建築施工管理技士 第二次検定の頻出論点:経験記述・仮設と安全・工程表・択一・用語

公開 ・執筆・編集:試験対策プロジェクトチーム(スタジオインサイト)

記述が中心の第二次検定ですが、建築施工管理技士の場合、毎年の出題の形はかなり固定されています。当サイトが 1級(平成30年度〜令和8年度)と 2級(平成30年度〜令和7年度)の第二次検定(実地試験を含む)を整理すると、問題の並びはほぼ毎年同じで、テーマや工種が年ごとに交代しているだけでした。型ごとに、出題の並びと答え方をまとめます。

問題の構成

問題1級(令和8年度)2級(令和7年度)
問題1経験記述(示された工事概要について)経験記述(示された 3 つの工事から 1 つを選ぶ)
問題2仮設物の計画・災害の防止・設備機械の安全使用(3 つ × 2 つ)用語の説明と施工上の留意事項(14 語から 5 つ)
問題3ネットワーク工程表バーチャート工程表と出来高表
問題4施工の留意事項(躯体か仕上げの 4 作業 × 2 つ)法規(3 法文、四肢択一)
問題5躯体か仕上げの五肢択一(8 問)受検種別ごとの四肢択一(建築 5-A・躯体 5-B・仕上げ 5-C)
問題6法規(3 法文、五肢択一)―

1級の問題4 と問題5 は、躯体と仕上げが年ごとに入れ替わります。令和7年度は問題4 が躯体・問題5 が仕上げ、令和8年度は問題4 が仕上げ・問題5 が躯体でした。どちらが記述になっても書けるように、両方の工種を準備しておく必要があります。

経験記述(問題1)のテーマ

年度1級2級
平成30年度建設副産物対策品質管理
令和元年度品質管理施工の計画(産業廃棄物の削減)
令和2年度施工の合理化工程の管理
令和3年度品質管理施工の計画(品質低下・工程遅延の防止)
令和4年度現場作業の軽減品質管理
令和5年度品質管理工程の管理
令和6年度現場作業の軽減・時間外労働(工事概要を提示)施工計画時の検討(品質低下・公衆災害の防止)
令和7年度品質管理(工事概要を提示)工事の遅延防止(材料・機械・作業員)
令和8年度現場作業の軽減・コスト削減(工事概要を提示)(11 月実施)

1級は令和元年度から、奇数年度が品質管理、偶数年度が施工の合理化・現場作業の軽減という並びが続いています。2級は品質・工程・施工計画が入れ替わりで出ています。翌年度のテーマが決まっているわけではないので、両方の型の下書きを用意してください。

令和6年度からは、1級は問題に示された工事概要(令和8年度は鉄筋コンクリート構造・地上 6 階建ての事務所ビル)について、2級は新築・解体・改修の 3 つの工事から 1 つを選んで書く形です。答えるのは「工種名」「理由や懸念」「対策や効果」の 3 点セットで、②と③をすべて異なる内容にするという条件が毎回付きます。自分の工事の記述を丸暗記する準備は通じなくなったので、工種ごとに「品質の重点」「作業を減らす方法」「遅れの要因と事前の対策」を 2〜3 個ずつ持っておき、示された工事に当てはめる練習が有効です。

経験記述の書き方と例文 →

1級 問題2:仮設物の計画と災害の防止

  • 仮設物の計画(令和元・3・5・7年度):荷受け構台・鋼板製仮囲い・工事用エレベーター、仮設ゴンドラ・場内仮設事務所・工事ゲート、くさび緊結式足場・建設用リフト・場内仮設道路、仮設ゴンドラ・起伏式(ジブ)タワークレーン・枠組足場を用いた棚足場
  • 災害の防止(平成30・令和4・8年度):墜落・転落は毎回。ほかに電気、車両系建設機械、崩壊・倒壊、移動式クレーン、公衆災害、工事用電力設備
  • 設備・機械の安全使用(令和2・6年度):外部枠組足場・コンクリートポンプ車・建設用リフト、バックホウ・仮設電力設備・高所作業車

仮設物は「検討すべき事項とその理由」、災害は「発生のおそれのある状況や作業と、防止の対策」を 2 つずつ書きます。除かれる事項が毎年指定され、令和7年度の仮設物は申請手続・届出・設置後の運用管理、令和8年度の災害は保護帽の着用・要求性能墜落制止用器具の使用・朝礼での注意喚起・点検や整備・新規入場者教育・資格や免許などが不可でした。保護具や教育に頼らない、計画段階の物の配置と構造で答えるのが共通の型です。

  • 仮設ゴンドラ:つり元(突りょう)を据える屋上の構造体の耐力と、防水層・パラペットの養生を検討する。ゴンドラと作業員の荷重を確実に支え、仕上げを傷めないため
  • 荷受け構台:揚重する資材の大きさと重さ、揚重機の作業半径から位置と床の広さを決める。資材を安全に仮置きし、取込みの手待ちを防ぐため
  • 墜落(床の開口部):スラブの開口部は、手すり・囲いか、荷重に耐える覆いを固定して表示する。覆いのずれや取り外しによる転落を防ぐため

工程表(1級 ネットワーク・2級 バーチャート)

1級 問題3:内装と基準階の躯体が交代

令和3年度以降の題材は、躯体(令和3・5・7年度、基準階の躯体を含む)と内装(令和4・6・8年度)が交代しています。問われるのは、(1) 工程表の記号のうち特定の作業内容に当たるもの、(2) 総所要日数、(3) 特定の作業の最早開始時期(EST)・最遅開始時期(LST)やフリーフロート・トータルフロート、(4) 作業の遅れや人員の割振りの変更があったときの所要日数や工事完了日、が基本です。令和8年度は、事務室の内装工事で (1)〜(3) とトータルフロート・フリーフロートが問われました。

解き方の型は、各イベントの最早開始時刻を前から、最遅終了時刻を後ろから書き込み、最後にフロートを引き算で出すことです。問題用紙の工程表に直接時刻を書き込めば、見直しも速くなります。条件の読み落とし(作業員の人数の上限、同時にできない作業)で日数が変わる問題が多いので、問題文の条件に線を引いてから解いてください。

2級 問題3:鉄骨造の事務所ビルのバーチャート

ほぼ毎年、鉄骨造 3 階建て(令和4年度は 2 階建て)の建物の工程表と出来高表が出ます。問われるのは、空欄の作業名(耐火被覆・外部サッシ取付けなど、工事の順序から当てる)、ある作業の開始日や完了日、ある月までの出来高の累計の割合です。作業の順序(鉄骨建方→デッキ・スタッド→耐火被覆→外壁→内装)と、出来高の累計を月ごとに足し上げる計算を練習しておけば、確実な得点源になります。

1級 第二次検定の工程表の過去問 →

1級 問題4:施工の留意事項

4 つの作業について、留意事項を 2 つずつ書きます。材料の搬入・保管、気象条件による作業中止、完了後の養生、作業上の安全は除かれるのが通例なので、その作業の品質を確保する手順と数値で書きます。

年度工種作業
令和5年度躯体鋼製切梁の支保工、バーサポート・スペーサー、フラットデッキ、コンクリートの打込み
令和6年度仕上げ有機系接着剤による外壁タイル張り、アルミニウム製笠木、セルフレベリング材塗り、ビニル床シート
令和7年度躯体アースドリル工法のスライム処理、コールドジョイントの防止、耐火被覆(吹付けロックウール)、RC 造の解体
令和8年度仕上げアスファルトルーフィングの平場の張付け、外壁石材の乾式工法、フローリングの釘留め、壁紙張り

たとえばコールドジョイントの防止なら、「打重ね時間の間隔は、一般に外気温 25℃ 未満で 150 分、25℃ 以上で 120 分を目安とし、これを超えないよう打込み区画と順序を計画する」「打ち重ねる部分に棒形振動機を下層に 10cm 程度挿入して一体化する」のように、時間・位置・寸法が入った 1〜2 行にします。第一次検定の躯体・仕上げの数値が、そのまま使える問題です。

択一式で繰り返し問われる数値

1級 問題5(空欄 a〜c の組合せ)

  • 根切りの床付け:機械掘削では床付け面上 30〜50cm を残して手掘りか、平状の刃に替えて掘る。乱した場合、砂質土は転圧で締め固め、粘性土は良質土に置換するか地盤改良
  • 既製コンクリート杭の埋込み工法:杭心のずれは杭径の 1/4 かつ 100mm 以下、傾斜は 1/100 以内
  • 寒中コンクリート:荷卸し時の温度は 10℃ 以上 20℃ 未満、初期養生は圧縮強度 5N/mm² まで。湿潤養生の期間は早強 3 日・普通 5 日・混合セメント B 種 7 日
  • 型枠の側圧:打込み速度が速いほど、スランプが大きいほど側圧は大きい
  • まぐさ・庇先端下部のタイル:小口平以上のタイルは、径 0.6mm 以上のなましステンレス鋼線を引金物として張付けモルタルに塗り込み、必要に応じて受木で 24 時間以上支持する
  • 軽量鉄骨天井下地:吊りボルトは周辺部から 150mm 以内、野縁の間隔は下地張りのある場合 360mm 程度。せっこうボードの留付け間隔は天井の周辺部 150mm・中間部 200mm、壁は 200mm・300mm

法規(1級 問題6・2級 問題4)

3 つの法文の空欄を埋めます。建設業法は主任技術者及び監理技術者の職務(1級 令和元・8年度、2級 令和2・6年度)、検査及び引渡し、下請代金の支払、施工体制台帳。建築基準法施行令は根切り・山留めの危害の防止(第136条の3)、落下物に対する防護、建て方、工事現場の危害の防止。労働安全衛生法は総括安全衛生管理者、特定元方事業者・元方事業者の講ずべき措置、作業主任者、就業制限が繰り返し出ています。同じ条文が数年おきに出るので、条文の該当部分を読んで、空欄になりやすい語句(「施工計画の作成」「工程管理」「品質管理」など)を押さえておくと得点しやすい問題です。

2級 問題5(受検種別ごと)

建築(5-A)は躯体と仕上げを合わせた 8 つの記述、躯体(5-B)・仕上げ(5-C)はそれぞれの工種の記述で、空欄の語句・数値を四肢から選びます。墨出し・埋戻し・かぶり厚さ・ガス圧接・高力ボルト(躯体)、アスファルト防水・タイル張り・軽量鉄骨下地・フローリング(仕上げ)が繰り返し出ています。受検種別の問題の過去問で、自分の種別の問題を年度順に解いてください。

2級 問題2:用語の説明

14 の用語から 5 つを選び、用語の説明と施工上留意すべきことを書きます。同じ用語が何度も出ていて、ベンチマーク・先送りモルタル・天井インサート・型枠のセパレータ・防水工事の脱気装置は令和2〜6年度に 2〜3 回ずつ、足場の壁つなぎ・せっこうボードのコーナービード・木構造のアンカーボルト・床付け・コンクリートのレイタンスも複数回出ています。

  • ベンチマーク:建物の位置と高さの基準とする点。動かない既存の工作物か新設の杭に設け、2 か所以上設けて互いに確認し、工事中に動かないよう養生する
  • 先送りモルタル:コンクリートの圧送の前に、輸送管の内面を潤すために送るモルタル。品質が変わっているので型枠内には打ち込まず、廃棄する
  • 天井インサート:天井の吊りボルトを取り付けるため、スラブに埋め込む雌ねじの金物。コンクリートの打込み前に型枠に所定の間隔で取り付け、打込み中にずれないよう固定する

説明は「何のために、何を、どこに」、留意事項は「品質を保つための手順か数値」を 1 文ずつ書くのが型です。選ぶ 5 つは、自分の受検種別の工種から説明と留意事項の両方を書けるものにしてください。

2級 第二次検定の用語の説明の過去問 →

よくある質問

経験記述は、自分の工事を書かなくてよくなったのですか?

書く対象は、令和6年度から問題文が示す工事(1級は工事概要、2級は新築・解体・改修の 3 つから選ぶ 1 つ)に変わりました。ただし「今日までの経験を踏まえ」と問われるので、自分の現場で行った品質管理や工程の工夫を材料にして書くことは変わりません。

1級の問題4 と問題5 は、躯体と仕上げのどちらが出ますか?

令和3年度以降は年ごとに入れ替わっていて、令和8年度は問題4 が仕上げ、問題5 が躯体でした。翌年度の出題は公表されないので、両方を準備してください。

択一式は自己採点できますか?

1級の問題5・6、2級の問題4・5 は、主催者が正答肢を公表しています。記述式の正答は公表されません。

あわせて読む

出典・参考:一般財団法人 建設業振興基金 1級(平成30年度〜令和8年度)・2級(平成30年度〜令和7年度)建築施工管理技術検定 第二次検定(実地試験を含む)の試験問題と択一式の正答肢、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版、建設業法・建築基準法施行令・労働安全衛生法(e-Gov、2026年10月時点)

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