工事完成基準から工事進行基準への変更と完成工事未収入金
これは建設業経理士2級 第29回(2021年9月12日(日)実施) 第2問 (2)(配点 3点)の問題です。論点は「工事進行基準・完成工事高」(重要度A・解答の形は金額)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘・現行の法令・基準との関係が読めます。
次の[ ]に入る正しい金額を計算しなさい。
甲工事(工期 5 年、請負金額 ¥18,000,000、見積総工事原価 ¥15,840,000)については、成果の確実性が認められないため、前期までは工事完成基準を適用していたが、当期に成果の確実性を事後的に獲得したため、当期より工事進行基準を適用することとした。甲工事の前期までの工事原価発生額は ¥1,508,000、当期の工事原価発生額は ¥5,620,000 であった。なお、工事着手時に請負金額の 30% を受領している。工事進捗度の算定について原価比例法によっている場合、当期末の完成工事未収入金の残高は ¥[ ]である。
解答欄
正解
| 当期末の完成工事未収入金の残高 | 2,700,000 円 |
|---|
解き方
- 前期までは完成工事高を計上していないので、当期に累計の進捗度で完成工事高を計上する。進捗度 = (1,508,000 + 5,620,000) ÷ 15,840,000 = 7,128,000 ÷ 15,840,000 = 45%。
- 当期の完成工事高 = 18,000,000 × 45% = 8,100,000。
- 着手時に受領した前受金 = 18,000,000 × 30% = 5,400,000(未成工事受入金)。これを完成工事高に充当する。
- 完成工事未収入金 = 8,100,000 − 5,400,000 = 2,700,000。
引っかけ:前期の原価 1,508,000 を除いて当期分だけで進捗度を出すと誤り。前期までは完成工事高がゼロなので、累計の原価で出した完成工事高がそのまま当期の計上額になる。前受金 30% の充当も忘れずに。
現行基準との関係:「成果の確実性」の有無で工事完成基準と工事進行基準を使い分ける枠組みは、廃止された「工事契約に関する会計基準」のもの。現行の「収益認識に関する会計基準」(2021年4月1日以後開始する事業年度から適用)では、進捗度を合理的に見積れない間は原価回収基準(発生した原価と同額を収益に計上)で処理し、見積れるようになった期に累計の進捗度で収益を計算し直す。前期の完成工事高の計上額は変わるが、当期末の完成工事未収入金(契約資産を含む)の残高 2,700,000 は同じになる。本試験は引き続き「工事進行基準」「工事完成基準」の表現で出題している。
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論点ページ:工事進行基準・完成工事高の要点この論点の出題実績とよくある間違い
→第29回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士2級 第29回(2021年9月12日(日)実施) 第2問 (2)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する