建築施工管理技士の合格率の読み方:受検者の増加と「何問で受かるか」

公開 ・執筆・編集:試験対策プロジェクトチーム(スタジオインサイト)

建築施工管理技士の合格率は、直近 3 回で見ると、1級 第一次検定が 36〜49%、1級 第二次検定が 39〜46%、2級 第一次検定が 36〜47%、2級 第二次検定が 32〜41% です。年度ごとの上下は大きく、受検資格の変更や数え方の違いも重なっているので、表の数字だけで「難しくなった」「易しくなった」と読まないことが大切です。

合格基準は 60% の絶対基準

建築施工管理技術検定の合格基準は、1級・2級とも得点 60% 以上です。1級の第一次検定だけは、施工管理法(応用能力)の得点も 60% 以上が要ります。上位の何割を合格させる相対評価ではありません。合格率が低い年は基準点に届いた人が少なかったというだけで、周りの受検者と点を競う試験ではないということです。

ただし受検の手引には、試験の実施状況によっては基準を変える可能性がある旨も書かれていて、実際に過去には基準が下がった回があります(2級 第一次検定の令和5年度前期は 40 問中 22 問、令和元年度は 23 問)。ただ、下がることを当てにはできません。準備の段階では 7 割の得点を目標に置いてください。

各年度の受検者数・合格者数・合格率は難易度・合格率のページに表でまとめています。この記事では、その数字をどう読むかを扱います。

1級 第一次検定:令和6年度から受検者が大きく増えた

年度受検者数合格者数合格率
令和5年度24,078 人10,017 人41.6%
令和6年度37,651 人13,624 人36.2%
令和7年度41,812 人20,294 人48.5%
令和8年度42,826 人19,993 人46.7%

令和6年度に、第一次検定の受検資格が「その年度中に 19 歳以上になる人」に変わり、学歴や実務経験がなくても受けられるようになりました。受検者は令和5年度の 24,078 人から令和6年度の 37,651 人へ、1 年で約 1.6 倍に増えています。令和8年度は 42,826 人で、増えた水準のまま続いています。

受検者の層が広がった令和6年度は合格率が 36.2% に下がりましたが、翌年度は 48.5% に上がりました。同じ年度に応用能力の問題が 6 問から 10 問(五肢択一)に変わったことも重なっていて、受検者数と合格率の関係を 1 年分の数字で言い切ることはできません。平成29年度から令和8年度までの 10 回は 36.0%(令和3年度)〜51.1%(令和2年度)の間にあり、「4 割台が中心」と考えて準備するのが現実的です。

令和8年度の合格率は、主催者の発表資料に率の記載がなく、受検者数と合格者数から当サイトが計算した値です。

1級 第二次検定:直近は 4 割前後

第二次検定の合格率は、令和3年度 52.4%、令和4年度 45.2%、令和5年度 45.5%、令和6年度 40.8%(受検者 14,816 人・合格者 6,042 人)、令和7年度 39.0%(18,160 人・7,091 人)でした。令和7年度は、令和8年1月25日に行われた臨時試験の結果を含みます。令和8年度(10 月 18 日実施)の発表は令和9年1月8日の予定です。

第二次検定を受けるのは第一次検定の合格者などですが、合格率は第一次検定と同じ 4 割前後の水準で、第一次検定に受かった人でも半分以上が不合格になる年が続いています。令和6年度からは経験記述が「示された工事概要について書く」形に変わり、自分の工事を用意しておけば書けるという準備が通じなくなりました。その後の 2 回は 40.8%・39.0% で、その前の 3 年度(45〜52%)より低くなっています。形式の変化との関係を 2 年分で言い切ることはできませんが、記述の練習を早めに始める理由にはなります。

不合格の人には評定が通知されます。B は得点が 40% 以上で合格基準に届かなかった人、C は 40% 未満の人です。B なら記述の質を上げれば届く距離、C なら工程表や択一式を含めて基礎から組み直す段階と受け止めると、次の年の計画を立てやすくなります。

2級 第一次検定:回によって 3 割台から 5 割

直近の回は、令和6年度前期 48.2%、令和6年度後期 50.5%、令和7年度前期 45.0%、令和7年度後期 36.3%(受検者 22,803 人・合格者 8,285 人)、令和8年度前期 46.9%(15,465 人・7,249 人)です。平成30年度前期から令和8年度前期までの回は 31.6%(令和元年度後期)〜50.7%(令和4年度前期)の間にあり、同じ年度でも前期と後期で 10 ポイント近く違うことがあります。

後期の受検者数には、第一次検定だけの人と、同じ日に第二次検定も受けた人の両方が入っています。両方の内訳が分かる令和3年度後期は、第一次検定のみ 48.8%・同日受検 49.1%、令和4年度後期は 42.5%・42.1% で、ほとんど差がありませんでした。前期と後期のどちらかが易しいという傾向も、公表値からは読み取れません。

前期の合格率(令和5年度以降)は、主催者の発表資料の受検者数・合格者数から計算した値です。平成30年度後期は、同日受検を含む合計を一次資料で確かめられなかったので扱っていません。

2級 第二次検定:数え方で 3 割にも 5 割にも見える

建設業振興基金の結果表では、令和5年度 32.0%(受検者 21,859 人・合格者 6,999 人)、令和6年度 40.7%(19,283 人・7,851 人)、令和7年度 32.7%(18,320 人・5,991 人)です。

この受検者数には、同じ日の第一次検定で基準に届かず、第二次検定を採点されなかった人も含まれています。国土交通省が第一次検定の合格者(と第二次検定のみの受検者)だけで数えた値を発表していた令和3・4年度は、その数え方だと 52.9%・53.1% でした(結果表の数え方では 35.1%・36.6%)。つまり、第一次検定を突破した人の半分前後が第二次検定に合格していた計算です。2級の第二次検定の合格率が低く見えるのは、同日受検の第一次検定の不合格者が分母に入っているためでもあります。

受検種別ごとの合格率は、令和5年度以降は一次資料で公表されていません。令和4年度の第一次合格者ベースの値は、建築 58.9%・躯体 52.5%・仕上げ 47.1% で、種別によって差がありました。

何問正解すれば受かるか

検定解答数合格ライン補足
1級 第一次検定60 問(72 問から)36 問かつ施工管理法(応用能力)10 問中 6 問(令和6〜8年度)
2級 第一次検定40 問(50 問から)24 問分野ごとの基準はない(令和8年度前期)
1級 第二次検定記述 4 問+五肢択一 2 問得点の 60%配点は非公表。択一式の正答肢は公表される
2級 第二次検定記述 3 問+四肢択一 2 問得点の 60%配点は非公表。同日受検で第一次が基準未満なら採点されない

1級は応用能力の 6 問が関門

応用能力の基準は年度で変わってきました。令和3年度は 6 問中 3 問、令和4年度は 6 問中 4 問、令和5年度は 6 問中 3 問で、このころは「五肢から二つ選び、2 つとも正しいときだけ正解」という形式でした。令和6年度から 10 問の五肢択一になり、基準は 10 問中 6 問です。1 問を落とせる余裕は 4 問しかないので、応用能力だけで 7〜8 問取れる準備をしておくと、全体の 36 問も安定します。

1級の必須問題は、建築学等 6 問・共通 5 問・施工管理法 10 問・応用能力 10 問の計 31 問です(令和8年度)。必須で 22 問取れれば、選択の 29 問から 14 問で合格ラインに届きます。

2級は必須 22 問で 16 問を目安に

2級の必須は、建築学等 4 問・共通 3 問・施工管理法 10 問・能力問題 5 問の 22 問です。ここで 16 問取れれば、選択の 18 問から 8 問で 24 問に届きます。選択問題の範囲を絞りすぎるより、必須を 7 割以上取るほうが確実です。

第二次検定は全問に答えることが前提

第二次検定は配点が非公表のため、何問正解すればよいかは示せません。ただ、択一式(1級の問題5・6、2級の問題4・5)は正答が一つに決まり、工程表も計算で答えが決まります。ここで取り切ったうえで、経験記述と記述問題の解答欄をすべて埋めるのが、60% に届くための最低条件です。

よくある質問

1級と2級ではどちらが難しいですか?

出題の範囲はほぼ同じですが、1級は問題数が多く、応用能力の基準(10 問中 6 問)があります。直近 3 回の第一次検定の合格率は、1級が 36〜49%、2級が 36〜47% で、回ごとの差のほうが級の差より大きいくらいです。

受検者が増えると不利になりますか?

基準は得点 60% で固定されているので、受検者の数が自分の合否を左右することはありません。1級 第一次検定は令和6年度に受検者が約 1.6 倍になりましたが、翌年度の合格率は 48.5% に上がっています。

2級の第二次検定の合格率が 3 割台なのはなぜですか?

建設業振興基金の結果表の受検者数には、同じ日の第一次検定で基準に届かず採点されなかった人も含まれるためです。第一次検定の合格者だけで数えた値が公表されていた令和3・4年度は、50% を超えていました。

第二次検定に落ちたとき、点数は教えてもらえますか?

点数ではなく評定が通知されます。1級は B(得点 40% 以上で合格基準未満)か C(40% 未満)、2級は A(合格基準以上)・B・C の区分です。

あわせて読む

出典・参考:一般財団法人 建設業振興基金の実施結果・結果表(令和8年度 1級 第一次検定、令和7年度 1級、令和7年度 2級、令和8年度 2級 前期 ほか)、国土交通省の報道発表(令和4年度以前。令和4年度 2級 第二次検定 ほか)と令和8年度 技術検定の合格基準、令和8年度 1級 受検の手引(合格基準・評定の通知)

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