建築工事に関する用語の説明と施工上留意すべきこと
これは2級建築施工管理技士 第二次検定 令和5年度(2023年11月12日(日)実施) 問題2の問題です。論点は「用語の説明」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘・現行の法令・基準との関係が読めます。
次の建築工事に関する用語の一覧表の中から5つ用語を選び,解答用紙の用語の記号欄の記号にマークした上で,選んだ用語欄に用語(太字で示す部分のみでも可)を記入し,その用語の説明と施工上留意すべきことを具体的に記述しなさい。
ただし,a及びb以外の用語については,作業上の安全に関する記述は不可とする。
また,使用資機材に不良品はないものとする。
(当サイトでは一覧のすべての用語に解答例を示す。自己採点は自分が選んだ5つの用語で行う。)
| 用語の記号 | 用語 |
|---|---|
| a | 足場の手すり先行工法 |
| b | 親綱 |
| c | 型枠の剥離剤 |
| d | グリッパー工法 |
| e | コンクリートのレイタンス |
| f | シーリング工事のバックアップ材 |
| g | ジェットバーナー仕上げ |
| h | 隅肉溶接 |
| i | せっこうボード張りにおけるコーナービード |
| j | 鉄筋の先組み工法 |
| k | 壁面のガラスブロック積み |
| ℓ | べた基礎 |
| m | 木工事の仕口 |
| n | 木造住宅の気密シート |
解答欄
正解
足場の組立て時に最上層の作業床に乗る前に手すりを先行して設け,解体時は作業床を外すまで手すりを残す工法である。手すり先行専用の部材を使い,組立て・解体の手順を作業手順書に定めて作業員に周知する。
97 字足場の組立て・解体の際,作業床に乗る前から常に手すりがある状態にして墜落を防ぐ工法である。手すり据置き方式や手すり先行方式の部材を正しく使い,手すりを外した状態で作業床に乗らないよう監視する。
最上層の作業床の端に,作業員が乗る前に手すりを取り付けておく足場の組立て工法である。組立ての順序を守り,手すりと中さん・幅木の取付けを確認してから次の層の作業に移る。
鉄骨梁の上や屋根の上などで墜落制止用器具のフックを掛けるために張り渡すロープである。支柱は一般に10m以下の間隔で堅固に取り付け,緊張器で緩みのないように張り,使用前に損傷がないか確かめる。
95 字高所作業で墜落制止用器具を掛けるため,作業箇所に沿って水平に張る綱である。取付け設備の強度を確かめ,作業床からフックを掛けやすい高さに張り,1スパンに掛ける人数を決めて使う。
鉄骨建方などで梁の上に支柱を立てて張る墜落防止用の綱である。建方の前に地上で梁に支柱を取り付けておき,張ったあとは緩みやたるみがないことを点検する。
コンクリートとせき板の付着を防ぎ,型枠を取り外しやすくするためにせき板の表面に塗る薬剤である。コンクリート面に悪影響のないものを使い,鉄筋や打継ぎ面に付かないよう組立て前に均一に塗る。
92 字せき板の脱型を容易にし,コンクリート表面の損傷を防ぐ薬剤である。塗り過ぎると表面の仕上げ材の接着を妨げるので,所定の量を塗りむらなく塗り,余分なものは拭き取る。
型枠の転用や脱型のしやすさのため,せき板に塗布する油性・水性の離型剤である。塗装・タイル張りなど仕上げに影響しない種類を選び,降雨で流れないよう塗布の時期を決める。
部屋の周囲の床に釘状の突起が付いたグリッパーを固定し,カーペットを伸張用工具で張り伸ばして引っ掛けて固定する敷込み工法である。グリッパーは壁際や柱回りに固定し,幅300mmにつき200N程度の張力で伸張する。
104 字タフテッドカーペットなどを接着剤を使わずに敷き込む工法で,周囲に固定したグリッパーにカーペットを引っ掛けて留める。下敷き材は突付けで隙間なく敷き,グリッパーは下敷き材の厚さに合った寸法とする。
床の周囲に取り付けた木製の帯板の針にカーペットを伸ばして掛け,固定する工法である。仮敷きで毛並みの方向と柄を合わせて割り付け,隙間や不陸が出ないよう伸張用工具で十分に張る。
コンクリートの打込み後,ブリーディングに伴い内部の微細な粒子が浮き上がって表面に薄く堆積した脆弱な層である。打継ぎ面ではレイタンスを高圧水洗やワイヤブラシで取り除き,健全なコンクリートを露出させる。
99 字ブリーディング水とともにセメントや骨材の微粒子が表面に上がって固まった強度の低い薄い層である。打継ぐ前に取り除いて目荒らしし,打込み前に散水して湿潤にしておく。
コンクリート上面にできる脆弱な泥状の層で,付着を妨げる。ブリーディングの少ない調合とし,床仕上げや防水の下地となる面では,レイタンスやぜい弱部を除去してから施工する。
目地が深いときに目地底に装着し,シーリング材の充填深さを所定の寸法にするとともに,三面接着を防ぐ材料である。シーリング材と接着せず変色等の悪影響のないものを使い,ねじれや段差なく所定の深さに装着する。
100 字ワーキングジョイントで二面接着とするため,目地底に入れる発泡ポリエチレン等の材料である。目地幅に合った寸法のものを選び,目地の全長にわたって深さが一定になるよう押し込む。
シーリング材の厚さを確保し,目地底への接着を防ぐ成形材料である。目地深さが浅い場合は使わずボンドブレーカーとし,装着後は汚れや水分が付かないうちに充填する。
花こう岩などの石材の表面をバーナーの炎で加熱し,急冷して表層を弾けさせ,粗面に仕上げる方法である。熱で割れないよう仕上げ代を見込んだ厚さの石材を使い,仕上げ後は水洗いして表面の粉を取り除く。
95 字石材の表面を高温の炎であぶり,結晶をはく離させて凹凸のある滑りにくい面にする仕上げである。加熱にむらがないよう均一に仕上げ,色や粗さを見本と照合して確認する。
主に花こう岩の床や外壁に用いる粗面仕上げで,石の表面を炎で焼いてはがす。仕上げで薄くなる分を見込んで石の厚さを決め,必要に応じてバフ仕上げの有無を確認する。
T形・重ね継手などで直角に交わる部材の隅部に,三角形状の断面の溶接金属を盛って接合する溶接である。所定のサイズ(脚長)とのど厚を確保し,施工する溶接長さは有効長さにサイズの2倍を加えた長さとする。
98 字2つの部材の隅に溶接金属を三角形に盛る溶接で,ガセットプレートやスチフナーの取付けに使う。アンダーカットやオーバーラップがないように溶接し,余盛りは所定の高さ以下とする。
部材を開先加工せずに隅部を溶接する方法である。端部は回し溶接として始端・終端の欠陥を避け,溶接後に脚長をゲージで測って所定の寸法があることを確認する。
せっこうボード張りの出隅部を保護し,通りよく仕上げるために取り付ける金属製などの見切り材である。出隅に通りよく取り付け,ジョイントコンパウンドで塗り込み,乾燥後に研磨して平滑に仕上げる。
93 字ボード張りの壁の出隅を傷みから守り,角をまっすぐに通すための役物である。下塗り・中塗り・上塗りと段階的にパテを塗って段差をなくし,ボードの面と平らにそろえる。
出隅に取り付ける保護用の金物で,塗装・クロス仕上げの角の欠けを防ぐ。ビードの通りと垂直を確かめてからボードに留め付け,留付け材の頭はパテで隠す。
柱・梁・壁などの鉄筋を地上の作業場や工場であらかじめ組み立て,クレーンで所定の位置に吊り込んで接合する工法である。吊込み時に変形しないよう補強筋を入れて組み,継手位置とかぶり厚さを確保して据え付ける。
100 字鉄筋をユニットとして先に組み立て,揚重して取り付ける工法で,現場の作業を減らし工期を短縮できる。揚重機の能力に合わせてユニットの大きさを決め,吊り位置と継手の方法を事前に計画する。
梁や柱の鉄筋を地組みしてから所定の位置に落とし込む工法である。先組みした鉄筋の寸法を据付け前に検査し,機械式継手やガス圧接など継手の施工が確実にできる位置で接合する。
中空のガラスブロックを,縦横の力骨を入れながら目地モルタルで積み上げて壁をつくる工法である。目地幅は平積みで8~15mmとし,特記がなければ6m以下ごとに幅10~25mmの伸縮調整目地を設ける。
97 字ガラスブロックを壁用金属枠の中に積み上げる工法である。金属枠は間隔450mm以下で躯体に固定し,ガラスブロックと力骨は枠と絶縁して,躯体の動きが伝わらないようにする。
採光のため,ガラスブロックを目地モルタルで積み上げて壁にする。目地モルタルはセメント1:砂3を標準とし,縦力骨が目地の中央にくるよう配置して,目地にモルタルを密実に充填する。
建物の底面全体を鉄筋コンクリートの底版で一体につくり,建物の荷重を広い面で地盤に伝える基礎である。床付け面を乱さないよう掘削し,防湿シートと捨てコンクリートを施工して,底版のかぶり厚さをスペーサーで確保する。
104 字建物の下全面に設けた耐圧版と基礎梁が一体になった基礎で,不同沈下を抑えやすい。耐圧版と立上り部の打継ぎ部は,レイタンスを除去し止水を考慮して施工する。
建物の平面全体を1枚のスラブで支える基礎である。地盤の支持力を確認してから施工し,配筋検査で鉄筋の径・間隔・かぶり厚さを確認してからコンクリートを打ち込む。
2つ以上の木材を角度をつけて接合する部分,又はその加工の形(ほぞ差し・渡りあごなど)である。断面欠損が大きくならないよう加工し,仕口部は羽子板ボルトなどの補強金物で緊結して,緩みや隙間がないように組む。
101 字柱と梁,土台と柱のように方向の違う部材を接合する部分とその加工である。継手と区別し,加工精度を確かめて,接合部に隙間ができないよう密着させて組み立てる。
木材を直角などに組む接合部で,ほぞ・大入れ・あり掛けなどがある。プレカットの加工図を事前に確認し,所定の接合金物を所定の位置に取り付ける。
室内の湿気が壁内に入るのを防ぎ,建物の気密性を確保するため,断熱材の室内側に張るポリエチレンフィルムなどのシートである。継目は下地材のある部分で一般に30mm以上重ね,配管などの貫通部は気密テープで処理する。
104 字壁や天井の断熱材の室内側に連続して張り,すき間風と壁内結露を防ぐフィルムである。破れがないよう張り,破れた部分は補修テープでふさいで,気密層が途切れないようにする。
防湿気密層をつくるための防湿フィルムである。柱・間柱など下地のある位置で重ねてステープルで留め,コンセントボックス回りは専用の部材で処理して連続させる。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- 用語の説明は「何のための,どのような材料・工法・部位か」を1文で書き,続けて施工上留意すべきことを数値や方法まで具体的に書く。
- a(手すり先行工法)とb(親綱)はもともと墜落防止のための用語なので安全に関する記述でよいが,それ以外の用語では作業上の安全(保護具・立入禁止など)を書くと不可になる。
- 根拠の例:グリッパー工法の伸張は幅300mmにつき200N程度・グリッパーの寸法は下敷き材の厚さに相応したもの(標仕 19.3.3・19.3.2),レイタンスの除去(標仕 6.6.4),バックアップ材は目地深さが深い場合に装着し所定の深さとする(標仕 9.7.4),隅肉溶接の施工長さは有効長さにサイズの2倍を加える(標仕 7.6.7),ガラスブロック積みの目地幅8~15mm・伸縮調整目地6m以下ごと・壁用金属枠の固定間隔450mm以下・目地モルタルの調合1:3(標仕 16.14.5(2)),はく離剤はコンクリート面に悪影響のないもの(標仕 6.8.2),ジェットバーナー仕上げ(標仕 10.2.1)。
- 親綱の支柱の間隔(一般に10m以下)は標仕に規定がなく,一般的な施工の目安として示した。気密シート(防湿フィルム)の継目を下地材のある部分で30mm以上重ねることは公共建築木造工事標準仕様書 20.2.4(5)(イ) による。
- 自己採点は,選んだ5つの用語について,説明と留意事項がともに書けているかで行う。
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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した2級建築施工管理技士 第二次検定 令和5年度(2023年11月12日(日)実施) 問題2。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する