第39回 第4問 論点:生産性分析:付加価値・付加価値率・労働生産性重要度 A配点 15点未着手

生産性分析(付加価値率・労働生産性・建設仮勘定の逆算・要因分解)と経常利益段階の損益分岐点比率

これは建設業経理士1級 財務分析 第39回(2026年9月13日(日)実施) 第4問(配点 15点)の問題です。論点は「生産性分析:付加価値・付加価値率・労働生産性」(重要度A・解答の形は3点×5の計算問題。3月実施回(第30・32・34・36・38回)は損益分岐点分析、9月実施回(第29・31・33・35・37・39回)は生産性分析(うち第31・35・39回は問5で経常利益段階の損益分岐点比率、第29回は問3が完成工事高総利益率))。採点すると、解き方 7 手順・引っかけの指摘が読めます。

次の当期の<資料>に基づき、下の設問に答えなさい。ただし、解答に際しての端数処理については、解答用紙の指定のとおりとする。なお、期中平均値を使用することが望ましい数値については、そのような処置をすること。

問1 付加価値率を計算しなさい。

問2 労働生産性を計算しなさい。

問3 建設仮勘定の金額を計算しなさい。

問4 労働生産性は、付加価値率×【  】×有形固定資産回転率の3つの要因に分解することができる。【  】の要因の数値を計算しなさい。

問5 建設業における慣行的な固定費・変動費の区分に基づいて、経常利益段階での損益分岐点比率を計算しなさい。

<資料>(金額単位:千円)金額
1.完成工事高21,350,000
2.完成工事原価の内訳 材料費1,345,000
  労務費(うち労務外注費:284,000)284,000
  外注費?
  経費(うち人件費:1,170,000)1,238,000
3.販売費及び一般管理費1,456,800
4.営業外収益・営業外費用(下記のみ) 受取利息配当金110,000
  支払利息326,000
  為替差損768,000
5.資産の内訳(期中平均) 流動資産14,855,000
  有形固定資産3,850,000
  (うち建設仮勘定)?
  無形固定資産52,000
  投資その他の資産2,643,000
6.完成工事高営業利益率6.2 %
  設備投資効率105.75 %
7.職員数(期中平均) 技術系275 人
  事務系50 人

解答欄 主要比率表(算式)を別タブで開く

%
小数点第3位を四捨五入し、第2位まで記入
千円
千円未満を切り捨て
千円
千円未満を切り捨て
千円
千円未満を切り捨て
%
小数点第3位を四捨五入し、第2位まで記入

金額はカンマなしでも入力できます。

正解

問1 付加価値率18.82 %
問2 労働生産性12,364 千円
問3 建設仮勘定の金額50,000 千円
問4 【  】の要因の数値11,692 千円
問5 経常利益段階の損益分岐点比率84.00 %

解き方

  1. 外注費が「?」なので、完成工事高営業利益率から逆算する。営業利益=21,350,000×6.2%=1,323,700。完成工事総利益=1,323,700+1,456,800=2,780,500。完成工事原価=21,350,000−2,780,500=18,569,500。外注費=18,569,500−1,345,000−284,000−1,238,000=15,702,500。
  2. 問1 付加価値=完成工事高−(材料費+外注費)。労務外注費は外注費として扱うので、労務費 284,000(全額が労務外注費)も控除する。付加価値=21,350,000−(1,345,000+284,000+15,702,500)=4,018,500。付加価値率=4,018,500÷21,350,000×100=18.822… → 18.82%。
  3. 問2 労働生産性=付加価値÷総職員数(期中平均)。総職員数=技術職員 275 人+事務職員 50 人=325 人。4,018,500÷325=12,364.6… → 12,364 千円(千円未満切り捨て)。
  4. 問3 設備投資効率=付加価値÷(有形固定資産−建設仮勘定)×100=105.75% → 有形固定資産−建設仮勘定=4,018,500÷1.0575=3,800,000。建設仮勘定=3,850,000−3,800,000=50,000 千円。
  5. 問4 労働生産性=付加価値率×労働装備率×有形固定資産回転率(付加価値÷完成工事高 × (有形固定資産−建設仮勘定)÷総職員数 × 完成工事高÷(有形固定資産−建設仮勘定))。空欄は労働装備率=(有形固定資産−建設仮勘定)÷総職員数=3,800,000÷325=11,692.3… → 11,692 千円。
  6. 問5 建設業の慣行的な区分では、完成工事原価を変動費、販売費及び一般管理費を固定費とし、経常利益段階では支払利息を固定費、その他の営業外損益を変動費側に含める。損益分岐点比率=(販売費及び一般管理費+支払利息)÷(完成工事総利益+営業外収益−営業外費用+支払利息)×100=(1,456,800+326,000)÷(2,780,500+110,000−(326,000+768,000)+326,000)×100=1,782,800÷2,122,500×100=83.99… → 84.00%。
  7. 検算:変動費=完成工事原価 18,569,500+為替差損 768,000−受取利息配当金 110,000=19,227,500。損益分岐点の完成工事高=固定費 1,782,800÷(1−19,227,500÷21,350,000)=17,932,994。17,932,994÷21,350,000×100=83.99… → 84.00% で一致する。
引っかけ:付加価値の計算で控除するのは材料費・労務外注費・外注費で、経費に含まれる人件費 1,170,000 は控除しない。問5 の慣行的区分では完成工事原価全体が変動費なので、問1 の付加価値 4,018,500 を限界利益として使うと 91.55% になって誤る。為替差損は営業外費用として変動費側(分母から控除)に入れる。労働装備率・設備投資効率はどちらも有形固定資産から建設仮勘定を除く。

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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 財務分析 第39回(2026年9月13日(日)実施) 第4問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する