残存耐用年数の変更:見積りの変更と誤謬の訂正で異なる減価償却累計額
これは建設業経理士1級 財務諸表 第35回(2024年9月8日(日)実施) 第4問 問1(配点 10点)の問題です。論点は「会計上の変更・誤謬の訂正」(重要度B・解答の形は仕訳(記号+勘定科目+金額)または金額(千円))。採点すると、解き方 3 手順・引っかけの指摘が読めます。
次の固定資産の処理に関する問1・2 について、解答を解答用紙の所定の欄に記入しなさい。ただし、会計処理は企業会計基準第24 号「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」に従って行いなさい。また、解答金額に端数が生じた場合は、千円未満の端数を切り捨てること。
問1 20×1年期首に機械A(取得原価:20,000 千円 耐用年数:20年 残存価額:2,000 千円)を取得し、同時に使用を開始した。機械Aについて定額法による減価償却を実施してきたが、20×7年期首に、残存耐用年数が 12年であることが明らかになった。これについて、次の 2つの場合における 20×7年度決算後の当該機械の減価償却累計額の金額を答えなさい。
① 取得時に定めた耐用年数が取得時における合理的な見積もりに基づくものであり、かつ、20×7年における変更も合理的な見積もりに基づくものである場合
② 取得時に定めた耐用年数が合理的な見積もりに基づくものではなく、これを 20×7年に合理的な見積もりに基づくものに変更する場合
解答欄
正解
| 問1 ① 20×7年度決算後の減価償却累計額(見積りの変更) | 6,450 千円 |
|---|---|
| 問1 ② 20×7年度決算後の減価償却累計額(誤謬の訂正) | 7,000 千円 |
解き方
- 変更前の年償却額 = (20,000 − 2,000) ÷ 20年 = 900。20×1年度から 20×6年度までの 6年分の累計額 = 900 × 6 = 5,400、20×7年期首の帳簿価額 = 20,000 − 5,400 = 14,600。
- ① 当初の見積りも変更も合理的なら「会計上の見積りの変更」で、過去には遡らず将来にわたって処理する(プロスペクティブ方式)。20×7年度の償却費 = (14,600 − 2,000) ÷ 残存 12年 = 1,050。累計額 = 5,400 + 1,050 = 6,450 千円。
- ② 当初の見積りが合理的でなかった場合は「誤謬の訂正」で、正しい耐用年数で当初から償却していたように遡及して修正再表示する。正しい耐用年数 = 経過 6年 + 残存 12年 = 18年、年償却額 = 18,000 ÷ 18年 = 1,000。20×7年度末の累計額 = 1,000 × 7年 = 7,000 千円(期首累計額を 6,000 に修正し、差額 600 は過年度の利益剰余金の修正)。
引っかけ:①で残存価額 2,000 を引き忘れて 14,600 ÷ 12 とすると 1,216 になり誤り。②は 20×7年度の 1年分だけでなく、過去 6年分も 1,000 で計算し直した累計(7年分)を答える。①と②の違いは「遡及するかどうか」にある。
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第35回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 財務諸表 第35回(2024年9月8日(日)実施) 第4問 問1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する