技術用語の技術的な内容(12の用語から4つ選んで2つずつ)
これは1級電気工事施工管理技士 第二次検定 令和8年度(2026年10月18日(日)実施) 問題4の問題です。論点は「技術用語の記述」(重要度A・解答の形は記述・五肢択一)。採点すると、解き方 2 手順・引っかけの指摘が読めます。
電気工事に関する次の用語の中から4つを選び,番号と用語を記入のうえ,技術的な内容を,それぞれについて2つ具体的に記述しなさい。
ただし,技術的な内容とは,施工上の留意点,選定上の留意点,動作原理,発生原理,定義,目的,用途,方式,方法,特徴,対策などをいう。
1. ガス絶縁開閉装置(GIS)
2. 水力発電の水車発電機
3. 架空送電線の振動現象
4. 架空送電線の多導体方式
5. 遮断装置の保護協調
6. 事務室の照明制御
7. 建築物における電気設備の浸水対策
8. 建築物に設ける無線LAN
9. ATき電方式
10. 電気鉄道の閉そく装置
11. 交通信号の感応制御
12. 高圧ケーブルの劣化現象
(本試験では12の用語から4つを選んで解答する。ここではすべての用語に2つずつ記述例を示すので,自己採点は選んだ4つの用語で行う。)
解答欄
正解
遮断器・断路器・母線・変成器などを接地した金属容器に収め,絶縁性の高いSF6ガスを封入した開閉装置である。
53 字開閉機器や母線を金属容器に収納し,SF6ガスで絶縁した変電所用の開閉装置である。
気中絶縁より大幅に小形化でき,充電部が露出しないので安全で,塩害や雪害など外部環境の影響を受けにくい。
51 字SF6ガスは温室効果が大きいので,点検・撤去時は回収装置でガスを回収し大気に放出しない。
水車で駆動される同期発電機で,回転速度が低いので極数が多く,回転子は突極形とする。
41 字水車と直結し,低速で回転するため多極の突極形回転子をもつ同期発電機である。
大容量・低速機は立軸形とし,負荷遮断時の速度上昇に耐える強度とし,はずみ車効果を大きくして調速を安定させる。
54 字回転子が大きく重いので,据付けでは軸の芯出しと推力軸受の調整を確実に行う。
微風振動は,電線に直角に吹く微風で生じるカルマン渦により電線が上下に振動する現象で,支持点付近の素線切れの原因となる。
59 字風速数m/s程度の一様な風で電線の背後に渦が生じ,電線が比較的高い周波数で上下に振動する現象である。
ギャロッピングは着氷雪で断面が非対称になった電線に強風が当たり大きく振動する現象で,相間短絡の原因となる。
53 字微風振動の対策としてダンパやアーマロッドを取り付け,ギャロッピングにはねじれ防止ダンパや相間スペーサを用いる。
1相の電線を2本以上の素導体に分け,スペーサで一定の間隔に保って架線する方式で,超高圧の送電線に用いる。
52 字1相当たり複数の素導体をスペーサで保持して架線する方式で,等価的に電線の太さを大きくしたことになる。
電線表面の電位の傾きが小さくなるのでコロナ放電の発生が抑えられ,インダクタンスが減り送電容量が増える。
51 字素導体どうしの衝突を防ぐためスペーサを設けるが,着氷雪や強風で生じるサブスパン振動への対策が必要になる。
事故時に事故点に最も近い上流の遮断器だけが動作し,それより上位の遮断器は動作しないよう動作特性を協調させることである。
59 字幹線と分岐回路の遮断器の動作特性曲線が交わらないように選定し,事故回路だけを切り離すことである。
上位と下位の遮断器の動作特性曲線を重ね合わせて時間差を確保し,停電範囲を最小限にする。
43 字全容量遮断が経済的に困難な場合は,上位の遮断器で後備保護するカスケード遮断方式を用いる。
窓際の照明を昼光センサで調光し,外光を利用して必要な照度を保ちながら照明の電力を減らす昼光利用制御を行う。
53 字明るさセンサで机上面の照度を一定に保つよう,照明器具の出力を自動で調光する制御である。
人感センサで在室を検知して不在時に消灯や減光をし,タイムスケジュールで始業・昼休み・終業時の点滅を制御する。
54 字新しいランプの初期照度が高い分を減光する初期照度補正制御により,無駄な電力を減らす。
受変電設備や発電機,幹線などの重要な電気設備は,想定浸水深より高い階や位置に設置する。
43 字ハザードマップで想定浸水深を確認し,電気室を地下に設けず上階に配置する。
電気室の出入口に止水板や防水扉を設け,地下からのケーブルの引込口や貫通部は止水処理をして浸水を防ぐ。
50 字電気室へ浸水した場合に備え,排水ポンプを設け,非常用発電機の燃料・給排気口も浸水しない高さにする。
アクセスポイントと端末の間を電波で通信するLANで,2.4GHz帯・5GHz帯などの周波数帯を用いる。
51 字LANケーブルの代わりに電波で端末を接続するもので,IEEE 802.11規格による。
電波の届く範囲を事前に調査してアクセスポイントを配置し,隣接するアクセスポイントは干渉しないチャネルにする。
54 字通信の傍受や不正アクセスを防ぐため,WPA2・WPA3などの暗号化と認証を設定する。
き電線とちょう架線・トロリ線の間に単巻変圧器(AT)を約10kmごとに設け,き電電圧を電車線電圧の2倍で送る方式である。
60 字電車線とき電線の間に単巻変圧器を並列に接続し,電車線電圧の2倍の電圧でき電する交流き電方式である。
電圧降下が小さく変電所の間隔を長くでき,近接する通信線への誘導障害も少ないので,新幹線などの大電流線区に用いる。
56 字BT方式のような吸上変圧器のセクションが不要で,大電流の高速列車の集電に適している。
線路を一定の区間(閉そく区間)に分け,1区間に1列車しか運転させないようにして列車の衝突を防ぐ装置である。
53 字一つの閉そく区間に同時に2本以上の列車が入らないようにする保安装置で,自動閉そく式などがある。
自動閉そく式は軌道回路で列車の在線を検知し,閉そく区間の入口の信号機を自動で停止信号にする。
46 字単線区間では対向列車との衝突を防ぐため,駅間の閉そくを連動させる方式(特殊自動閉そく式等)を用いる。
車両感知器で交通量を検出し,その量に応じて青信号の時間を変える制御で,交通量の変動が大きい交差点に用いる。
53 字車両感知器の情報で信号の表示時間を交通の到着状況に合わせて変化させる制御方式である。
全感応制御は全流入路,半感応制御は従道路だけに感知器を設け,従道路に車両がある場合だけ青を出す。
48 字交通量が少ないときの無駄な待ち時間を減らし,交差点の処理効率を高められる。
架橋ポリエチレンケーブルの絶縁体に水と電界が作用して,樹枝状の水トリーが成長し,絶縁性能が低下する。
50 字絶縁体中の異物や突起部に電界が集中し,部分放電による電気トリーが進展して絶縁破壊に至る。
直流漏れ電流測定や絶縁抵抗測定,tanδ測定で劣化の程度を診断し,劣化が進んだものは計画的に更新する。
51 字端末部は紫外線や熱でシースが劣化するので,紫外線対策や遮へい銅テープの断線の点検を行う。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- 選んだ用語ごとに,定義・原理・目的と,特徴・用途・選定や施工上の留意点など,異なる観点から2つ書く。
- 数値や方式名(例:SF6ガス,突極形の多極機,水トリー)を入れると具体的になる。電気設備の技術基準の解釈や内線規程・高圧受電設備規程に関わる数値は,一般的な値として書けばよい。
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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した1級電気工事施工管理技士 第二次検定 令和8年度(2026年10月18日(日)実施) 問題4。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する