技術用語の技術的な内容(12の用語から4つ選んで2つずつ)
これは1級電気工事施工管理技士 第二次検定 令和6年度(2024年10月20日(日)実施) 問題4の問題です。論点は「技術用語の記述」(重要度A・解答の形は記述・五肢択一)。採点すると、解き方 3 手順・引っかけの指摘が読めます。
電気工事に関する次の用語の中から4つを選び,番号と用語を記入のうえ,技術的な内容を,それぞれについて2つ具体的に記述しなさい。
ただし,技術的な内容とは,施工上の留意点,選定上の留意点,動作原理,発生原理,定義,目的,用途,方式,方法,特徴,対策などをいう。
1. 変電所の調相設備
2. 油入変圧器の冷却方式
3. 送電系統の中性線接地方式
4. 地中送電用電力ケーブルの損失
5. 事務室の照明制御
6. バスダクト工事の施工
7. 地中埋設管の建物外壁貫通処理
8. LANのスイッチングハブ
9. BTき電方式
10. カテナリちょう架方式
11. 交通信号の定周期制御
12. 絶縁耐力試験
(本試験では12の用語から4つを選んで解答する。ここではすべての用語に2つずつ記述例を示すので,自己採点は選んだ4つの用語で行う。)
解答欄
正解
電力用コンデンサ,分路リアクトル,同期調相機,静止形無効電力補償装置(SVC)などで系統の無効電力を調整する設備である。
60 字系統の無効電力を調整して受電端の電圧を適正に保つための設備で,変電所の母線などに接続する。
重負荷時は電力用コンデンサを投入して電圧降下を抑え,軽負荷時は分路リアクトルを投入して電圧上昇を抑える。
52 字無効電力を調整して力率を改善し,送電損失の軽減と送電容量の増加を図る。
油自冷式は,巻線で発生した熱を絶縁油の自然対流で放熱器に運び,空気の自然対流で放熱する方式である。
49 字油の循環と冷却媒体の流れが自然か強制かにより,油入自冷式・油入風冷式・送油風冷式・送油水冷式などに分かれる。
大容量器は送風機で放熱器に送風する風冷式や,ポンプで油を強制循環する送油式とし,冷却能力を高める。
49 字油自冷式は補機が不要で保守が容易だが,容量の大きいものは放熱器が大きくなる。
変圧器の中性点の接地方法により,直接接地・抵抗接地・消弧リアクトル接地・非接地の方式がある。
46 字送電系統の変圧器の中性点を,直接,又は抵抗やリアクトルを介して大地に接続する方式である。
地絡時の健全相の電圧上昇を抑えて機器の絶縁を軽減し,保護継電器を確実に動作させる目的で設ける。
47 字直接接地は187kV以上の超高圧系統に用い,健全相の電圧上昇が小さいが,地絡電流が大きく誘導障害に注意を要する。
ケーブルの損失には,導体の抵抗損,絶縁体の誘電損,金属シースに誘導される電流によるシース損がある。
49 字抵抗損は導体電流の2乗に比例し,誘電損は電圧の2乗と誘電正接に比例する。
損失は発熱となり送電容量を制限するので,導体を太くし,シースの接地方式をクロスボンドにしてシース損を減らす。
54 字誘電損を減らすため,誘電率と誘電正接の小さい架橋ポリエチレンなどの絶縁体を用いる。
窓際の照明を昼光センサで調光し,外光を利用して必要な照度を保ちながら照明の電力を減らす昼光利用制御を行う。
53 字明るさセンサで机上面の照度を一定に保つよう,照明器具の出力を自動で調光する制御である。
人感センサで在室を検知して不在時に消灯や減光をし,タイムスケジュールで始業・昼休み・終業時の点滅を制御する。
54 字新しいランプの初期照度が高い分を減光する初期照度補正制御により,無駄な電力を減らす。
バスダクトは3m以下の間隔で構造体に堅固に支持し,接続部や端部に近い箇所でも支持する(配線室等の垂直部は6m以下)。
58 字接続部のボルトはトルクレンチで規定のトルクで締め付け,締付け確認のマーキングを行う。
建物のエキスパンションジョイント部には伸縮・変位を吸収できるバスダクトを用い,防火区画の貫通部は耐火処理をする。
56 字屋外や湿気の多い場所では屋外用を使い,ダクトの端部は閉そくし,接続後に絶縁抵抗を測定して確認する。
外壁を貫通する管路には,つば付きの防水鋳鉄管などを用い,管と壁のすき間から建物内に浸水しないよう止水処理を施す。
56 字外壁貫通部は止水つば付きのスリーブを躯体に打ち込み,管とスリーブの間を防水材で充てんする。
建物の沈下で管が破損しないよう,引込部に可とう性のある管や継手を用い,管内にも止水処理をして水やガスの侵入を防ぐ。
57 字管路は建物側から外に向かって下り勾配とし,管内に雨水が流れ込まないようにする。
受信したフレームの宛先MACアドレスを読み取り,該当する機器が接続されたポートにだけ転送する集線装置である。
54 字MACアドレステーブルを学習して宛先のポートにのみデータを送るレイヤ2の中継装置である。
不要なポートにデータを送らないので衝突が起きにくく,ネットワーク全体の通信速度の低下を防げる。
47 字VLAN機能で論理的にネットワークを分割でき,PoE対応品は端末にLANケーブルで給電できる。
吸上変圧器(BT)を約4kmごとに設け,レールに流れる帰線電流を負き電線に吸い上げて変電所に戻す交流き電方式である。
58 字トロリ線に直列にBTの一次側,負き電線に二次側を接続し,帰線電流を負き電線に強制的に流す方式である。
レールからの漏れ電流を減らし,近接する通信線への電磁誘導障害を軽減できるが,BTセクションでアークが生じやすい。
56 字BT箇所のセクションで電車の通過時にアークが発生するので,抵抗セクションなどの対策を行う。
ちょう架線からハンガでトロリ線をつり下げ,トロリ線の高さを径間内で一様にして集電性能を良くする架線方式である。
55 字ちょう架線に一定間隔でハンガを取り付けてトロリ線を支持し,トロリ線のたるみを小さくする方式である。
シンプル・コンパウンド・ヘビーシンプルなどの種類があり,列車の速度や電流容量に応じて選定する。
47 字温度変化による張力の変化を抑えるため自動張力調整装置を設け,トロリ線の偏位をパンタグラフの摺動範囲に収める。
あらかじめ設定したサイクル長,スプリット,オフセットに従い,交通量に関係なく一定の周期で信号を表示する制御である。
57 字時間帯ごとに定めた一定の周期で青・黄・赤を繰り返す,最も基本的な信号制御方式である。
交通量の変動が少ない交差点に用い,時間帯別にパターンを切り替えるプログラム多段制御とすることが多い。
50 字交通量の変動に対応できず,交通の少ないときに無駄な待ち時間が生じる。
電路や機器に最大使用電圧に応じた試験電圧を連続して10分間加え,絶縁が破壊しないことを確かめる試験である。
53 字高圧の電路では最大使用電圧の1.5倍の交流電圧を10分間印加し,異常がないことを確認する。
ケーブルが長く充電電流が大きい場合は,直流で交流試験電圧の2倍の電圧を加えるか,補償リアクトルを用いる。
52 字試験前後に絶縁抵抗を測定し,試験中は立入禁止区域を設け,終了後は残留電荷を確実に放電させる。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- 選んだ用語ごとに,定義・原理・目的と,特徴・用途・選定や施工上の留意点など,異なる観点から2つ書く。
- 数値や方式名(例:抵抗損・誘電損・シース損,吸上変圧器,昼光利用制御)を入れると具体的になる。電気設備の技術基準の解釈や内線規程・高圧受電設備規程に関わる数値は,一般的な値として書けばよい。
- 「3. 送電系統の中性線接地方式」は,送電系統の変圧器の中性点の接地方式(中性点接地方式)として記述例を示す。
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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した1級電気工事施工管理技士 第二次検定 令和6年度(2024年10月20日(日)実施) 問題4。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する