高低2点法による費用分解と損益分岐点分析(変動費率・固定費・損益分岐点完成工事高・損益分岐点比率・慣行的固変区分からの販売費及び一般管理費)
これは建設業経理士1級 財務分析 第32回(2023年3月12日(日)実施) 第4問(配点 15点)の問題です。論点は「損益分岐点分析(固変分解・損益分岐点比率・安全余裕率・目標利益)」(重要度A・解答の形は3点×5の計算問題。3月実施回(第30・32・34・36・38回)は損益分岐点分析、9月実施回(第29・31・33・35・37・39回)は生産性分析(うち第31・35・39回は問5で経常利益段階の損益分岐点比率、第29回は問3が完成工事高総利益率))。採点すると、解き方 6 手順・引っかけの指摘が読めます。
次の<資料>に基づき、下記の設問に答えなさい。なお、解答に際しての端数処理については、解答用紙の指定のとおりとする。
問1 高低2点法によって費用分解を行い、第6期の変動費率を求めなさい。
問2 第6期の固定費を求めなさい。
問3 第6期の損益分岐点の完成工事高を求めなさい。
問4 第6期の損益分岐点比率を求めなさい。
問5 建設業における慣行的な固変区分による損益分岐点比率や変動費が上記の設問で求めた解答数値と等しく、支払利息の金額はゼロであると仮定したとき、第6期の販売費及び一般管理費の金額を求めなさい。
| <資料>第5期・第6期の完成工事高および総費用 | 完成工事高 | 総費用 |
|---|---|---|
| 第5期 | 35,112,000 千円 | 28,460,200 千円 |
| 第6期 | 32,200,000 千円 | 26,480,040 千円 |
解答欄 主要比率表(算式)を別タブで開く
正解
| 問1 第6期の変動費率 | 68.00 % |
|---|---|
| 問2 第6期の固定費 | 4,584,040 千円 |
| 問3 第6期の損益分岐点の完成工事高 | 14,325,125 千円 |
| 問4 第6期の損益分岐点比率 | 44.49 % |
| 問5 第6期の販売費及び一般管理費 | 4,584,040 千円 |
解き方
- 問1 高低2点法では、操業度(完成工事高)が最高の期と最低の期の総費用の差を完成工事高の差で割って変動費率を求める。変動費率=(28,460,200−26,480,040)÷(35,112,000−32,200,000)=1,980,160÷2,912,000=0.68 → 68.00%。
- 問2 固定費=総費用−変動費=26,480,040−32,200,000×68%=26,480,040−21,896,000=4,584,040 千円。第5期で計算しても 28,460,200−35,112,000×68%=28,460,200−23,876,160=4,584,040 で一致する。
- 問3 損益分岐点の完成工事高=固定費÷(1−変動費率)=4,584,040÷(1−0.68)=4,584,040÷0.32=14,325,125 千円。検算:14,325,125×0.32−4,584,040=0。
- 問4 損益分岐点比率=損益分岐点の完成工事高÷実際の完成工事高×100=14,325,125÷32,200,000×100=44.487… → 44.49%。
- 問5 建設業の慣行的な固変区分では、完成工事原価を変動費、販売費及び一般管理費と支払利息を固定費とする。損益分岐点比率=固定費÷(完成工事高−変動費)なので、損益分岐点比率と変動費(21,896,000)が問1〜問4 の数値と等しければ固定費も 4,584,040 で等しくなる(損益分岐点の完成工事高が同じで変動費率が同じなら固定費は同じ)。支払利息がゼロなので、固定費はすべて販売費及び一般管理費になり、販売費及び一般管理費=4,584,040 千円。
- 問5 の検算:固定費=損益分岐点比率×(完成工事高−変動費)=(14,325,125÷32,200,000)×(32,200,000−21,896,000)=0.444879…×10,304,000=4,584,040。
引っかけ:問1 は総費用の差を完成工事高の差で割る。総費用÷完成工事高(第6期 82.24%)は変動費率ではない。問5 で四捨五入後の 44.49% を使って 10,304,000×44.49%=4,584,249 とすると誤る。四捨五入前の比率を使うか、「損益分岐点の完成工事高と変動費率が同じなら固定費も同じ」と考えて固定費 4,584,040 をそのまま販売費及び一般管理費とする。慣行的区分では支払利息も固定費だが、本問はゼロと仮定されている。
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論点ページ:損益分岐点分析(固変分解・損益分岐点比率・安全余裕率・目標利益)の要点この論点の出題実績とよくある間違い
→第32回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 財務分析 第32回(2023年3月12日(日)実施) 第4問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する