港湾の防波堤の施工
これは1級土木施工管理技士 第一次検定 令和元年度(2019年7月7日(日)実施) 問題A No.39の問題です。論点は「港湾」(重要度B・解答の形は四肢択一)。採点すると、解き方 5 手順・選択肢 4 つそれぞれの解説・引っかけの指摘が読めます。
港湾の防波堤の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
解答欄
正解
正解:(1) 傾斜堤は,施工設備が簡単であるが,直立堤に比べて施工時の波の影響を受け易いので,工程管理に注意を要する。
解き方
- 防波堤は構造形式によって、傾斜堤、直立堤(ケーソン式・ブロック式など)、混成堤に分けられ、施工の面でもそれぞれに長所と短所がある。
- (1)が適当でない。傾斜堤は捨石やコンクリートブロックを台形に積み上げる形式で、施工設備が簡単、工程が単純で、施工管理が容易である。直立堤のように本体の据付けに静穏な海象を必要としないので、施工時の波の影響は直立堤より受けにくいとされる。「直立堤に比べて施工時の波の影響を受け易いので、工程管理に注意を要する」は逆である。
- (2)は適当。ケーソン式は本体をヤードやドックでドライワークにより製作するので施工が確実だが、曳航・据付けには静穏な海象が要り、荒天日数の多い場所では海上施工日数に著しい制限を受ける。
- (3)も適当。ブロック式は施工が確実・容易で施工設備も簡単だが、ブロックを積み重ねる構造なのでブロック間の結合が十分でなく、ケーソン式に比べて一体性に欠ける。(4)も適当。混成堤は捨石部の上に直立部を載せた形式で、水深の大きい箇所や比較的軟弱な地盤にも適し、捨石部と直立部の高さの割合を調整して経済的な断面にできるが、施工法・施工設備が多様になる。
- ほぼ同じ文は令和6年度No.44・令和8年度No.44でも適当でないとされ、令和4年度No.40では「傾斜堤は施工設備が簡単、工程が単純、施工管理が容易」が適当とされている。よって適当でないものは(1)である。
選択肢ごとの解説
- (1)適当でない。傾斜堤は施工設備が簡単で工程が単純、施工管理が容易で、施工時の波の影響は直立堤より受けにくい。
- (2)適当。ドライワークで製作するので施工は確実だが、据付けに静穏な海象が要り、荒天日数の多い場所では海上施工日数が大きく制限される。
- (3)適当。施工が確実・容易で設備も簡単だが、ブロック間の結合が十分でなく、ケーソン式に比べて一体性に欠ける。
- (4)適当。大水深や比較的軟弱な地盤にも適し、捨石部と直立部の高さの割合で経済的な断面にできるが、施工法・施工設備が多様になる。
引っかけ:(1)は「施工設備が簡単であるが」と長所を認めたうえで短所を付け足す形なので、(2)〜(4)と同じ調子でもっともらしく見える。傾斜堤の施工面の特徴は「設備が簡単・工程が単純・管理が容易」で、据付けに静穏な海象が要り荒天の影響を受けやすいのは直立堤(ケーソン式)の側である。
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論点ページ:港湾の要点この論点の出題実績とよくある間違い
→令和元年度の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級土木施工管理技士 第一次検定 令和元年度(2019年7月7日(日)実施) 問題A No.39。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する