橋梁・擁壁の基礎
これは1級土木施工管理技士 第一次検定 令和2年度(2020年10月4日(日)実施) 問題A No.12の問題です。論点は「基礎工・土留め」(重要度A・解答の形は四肢択一)。採点すると、解き方 3 手順・選択肢 4 つそれぞれの解説・引っかけの指摘・現行の法令・基準との関係が読めます。
構造物の基礎に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
解答欄
正解
正解:(1) 橋梁下部の直接基礎の支持層は,砂層及び砂礫層では十分な強度が,粘性土層では圧密のおそれのない良質な層が,それぞれ必要とされるため,沖積世の新しい表層に支持させるとよい。
解き方
- 直接基礎の支持層は、長期的に安定して存在し十分な地盤抵抗が得られる層とする(道路橋示方書IV下部構造編 平成29年 8.3)。沖積世の新しい表層は未固結で、圧密や液状化のおそれがあり支持層に適さない。
- よって (1) が適当でない。良質な支持層の目安は、砂層・砂れき層でN値30程度以上、粘性土層でN値20程度以上である。
- 杭基礎は支持杭基礎とすることを基本とし(同 8.4)、擁壁の直接基礎では、不適な地盤のコンクリート置換えや良質土による置換えが行われる(道路土工 擁壁工指針)。
選択肢ごとの解説
- (1)適当でない。沖積世の新しい層は支持層に適さず、長期的に安定した良質な層に支持させる。
- (2)適当。長期的な変位を防ぐため、杭基礎は支持杭基礎とするのが基本である。
- (3)適当。斜面上や傾斜した支持層では、不適な地盤を掘削してコンクリートで置き換えることができる。
- (4)適当。浅い位置に良質な支持層がある場合は、良質土で置き換えて基礎地盤とすることができる。
引っかけ:前半の「砂層は十分な強度、粘性土層は圧密のおそれのない層」は正しく、結論の「沖積世の新しい表層」だけが誤りである。
現行法令との関係:道路橋示方書は2025年8月22日の通知で改定され、2026年4月1日以降に新たに着手する設計に適用される。支持層の条件は平成29年版IV編8.3から令和7年版IV編13.3.3に移ったが内容は同じである。平成29年版8.4(2)3)の「杭基礎を選定する場合には、支持杭基礎とすることを基本とする」に当たる条文は令和7年版の本文に見当たらず、摩擦杭基礎は支持形式の違いを考慮する係数(標準0.70)で扱われる(15.4)。(2) は一般論として今も成り立ち、誤りの (1) も変わらないので、この問題の答えは変わらない。
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論点ページ:基礎工・土留めの要点この論点の出題実績とよくある間違い
→令和2年度の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級土木施工管理技士 第一次検定 令和2年度(2020年10月4日(日)実施) 問題A No.12。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する