建築工事に関する用語の説明と施工上留意すべきこと(14用語から5つ)
これは2級建築施工管理技士 第二次検定 令和2年度(2020年11月8日(日)実施) 問題2の問題です。論点は「用語の説明」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。
次の建築工事に関する用語の一覧表の中から5つ用語を選び,解答用紙の用語の記号欄の記号にマークしたうえで,選んだ用語欄に用語(b及びgについては( )内の略語)を記入し,その用語の説明と施工上留意すべきことを具体的に記述しなさい。
ただし,d及びl以外の用語については,作業上の安全に関する記述は不可とする。また,使用資機材に不良品はないものとする。
本試験では14用語から5つを選んで解答する。ここでは全14用語に記述例を示すので,自己採点は自分が選んだ5つで行う。
| 用語の記号 | 用語 |
|---|---|
| a | 帯筋 |
| b | 改質アスファルトシート防水トーチ工法・密着露出仕様(防水トーチ工法) |
| c | 機械ごて |
| d | クローラークレーン |
| e | コンクリートのブリーディング |
| f | スタッド溶接 |
| g | せっこうボード張りにおけるコーナービード(コーナービード) |
| h | タイル張りのヴィブラート工法 |
| i | 天井インサート |
| j | 床付け |
| k | 布基礎 |
| l | パイプサポート |
| m | ベンチマーク |
| n | 木工事の仕口 |
解答欄
正解
柱の主筋を取り囲むように所定の間隔で配置する横方向の補強筋で,せん断補強と主筋の座屈防止の役割をもつ鉄筋をいう。施工にあたっては,末端を135°以上に折り曲げて余長を6d以上とし,主筋に結束して所定の間隔とかぶり厚さを確保する。
114 字柱の主筋の外側を巻くように配置し,柱のせん断破壊を防いで主筋のはらみ出しを抑える鉄筋をいう。施工にあたっては,柱の上下端など間隔を密にする区間の間隔を守り,フックの位置は柱の四隅に交互にずらして結束する。
柱のせん断力に抵抗するため,主筋を囲んで配置する補強筋をいう。施工にあたっては,帯筋の外側でスペーサーにより所定のかぶり厚さを確保し,コンクリートの打込み時に位置がずれないよう主筋に堅固に結束する。
改質アスファルトシートの裏面と下地をトーチバーナーであぶり,溶融させながら下地に全面密着させ,露出仕上げとする防水工法をいう。施工にあたっては,重ね幅を幅方向・長手方向とも100mm以上とし,重ね部は改質アスファルトがはみ出す程度まであぶって密着させる。
127 字トーチバーナーで改質アスファルトシートを溶融させて下地に密着させ,保護層を設けずに仕上げる露出防水の工法をいう。施工にあたっては,プライマーを均一に塗って乾燥させてから張り付け,出隅・入隅には幅200mm程度の増張りを先に行う。
改質アスファルトシートをトーチで溶かして下地に張り付け,露出仕上げとする防水工法をいう。施工にあたっては,空気を巻き込まないよう均一にあぶりながら押し広げ,2層の場合は上下層の接合部が重ならないようにずらす。
回転する数枚のこて板で床コンクリートの表面を均し押さえる動力式の機械をいい,広い床の直均し仕上げに用いる。施工にあたっては,コンクリートの凝結の程度を見計らって押さえを始め,早すぎて表面を荒らしたり遅すぎて押さえ不足になったりしないようにする。
122 字エンジンやモーターで回転するこて刃により,床コンクリートの表面を押さえて平滑に仕上げる機械をいう。施工にあたっては,踏み込んでも沈まない程度に締まってから使用し,端部や柱回りは金ごてで手押さえして仕上げる。
床コンクリート直均し仕上げの金ごて押えを機械で行うための回転式のこてをいう。施工にあたっては,締まり具合を見ながら段階的に押さえ,ブリーディング水が表面に残っている間は押さえない。
下部の走行装置に履帯(クローラー)を備えた移動式クレーンをいい,接地圧が小さく不整地でも走行でき,鉄骨建方や杭工事に用いる。施工にあたっては,地盤の支持力を確かめて敷鉄板を敷き,定格荷重と作業半径を守り,つり荷やジブの下への立入りを禁止する。
121 字履帯式の走行体の上に旋回体とブームを載せた移動式クレーンをいい,自走して移動でき安定性がよい。施工にあたっては,ジブの組立て・解体は指揮者を定めて平たんな場所で行い,強風(10分間の平均風速10m/s以上)のときは作業を中止する。
履帯で走行する移動式クレーンをいい,アウトリガーを用いずに重量物をつることができる。施工にあたっては,作業開始前に過負荷防止装置などの機能を点検し,合図者を定めて一定の合図で運転させ,送電線の近くでは離隔距離を確保する。
打ち込んだ後のコンクリートでセメントや骨材が沈降し,練混ぜ水の一部が分離して上面に浮き出てくる現象をいう。施工にあたっては,単位水量をできるだけ小さくした調合とし,浮き出た水は打重ねやこて押えの前に取り除き,沈みひび割れはタンピングで処理する。
122 字コンクリートの固体材料が沈降して水が上昇し,表面に水がたまる現象をいい,鉄筋の下側に空隙ができて付着が弱くなる原因になる。施工にあたっては,1層の打込み厚さを小さくして締固めを十分に行い,ブリーディング水を取り除いてから次の層を打ち込む。
コンクリートの打込み後に練混ぜ水が上面に浮き出す現象をいい,レイタンスの発生の原因になる。施工にあたっては,打継ぎ部のレイタンスを硬化後に高圧水洗などで取り除き,新旧のコンクリートが一体となるようにする。
頭付きスタッドを母材に当ててアークで溶融させ,押し付けて溶接する方法をいい,鉄骨梁と床スラブを一体化させるために用いる。施工にあたっては,作業開始前に試験溶接で溶接条件を確かめ,仕上り高さは所定の高さ±2mm以内,傾きは5°以内とする。
118 字スタッド溶接機を用いてスタッドと母材の間にアークを発生させ,瞬時に溶接する方法をいい,合成梁のシアコネクタなどを取り付ける。施工にあたっては,母材の溶接部の錆・塗料・水分を取り除き,デッキプレートを貫通して溶接する場合はデッキプレートを梁に密着させる。
鉄骨梁の上フランジなどにスタッドを溶接で植え付ける方法をいう。施工にあたっては,溶接後にカラーが全周に形成されているかを外観で確かめ,100本ごとに1本以上の打撃曲げ試験を行い,15°まで曲げても割れのないことを確認する。
せっこうボード張りの壁や柱の出隅部に,角を保護・補強して通りよく仕上げるために取り付ける金属製やプラスチック製の役物をいう。施工にあたっては,出隅に通りよく垂直に取り付け,ジョイントコンパウンドで塗り込み,乾燥後に研磨して段差のないよう平滑に仕上げる。
126 字出隅のボードの角が欠けたり傷んだりしないように取り付ける,亜鉛めっき鋼板製などのL形の補強材をいう。施工にあたっては,ボード面に密着させてくぎ又はステープルで留め,継目処理のパテを数回に分けて塗り広げてビードの端が見えないように仕上げる。
せっこうボード張りの出隅部を保護する見切り材をいう。施工にあたっては,取り付ける前に出隅の通りと垂直を確認し,できるだけ継がずに1本もので取り付けて,塗装や壁紙の下地として平滑に仕上げる。
張付けモルタルにタイルを押し当て,振動機(ヴィブラート)で振動を与えて埋め込むように張り付ける密着張りの工法をいう。施工にあたっては,張付けモルタルは2層に分けて塗り,1回の塗付け面積は2m²/人以内とし,タイル周辺からモルタルがはみ出すまで振動させる。
127 字軟らかい張付けモルタルにタイルを押し付け,振動工具で振動を加えて張り付ける密着張りの工法をいう。施工にあたっては,目地割りに基づいて水糸を引き通し,窓や出入口回り,隅・角などの役物を先に張り,目違いのないよう通りよく張り付ける。
振動機を用いてタイルを張付けモルタルに密着させるタイル張りの工法をいう。施工にあたっては,目地詰めはタイル張付け後24時間以上経過してから行い,目地の深さはタイル厚さの1/2以下とする。
天井下地のつりボルトを取り付けるために,コンクリートスラブにあらかじめ埋め込んでおく雌ねじ付きの金物をいう。施工にあたっては,型枠の組立て時に間隔900mm程度,周辺部は端から150mm以内に配置し,コンクリートの打込みで移動しないよう型枠に堅固に固定する。
129 字スラブのコンクリート打込み前に型枠に取り付け,天井のつりボルトや設備の支持材をねじ込むための埋込み金物をいう。施工にあたっては,設備の配管やダクトと干渉しないよう施工図で位置を調整して配置し,打込み後に位置と数を確認する。
天井をつるためにスラブに埋め込む鋼製の金物をいう。施工にあたっては,防錆処理されたものを用い,打込み後はねじ部に入ったモルタルを取り除いて,つりボルトを十分にねじ込んで緩まないようにする。
根切り工事で所定の深さまで掘削し,根切り底を設計の高さに平らに仕上げること,又はその根切り底の面をいう。施工にあたっては,床付け面近くは平状のバケットや手掘りで掘削して地盤をかく乱しないようにし,かく乱した場合は監督職員の承諾を受けて締固めなどの措置をする。
129 字基礎などを設ける高さまで掘り下げた根切りの底を,所定の高さに整えることをいう。施工にあたっては,床付け面の高さをレベルで確認しながら掘削し,掘り過ぎた部分は掘削土で埋め戻さず,砂利や捨てコンクリートなどで補う。
根切りの最終段階で,地盤を所定の深さに平らに整えることをいう。施工にあたっては,床付け面の土質と深さが設計の支持地盤と合っているかを確認して検査を受け,雨水がたまらないよう排水し,凍結しないよう養生する。
壁や柱の下に沿って帯状に連続して設ける基礎をいい,上部の荷重を地盤に伝える。施工にあたっては,底盤の幅と根入れ深さ,立上り部分の高さ(木造の場合,地上部分で30cm以上)を確認し,アンカーボルトを所定の位置に正確に固定してからコンクリートを打ち込む。
125 字建物の外周や間仕切壁の下に連続して設ける,逆T字形の断面の基礎をいう。施工にあたっては,底盤の下に捨てコンクリートを打って墨出しを正確に行い,立上り部分と底盤の打継ぎ部は清掃して一体となるように打ち込む。
壁の下に連続して設ける帯状の鉄筋コンクリートの基礎をいう。施工にあたっては,換気口などの開口部の周囲に補強筋を配置し,所定のかぶり厚さを確保できるようスペーサーを用いて配筋する。
型枠支保工の支柱として用いる長さを調節できる鋼管製の支柱をいい,スラブや梁の型枠を下から支える。施工にあたっては,3本以上継いで用いず,継ぐときは4以上のボルト又は専用の金具を用い,高さが3.5mを超えるときは高さ2m以内ごとに水平つなぎを2方向に設ける。
128 字内管と外管を差し込んで高さを調整する,型枠支保工用の鋼製の支柱をいう。施工にあたっては,支柱の脚部は滑動しないよう敷板に固定し,上端は大引にくぎ又は専用の金具で固定して鉛直に立てる。
梁やスラブの型枠を支える伸縮式の鋼管支柱をいう。施工にあたっては,組立図で支柱の間隔と配置を決め,上の階で打ち込むときは下の階の支柱と同じ位置に立てて荷重を確実に伝える。
建物の高さと位置の基準とするために,敷地内やその付近に設ける基準点をいう。施工にあたっては,木杭やコンクリート杭を用いて移動しないように設けて周囲を養生し,一般に2か所以上設けて相互に確認できるようにする。
103 字建物の高低の基準となる点をいい,移動するおそれのない固定物を利用するか,杭を設けて定める。施工にあたっては,設置した位置と高さを図面に記録して監督職員の検査を受け,工事中も定期的に確認する。
建物の位置や高さを測るときの基準となる点をいう。施工にあたっては,重機の通行や掘削で動かないよう工事の影響を受けない場所に設け,周りを囲って目立つように表示する。
2つ以上の木材を角度をもたせて接合する部分やその加工をいい,土台と柱,柱と梁などの接合に用いる(材を長さ方向に継ぐ継手とは区別する)。施工にあたっては,所定の形状と寸法に精度よく加工し,込み栓や接合金物で緊結して,断面欠損が大きくならないようにする。
125 字柱と横架材など,方向の違う部材どうしを組み合わせる接合部をいう。施工にあたっては,仕口が構造上の弱点にならないよう節などの欠点のない位置で加工し,必要な接合金物で補強する。
部材を直角や斜めに組み合わせる接合部の加工をいい,ほぞ差しや大入れなどがある。施工にあたっては,加工後に寸法を確認して密着するように組み立て,緩みが生じないようボルトを十分に締め付ける。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- 各用語について,1文目で用語の説明(何か・何のために用いるか)を「〜をいう。」の形で書き,2文目で施工上留意すべきこと(数値・方法まで)を「施工にあたっては,〜。」の形で書く。
- 根拠:帯筋の折曲げは標仕 5.3.2(表5.3.1:135°以上・余長6d以上),トーチ工法は標仕 9.3.4(5)(重ね幅は幅方向・長手方向とも100mm以上),機械ごては標仕 15.4.3,スタッド溶接は標仕 7.7.3(仕上り高さ±2mm・傾き5°以内)・7.7.6(15°打撃曲げ試験),ヴィブラート工法(密着張り)は標仕 11.2.6(2層塗り・2m²/人以内),インサートは標仕 14.4.3・14.4.4(間隔900mm程度・端部150mm以内・型枠組立時に配置),床付けは標仕 3.2.1(5)(地盤をかく乱しない。かく乱した場合は監督職員の承諾を受けて適切な措置を講ずる),ベンチマークは標仕 2.2.2,布基礎の立上り高さは平成12年建設省告示第1347号(地上部分30cm以上),パイプサポートは労働安全衛生規則第242条。
- ブリーディング・機械ごての使用時期・コーナービードの納まり・仕口の加工などで標仕に規定のない内容は,一般的な施工の考え方による。
- d(クローラークレーン)とl(パイプサポート)以外は,作業上の安全に関する記述は不可(施工上留意すべきことは品質・精度・施工方法について書く)。
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令和2年度の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した2級建築施工管理技士 第二次検定 令和2年度(2020年11月8日(日)実施) 問題2。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する