建築工事に関する用語の説明と施工上の留意事項
これは2級建築施工管理技士 第二次検定 令和7年度(2025年11月9日(日)実施) 問題2の問題です。論点は「用語の説明」(重要度A)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。
次の建築工事に関する用語の一覧表の中から5つ用語を選び,解答用紙の用語の記号欄の記号にマークしたうえで,選んだ用語欄に用語(太字で示す部分のみでも可)を記入し,その用語の説明と施工上留意すべきことを具体的に記述しなさい。
ただし,使用資機材に不良品はないものとする。
また,使用資機材の選定に関する記述,並びに記号c及び記号m以外の用語についての作業上の安全に関する記述は不可とする。
〔用語の一覧表〕(用語の記号:用語。太字で示す部分は[ ]内)
a:型枠の[剥離剤]
b:金属製建具の[かぶせ工法]
c:[クローラークレーン]
d:軽量鉄骨壁下地の[スペーサー]
e:コンクリートの[レイタンス]
f:シーリング工事の[バックアップ材]
g:せっこうボード張りにおける[コーナービード]
h:[タイルカーペット]
i:鉄筋の[機械式継手]
j:[床付け]
k:[被覆アーク溶接]
ℓ:木構造の[アンカーボルト]
m:床開口部の[養生]
n:[ルーフドレン]
解答欄
正解
せき板の表面に塗布し,コンクリートとせき板の付着を防いで脱型を容易にし,せき板の損傷を防ぐ薬剤をいう。施工にあたっては,鉄筋や打継ぎ面に付着しないよう鉄筋の組立て前にせき板へ薄く均一に塗り,余分は拭き取る。
103 字脱型時のコンクリート表面の欠けを防ぎ,せき板の転用をしやすくするため,せき板に塗っておく離型用の薬剤をいう。施工にあたっては,打放し仕上げに色むらやしみが出ないよう塗りむらをなくし,雨で流れたときは打込み前に塗り直す。
改修工事で既存の建具の外周枠を撤去せずに残し,その上から新しい金属製建具をかぶせて取り付ける工法をいう。施工にあたっては,既存枠の変形や腐食がなく十分な耐力があることを確かめ,新規枠を小ねじで堅固に留め付ける。
105 字既存サッシの枠を残して新しい枠をかぶせる改修工法で,壁をはつらないので騒音や粉じんが少なく工期も短い工法をいう。施工にあたっては,既存枠と新規枠の間に雨水が溜まらないよう水抜きを設け,接合部をシーリング材で止水する。
走行装置に履帯(クローラー)を備えた移動式クレーンをいい,接地圧が小さく不整地でも走行できる。施工にあたっては,地盤の支持力を確かめて敷鉄板を敷き,作業半径内を立入禁止として,定格荷重を超えてつり上げない。
103 字キャタピラ式の走行装置を持つ移動式クレーンで,安定性がよく鉄骨建方や杭工事などに用いられるものをいう。施工にあたっては,作業の方法と転倒を防止する方法を定めて作業者に周知し,合図者を定めて一定の合図で運転させる。
軽量鉄骨壁下地のスタッドの溝に取り付け,スタッドのねじれを防ぐとともに振れ止めを所定の位置に固定する金具をいう。施工にあたっては,各スタッドの端部を押さえ,間隔600mm程度に留め付ける。
94 字スタッドにはめ込んでスタッドを補強し,振れ止めを保持するための部材をいう。施工にあたっては,振れ止めを床面ランナー下端から約1.2mごとに設けてスペーサーで固定し,ボード張りの前にすべてのスタッドに付いていることを確かめる。
コンクリートの打込み後,ブリーディングに伴って表面に浮き出て沈積した微細な粒子からなる脆弱な層をいう。施工にあたっては,打継ぎの前に高圧水洗や目荒しでレイタンスを取り除き,健全なコンクリートを露出させて一体化を図る。
108 字ブリーディングに伴い,セメントや骨材の微粒分がコンクリートの上面に薄く堆積した強度の無い層をいう。施工にあたっては,仕上材の張付けや塗付けの前にワイヤブラシ等で除去し,接着不良やはく離を防ぐ。
シーリング目地の深さを所定の寸法に調整し,目地底にシーリング材を接着させない二面接着とするために目地に装填する材料をいう。施工にあたっては,所定の深さで均一に装填し,ねじれや浮きが無いことを確かめてからプライマーを塗る。
110 字ポリエチレンフォーム等の成形材で,目地底に入れて充填深さを確保し,三面接着を防ぐものをいう。施工にあたっては,目地に隙間なく押し込み,シーリング材の充填中に移動しないようにし,表面を傷付けずに装填する。
せっこうボード張りの出隅部に取り付け,角の欠けを防ぎ,出隅の通りをよくするための金属等の役物をいう。施工にあたっては,出隅に通りよく取り付けてジョイントコンパウンドで覆い,周囲と平滑になるよう塗り幅を広げて仕上げる。
108 字壁や柱の出隅を保護して直線に仕上げるため,ボードの角に沿って張る亜鉛鉄板等の補強材をいう。施工にあたっては,下塗りのジョイントコンパウンドで張り付けたうえで留め付け,乾燥後に上塗りして段差を無くす。
500mm角などの正方形に裁断したカーペットで,部分的な取外しや交換が容易な床材をいう。施工にあたっては,基準線から割り付けて平場は市松敷きとし,OAフロアの場合は床パネルの目地にまたがるように割り付ける。
103 字裏打ち材で補強した方形のカーペットで,OAフロアなどの床仕上げに多く用いられるものをいう。施工にあたっては,接着剤を塗布して所定の時間をおいてから基準線に沿って中央部から張り,壁際は隙間や浮きが生じないように切り込む。
鉄筋の端部をカップラーやスリーブなどの接続金具で機械的に接合する継手をいい,ねじ節鉄筋継手などがある。施工にあたっては,鉄筋端部に挿入マークを付けて所定の挿入長さを確かめ,隣り合う継手の位置は400mm以上ずらす。
107 字カップラー等の金具に鉄筋を差し込み,ナットの締付けやグラウト材の充填で応力を伝える継手をいう。施工にあたっては,工法ごとに定められたトルクで締め付け,又はグラウト材が排出口から出ることで充填を確かめ,全数の外観を確かめる。
根切りの最終段階で,所定の深さの根切り底を平らに仕上げることをいう。施工にあたっては,機械掘削は一般に床付け面の上300mm程度を残し,残りは平らな刃のバケットや手掘りで地盤を乱さないように仕上げる。
100 字基礎や地下躯体の底面となる深さまで掘削し,根切り底を所定の高さに整えることをいう。施工にあたっては,床付け面を乱したときは監督職員の承諾を受けて締固めや良質土への置換えを行い,雨水が流れ込まないようにする。
被覆剤を塗った溶接棒と母材の間にアークを発生させ,その熱で溶接棒と母材を溶かして接合する手溶接をいう。施工にあたっては,吸湿の疑いがある溶接棒は乾燥させてから用い,作業場所の気温が−5℃未満の場合は溶接を行わない。
107 字手溶接とも呼ばれ,溶接棒の被覆剤から生じるガスとスラグで溶融金属を大気から保護して行う溶接をいう。施工にあたっては,気温が−5℃以上5℃以下のときは,溶接線から100mm程度の範囲を適切な方法で加熱してから溶接する。
木造の基礎と土台を緊結し,地震や風による建物の浮上りやずれを防ぐため基礎に埋め込むボルトをいう。施工にあたっては,土台の継手付近や柱の近くに配置し,コンクリートの打込み前に形鋼等で正確に保持して移動させない。
104 字鉄筋コンクリートの基礎に埋め込み,土台を座金とナットで締め付けて基礎に固定するためのボルトをいう。施工にあたっては,ナットを十分に締め付けてねじ山が2〜3山出るようにし,頭部に衝撃を与えたりねじ山を損傷させたりしない。
工事中に床の開口部から作業員が墜落したり物が落下したりしないよう,開口部を覆ったり囲ったりする措置をいう。施工にあたっては,開口部を十分な強度の蓋で覆ってずれないよう固定し,開口部であることを表示する。
101 字スラブの吹抜けや設備用の開口などからの墜落を防ぐため,囲いや手すり,覆いを設けることをいう。施工にあたっては,作業のため臨時に囲い等を取り外すときは,防網を張り,要求性能墜落制止用器具を使用させる。
屋上やバルコニーの雨水を集めて縦どいに流すため,床面に設ける排水金物をいう。施工にあたっては,ドレンを周囲より低く据え付けてコンクリートの打込み前に固定し,防水層はドレンのつばに増張りして入念に張り掛ける。
103 字陸屋根の排水口に取り付け,ストレーナーでごみを止めながら雨水を排水管へ導く金物をいう。施工にあたっては,ドレン回りのコンクリートを密実に充填し,防水層をつばに十分張り掛け,施工後にごみが詰まらないよう清掃する。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- 用語の説明は「何のために・どのようなものか」を1文で,施工上留意すべきことは施工の手順・方法・数値(間隔・寸法・温度など)を1文で書き,2文を続けて1つの欄に収める。
- 根拠:はく離剤は標仕 6.8.2(7),打継ぎ面のレイタンス除去は標仕 6.6.4(4),バックアップ材と二面接着は標仕 9.7.4(2),スペーサー・振れ止めは標仕 14.5.4(3)(4)(振れ止めは床面ランナー下端から約1.2mごと,スペーサーは間隔600mm程度),タイルカーペットは標仕 19.3.3(平場は市松敷き,フリーアクセスフロアではパネルの目地にまたがる割付け),機械式継手は標仕 5.5.3(挿入マーク)・表5.3.3(隣り合う継手の位置は400mm以上,かつ,カップラーの長さに40mmを加えた長さ以上ずらす),根切り底は標仕 3.2.1(5)(地盤をかく乱しない。かく乱したときは監督職員の承諾を受けて措置する),被覆アーク溶接は標仕 7.6.4(3)(吸湿の疑いがある溶接材料は乾燥してから使う)・7.6.8(−5℃未満は溶接しない,−5〜5℃は溶接線から100mm程度の範囲を加熱),ルーフドレン回りの増張りは標仕 9.2.4,金属製建具のかぶせ工法は公共建築改修工事標準仕様書 5.1.3(1)(ア)・5.2.5(2)(ア)(既存枠の耐力の確認,小ねじ留め,既存枠と新規枠内に水が溜まらない措置),木造のアンカーボルトは公共建築木造工事標準仕様書 5.5.3(形鋼等による保持,ねじ山が2〜3山出る締付け)・5.6.1(3)(土台の継手の上木の端部付近に設置)。
- 床付けで機械掘削の底を300mm程度残すこと,コーナービードの納め方,クローラークレーンの地盤養生は,一般的な施工管理の考え方による。床開口部の養生は労働安全衛生規則第519条(墜落のおそれのある箇所に囲い・手すり・覆い等を設ける。作業のため臨時に取り外すときは,防網を張り,要求性能墜落制止用器具を使用させる等の措置を講ずる)による。
- 作業上の安全に関する記述は c(クローラークレーン)と m(床開口部の養生)だけ認められる。ほかの用語で墜落防止や保護具の話を書くと不可になる。
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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した2級建築施工管理技士 第二次検定 令和7年度(2025年11月9日(日)実施) 問題2。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する