等値換算厚TA' | 29(29.5・30 も正解) |
| ③ 設計例3の等値換算厚TA' | 31(31.65・31.6・31.7・32 も正解) |
| ④ 設計例4の等値換算厚TA' | 39 |
| ⑤ 設計例1の設計照査 | ○ |
| ⑥ 設計例2の設計照査 | × |
| ⑦ 設計例3の設計照査 | × |
| ⑧ 設計例4の設計照査 | × |
解き方
- TA'=Σ(ai×hi)(ai:等値換算係数、hi:層厚cm)。TA法では TA'≧TA となるように各層の厚さを決め、あわせて表層と基層を加えた最小厚さ(N6は15cm。上層路盤に瀝青安定処理を用いる場合は10cm)と路盤各層の1層の最小厚さ(瀝青安定処理は最大粒径の2倍かつ5cm、その他は最大粒径の3倍かつ10cm)を満足させる。フルデプスアスファルト舗装(路床上のすべての層を加熱アスファルト混合物と瀝青安定処理で構成)は、路床上に直接アスファルト混合物を施工するので、路床の設計CBRが6以上の場合に採用する(舗装設計便覧・舗装設計施工指針)。
- 設計例1:1.00×15+0.35×20+0.25×40=15+7+10=32 ≧ 32。表・基層15cmもN6の最小厚さを満足する → 適当(○)。
- 設計例2:1.00×15+0.35×20+0.25×30=15+7+7.5=29.5 < 32 → 不適当(×)。整数では29(小数点以下切り捨て)。
- 設計例3:1.00×10+0.80×8+0.35×15+0.25×40=10+6.4+5.25+10=31.65 < 32 → 不適当(×)。整数では31(小数点以下切り捨て)。表・基層10cmは上層路盤に瀝青安定処理を用いるので最小厚さを満足し、瀝青安定処理8cmも最大粒径40mmの2倍を満たすが、TA'が0.35cm不足する。
- 丸め方の根拠:便覧の目標とするTAの表は、計算式 TA=3.84N^0.16/CBR^0.3 の値を整数に切り上げたものである(N6・CBR20 は19.46→20、N7・CBR6 は36.14→37)。必要側をすでに安全側に丸めているので、設計側のTA'を四捨五入して32とし「32≧32」で合格とはしない。設計実務でもTA'は小数のまま(例:29.3≧29)目標TAと比べる。「整数で記入」の指示には、安全側の切り捨てで31と書き、照査は計算値31.65で行う。
- 設計例4:1.00×15+0.80×30=15+24=39 ≧ 39 で、TA'は足りる。しかし粒状路盤を用いず、路床上に直接瀝青安定処理30cmを設けるフルデプスアスファルト舗装の構成で、路床の設計CBRが3しかない。フルデプスアスファルト舗装は路床の設計CBRが6以上の場合に採用するものなので、構造設計の原則に合わない → 不適当(×)。設計例4だけ路床をCBR3としているのは、この点を問うためである。
引っかけ:設計例3は31.65を四捨五入すると32になり「32≧32で適当」としがちだが、照査は計算値31.65で行い、必要等値換算厚に0.35cm足りない。表・基層10cmが薄すぎるから×とするのは理由の誤り(瀝青安定処理があれば10cmまで低減できる)。設計例4はTA'=TA=39で数字の上では足りるが、CBR3の路床にフルデプスアスファルト舗装を適用している点で×になる。
同じ論点の過去問
令和8年度 問2 (1)舗装の構造設計方法(穴埋め)
令和8年度 問2 (3)性能指標に応じた表層材料の設定
令和7年度 問2 (1)アスファルト舗装の設計方法(TA法)
令和7年度 問2 (2)コンクリート舗装の理論的設計方法
令和7年度 問2 (3)工事用道路の累積49kN換算輪数の式
論点ページ:舗装の設計の要点この論点の出題実績とよくある間違い
→平成28年度の前後の問題
出典:一般社団法人 日本道路建設業協会が実施した1級舗装施工管理技術者 応用試験 平成28年度(2016年6月26日(日)実施) 問2 (3)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する