負債と資本の区別(持分の概念と債権者持分・出資者持分)
これは建設業経理士1級 財務諸表 第35回(2024年9月8日(日)実施) 第2問(配点 14点)の問題です。論点は「純資産・持分・株主資本等変動計算書」(重要度A・解答の形は記号(ア〜チ/ア〜ネ)を空欄 7 個に記入)。採点すると、解き方 3 手順・引っかけの指摘が読めます。
負債と資本の区別に関する次の文中の【 】の中に入れるべき最も適当な用語を下記の<用語群>の中から選び、その記号(ア〜チ)を解答用紙の所定の欄に記入しなさい。
貸借対照表上の貸方項目は、企業に投下された資金の【1】を示す。このような資金は契約もしくは慣習に従いそれぞれの調達先にいずれは返還されなければならない。したがって、このような貸方項目は、資金提供者の観点からみれば、彼らが企業の資金(ないし資産)に対して有している抽象的な【2】を表すものとみることができる。資金提供者が企業の資産に対して有する【2】は一般に「持分」とよばれる。持分は一般にその源泉の違いによって【3】持分と【4】持分とに区別される。
【3】持分は、【3】が企業資産に対してもっている【2】をいう。それは企業がその所有する資産をもって弁済しなければならない債務を意味するところから、会計上「負債」とよばれる。貸借対照表の貸方項目のうち支払手形、工事未払金、【5】、借入金、社債などが、この【3】持分を構成する。
これに対して【4】持分は、【6】などの企業主が企業の資産に対してもっている【2】をいう。それは企業経営の元本を構成するところから会計上「資本」とよばれるが、今日の企業の代表的な組織形態が株式会社であるところから【6】持分とよぶことも多い。株式会社の場合、【4】持分には、貸方項目のうち資本金、資本準備金などの出資額のほか、留保利益たる【7】、任意積立金などが属する。
- <用語群>
- ア 運用形態 イ 完成工事未収入金 ウ 調達源泉 エ 所有権
- オ 債権者 カ 債務者 キ 未成工事受入金 ク 未成工事支出金
- コ 請求権 サ 利益準備金 シ 資産価値 ス 受託者
- セ 株主 ソ 投資家 タ その他資本剰余金 チ 出資者
解答欄
正解
| 空欄1 | ウ |
|---|---|
| 空欄2 | コ |
| 空欄3 | オ |
| 空欄4 | チ |
| 空欄5 | キ |
| 空欄6 | セ |
| 空欄7 | サ |
解き方
- 【1】貸借対照表の借方は資金の運用形態、貸方は資金の「調達源泉」(ウ)を示す。「運用形態」(ア)は借方側の説明なので入らない。【2】資金提供者が企業の資産に対して有する抽象的な権利は「請求権」(コ)。持分=請求権であり、「所有権」(エ)や「資産価値」(シ)ではない。
- 【3】【4】持分は源泉の違いにより「債権者」(オ)持分と「出資者」(チ)持分に分かれる。債権者持分は債務(負債)、出資者持分は元本(資本)。【5】負債の例として支払手形・工事未払金・借入金・社債と並ぶのは「未成工事受入金」(キ)。完成工事未収入金(イ)・未成工事支出金(ク)は資産。
- 【6】株式会社では企業主=「株主」(セ)なので、出資者持分を株主持分ともよぶ。「投資家」(ソ)や「受託者」(ス)ではない。【7】株主持分に属する留保利益は「利益準備金」(サ)と任意積立金。「その他資本剰余金」(タ)は払込資本で留保利益ではない。
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第35回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 財務諸表 第35回(2024年9月8日(日)実施) 第2問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する