建築工事に関する用語の説明と施工上の留意事項
これは2級建築施工管理技士 第二次検定 令和4年度(2022年11月13日(日)実施) 問題2の問題です。論点は「用語の説明」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 3 手順・引っかけの指摘が読めます。
次の建築工事に関する用語の一覧表の中から5つ用語を選び,解答用紙の用語の記号欄の記号にマークしたうえで,選んだ用語欄に用語を記入し,その用語の説明と施工上留意すべきことを具体的に記述しなさい。
ただし,a及びj以外の用語については,作業上の安全に関する記述は不可とする。
また,使用資機材に不良品はないものとする。
(当サイトでは一覧のすべての用語に記述例を示している。自己採点は選んだ5つの用語で行う。)
| 用語の記号 | 用語 |
|---|---|
| a | 足場の壁つなぎ |
| b | 帯筋 |
| c | 親杭横矢板壁 |
| d | 型枠のセパレーター |
| e | 壁のモザイクタイル張り |
| f | 先送りモルタル |
| g | セッティングブロック |
| h | タイトフレーム |
| i | 天井インサート |
| j | ベンチマーク |
| k | 防水工事の脱気装置 |
| ℓ | マスキングテープ |
| m | 木構造のアンカーボルト |
| n | 溶接のアンダーカット |
解答欄
正解
足場の倒壊や外側への転倒を防ぐため,足場の建地を建物の躯体に連結する部材である。単管足場は垂直方向5m以下,水平方向5.5m以下の間隔で設け,躯体のアンカーに確実に緊結する。
87 字足場の倒壊や外側への転倒を防ぐため,足場を建物の躯体に連結する部材である。枠組足場は垂直方向9m以下,水平方向8m以下の間隔で設け,引張りと圧縮に耐える構造とする。
足場を建物の躯体に連結して倒壊を防ぐ部材である。外装工事で支障となり一時的に取り外す場合は,先に近くに代わりの壁つなぎを設けてから取り外す。
柱の主筋を囲んで一定の間隔で配置する横方向の鉄筋で,せん断補強と主筋の座屈防止の役割をもつ。末端は135°以上に折り曲げて余長6d以上をとり,フックの位置は四隅の主筋に交互にずらす。
91 字柱の主筋を取り囲む横方向の鉄筋で,せん断力に抵抗しコンクリートを拘束する。所定の間隔を保つよう主筋に結束線で緊結し,柱の上下の端部は間隔が広がらないよう確認する。
柱の主筋を囲む横方向の鉄筋で,せん断補強の役割をもつ。溶接閉鎖形の帯筋を用いる場合は,溶接部が隣り合う帯筋で同じ位置にならないようずらして配置する。
H形鋼などの親杭を1~2m間隔で地中に設け,掘削の進行に合わせて親杭の間に木製の横矢板を差し込んでいく山留め壁である。横矢板は掘削後速やかに入れ,裏側の隙間には土を充填して地山を緩めない。
94 字親杭を一定間隔に打ち込み,掘削しながら杭間に横矢板をはめ込む山留め壁である。止水性がないので地下水位の高い地盤では地下水処理を併用し,横矢板の掛かり代を十分にとる。
H形鋼の親杭の間に横矢板を入れていく山留め壁である。親杭はプレボーリングで建て込む場合,杭周の空隙に根固め液や砂を充填して杭の変位を防ぐ。
相対するせき板の間隔を所定の寸法に保つため,両側のせき板の間に入れる鋼製の金物で,締付け金物とともに側圧を支える。せき板に直角に配置し,打放し面や防水下地ではコーン付きを用いる。
89 字せき板の間隔を一定に保つ金物で,フォームタイと組み合わせてコンクリートの側圧を支える。地下外壁など水密性が必要な部位では止水板付きのものを用いる。
相対するせき板の間隔を保持する鋼製の金物である。コーンを使用した箇所は,脱型後にコーンを取り外してモルタルを充填し,穴を確実にふさぐ。
表張り紙で連結したユニットのモザイクタイルを,下地に塗った張付けモルタルに押し当てて張る工法である。モルタルは2層塗りとし1回の塗付け面積は3m²/人以内,目地部にモルタルが盛り上がるまでたたき締める。
101 字ユニット化したモザイクタイルを張付けモルタルに張る工法である。張付け後,時期を見計らって水湿しをして表張り紙をはがし,目地の通りを直す。
表張りしたユニットタイルを下地の張付けモルタルに張る工法である。モルタルの塗り置き時間が長いと接着力が落ちるので,塗付け後すぐに張り付けてたたき板でたたき締める。
コンクリートポンプの圧送開始前に,輸送管の内面を潤滑にしてコンクリートの閉塞を防ぐために先に送るモルタルである。先送りモルタルは品質が変化しているので,型枠内に打ち込まず廃棄する。
90 字圧送の開始時に輸送管の内面を潤滑にするため,コンクリートに先立って圧送する富調合のモルタルである。量は輸送管の長さと径に応じて定め,圧送後のモルタルは型枠内に打ち込まない。
ポンプ圧送の開始時に輸送管内を潤滑にするため先に圧送するモルタルである。圧送後の先送りモルタルは受け容器で受けて処分し,コンクリートの品質に影響させない。
はめ込み構法で板ガラスを建具枠に取り付ける際,ガラスの自重を支え,ガラスと溝底のエッジクリアランスを保つためにガラス下辺に置くゴム製のブロックである。一般にガラスの両端から1/4の位置に2か所置く。
99 字ガラスの下辺と下端ガラス溝の底との間に置き,ガラスの自重を支える小片である。水抜き孔をふさがない位置に置き,ガラスが溝の中央にくるようにする。
板ガラスの下辺に置いて自重を支え,エッジクリアランスを確保するブロックである。硬さ90±5°のクロロプレンゴムなどを用い,ガラスの幅に合った長さとする。
折板葺屋根の折板を鉄骨の梁(母屋)に固定するため,梁の上に取り付ける山形の受け金物である。梁とは隅肉溶接で接合し,溶接後はスラグを除去して亜鉛めっき鋼面用の錆止め塗料を塗る。
87 字折板を構造材に取り付けるための折板の形に合わせた受け金物である。割付けに合わせて梁の上に通りよく取り付け,重ね形の折板は各山ごとにタイトフレームに固定する。
折板屋根を鉄骨梁に留め付けるための金物である。梁への溶接はタイトフレームの立上り部の縁まで隅肉溶接とし,溶接の不足やアンダーカットがないか確認する。
天井の吊りボルトを取り付けるため,コンクリートの打込み前に床型枠に取り付けておく雌ねじ付きの金物である。間隔は900mm程度,周辺部は端から150mm以内に配置し,打込み時に動かないよう固定する。
98 字吊りボルトをねじ込むためスラブに打ち込んでおく鋼製の金物である。型枠組立時に天井伏図に基づいて配置し,設備器具やダクトの位置と干渉しないか確認する。
天井下地の吊りボルトを取り付けるためにスラブに埋め込む金物である。防錆処理された鋼製のものを用い,吊りボルトは十分にねじ込んで緩みのないようにする。
建物の高さ及び位置の基準となる点である。木杭やコンクリート杭を用いて移動しないように2か所以上設け,周囲を養生して保護し,相互に確認できるようにする。
75 字工事中の建物の高さと位置の基準点である。移動するおそれのない既存の工作物がある場合はこれを代用でき,位置・高さは監督職員などの確認を受ける。
高さ・位置の基準となる基準点である。工事車両の通行で動かされない場所に設け,工事中は定期的に基準点相互の高低差を測定して移動がないか確認する。
絶縁工法などの防水層で,下地に含まれる水分が気化して生じる水蒸気を外部に排出し,防水層のふくれを防ぐ装置である。種類と設置数量は製造所の指定によるものとし,平場や立上りに均等に配置する。
93 字防水層の下の通気層にたまった水蒸気を大気中に逃がす器具である。脱気装置の周囲は防水層と確実に一体化させ,取付け部から雨水が浸入しないようにする。
防水層の下の湿気を外部に排出してふくれを防ぐ装置である。通気層(あなあきルーフィングや部分粘着層)と連続するように取り付け,通気が妨げられないようにする。
シーリング工事や塗装工事で,目地の縁や塗り分け線を通りよく仕上げ,周囲の汚れを防ぐために張る粘着テープである。シーリング材のへら仕上げが終わったら,硬化前に直ちに除去する。
86 字塗装の塗り分けやシーリングの充填の際,仕上げ面の汚染を防ぐ養生用の粘着テープである。のりが残らない製品を用い,張りっぱなしにせず作業後すぐにはがす。
目地や塗り分けの縁に張って周囲を汚さないようにする養生テープである。被着面に密着させて隙間をつくらないよう張り,シーリング材やプライマーが下に回らないようにする。
木造の土台を鉄筋コンクリートの基礎に緊結するため,基礎に埋め込むボルトである。土台の継手付近や耐力壁の柱の近くに配置し,コンクリートの打込み前に所定の位置と高さに固定しておく。
88 字基礎と土台を緊結して建物の浮上りや移動を防ぐボルトである。打込み後に差し込む田植え式とせず,型枠に固定して打ち込み,ナットはねじ山が2~3山以上出るまで締め付ける。
土台を基礎に固定するために基礎に埋め込む金物である。土台の継手では上木の端部付近に配置し,ボルトの埋込み長さを確保して位置のずれがないか確認する。
溶接の止端部で母材が溶けて溝状にえぐれ,溶着金属で満たされずに残った欠陥である。電流が過大で運棒速度が速すぎると生じやすいので,適正な溶接条件で施工し,許容値を超えるものは補修溶接する。
93 字溶接ビードの縁で母材が掘られて溝になった欠陥で,応力集中の原因となる。溶接棒の角度と運棒速度を適正に保ち,深さの許容差を超えるものは補修溶接を行う。
溶接の止端に沿って母材がくぼんだ溶接欠陥である。溶接後に外観検査で深さを確認し,許容値を超えるものは補修溶接したうえで,必要に応じてグラインダーで滑らかに仕上げる。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- 各用語について「用語の説明(何のための何か)」と「施工上留意すべきこと(数値・方法まで)」の両方を書く。a(足場の壁つなぎ)とj(ベンチマーク)以外は作業上の安全に関する記述は不可,使用資機材の不良品に関する記述も不可である。
- 記述例の根拠:壁つなぎの間隔は労働安全衛生規則第570条(単管足場 垂直方向5m以下・水平方向5.5m以下,枠組足場 垂直方向9m以下・水平方向8m以下)。帯筋の末端にはフックを付け(標仕 5.3.2(2)),135°フックの余長は6d以上(標仕 表5.3.1)。ガス圧接部の品質は標仕 5.4.4。モザイクタイル張りは標仕 11.2.6(3)(2層塗り・1回の塗付け面積3m²/人以内・目地部に盛り上がるまでたたき締める)。セッティングブロックの材質は標仕 16.14.2(3)。タイトフレームの隅肉溶接・スラグ除去・錆止め塗料と重ね形折板の各山ごとの固定は標仕 13.3.3(3)(イ)(ウ)。インサートの間隔は標仕 14.4.3(1)(900mm程度・周辺部は端から150mm以内)。ベンチマークは標仕 2.2.2。脱気装置の種類と設置数量は標仕 9.2.3(特記がなければ製造所の指定)。木造のアンカーボルトの締付けは公共建築木造工事標準仕様書 5.5.3(ねじ山が2~3山以上出る)。
- 先送りモルタルは打ち込まないのが原則で,一般に品質の変化した先送りモルタルは型枠内に打ち込まずに廃棄する。セッティングブロックの位置は一般にガラスの両端から1/4の位置とされる。アンダーカットは溶接の止端に沿って母材が溝状にえぐれた欠陥で,電流過大・運棒速度の過大・溶接棒の角度の不適が原因となる。親杭の間隔は一般に1~2m程度とされる。ベンチマークは一般に2か所以上設け,相互に確認できるようにする。
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令和4年度の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した2級建築施工管理技士 第二次検定 令和4年度(2022年11月13日(日)実施) 問題2。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する