施工経験記述(工程の管理)
これは2級建築施工管理技士 第二次検定 令和5年度(2023年11月12日(日)実施) 問題1の問題です。論点は「施工経験記述」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘が読めます。
あなたが経験した建築工事のうち,あなたの受検種別に係る工事の中から,工程の管理を行った工事を1つ選び,工事概要を具体的に記入した上で,次の1.及び2.の問いに答えなさい。
なお,建築工事とは建築基準法に定める建築物に係る工事とし,建築設備工事を除くものとする。
〔工事概要〕
イ.工事名
ロ.工事場所
ハ.工事の内容(新築等の場合:建物用途,構造,階数,延べ面積又は施工数量,主な外部仕上げ,主要室の内部仕上げ/改修等の場合:建物用途,建物規模,主な改修内容及び施工数量)
ニ.工期等(工期又は工事に従事した期間を年号又は西暦で年月まで記入)
ホ.あなたの立場
ヘ.あなたの業務内容
1. 工事概要であげた工事であなたが担当した工種において,項目Aのaからcの中からテーマを選び,それらを手配や配置,施工の計画を立てる際に,工事を遅延させないためにあなたがどのようなことを行ったのか,項目Bの①から③について具体的な事例を3つ記述しなさい。
なお,選んだ項目Aは○で囲み,3つの事例は同じ項目を選んでもよいものとする。
また,項目Bの①工種名又は作業名等はあなたの受検種別に係るものとし,同じものでもよいが,②状況と理由及び③行った対策はそれぞれ異なる内容を記述するものとし,品質管理,安全管理,コスト管理のみについて記述したものは不可とする。
項目A a.材料(本工事材料,仮設材料) b.工事用機械・器具・設備 c.作業員(交通誘導警備員は除く)
項目B ① 工種名又は作業名等 ② 遅延させるかも知れないと考えた当時の状況とそれが遅延につながる理由 ③ ②による遅延を防ぐために実際に行った対策
2. 工事概要であげた工事に係わらず,あなたの今日までの建築工事の経験を踏まえて,計画どおりに工事を進める上で,関係者に作業工程を周知や共有するための有効な方法や手段と,周知や共有が不十分な場合に起こる工程への影響について,具体的な事例を2つ記述しなさい。
ただし,2つの事例の有効な方法や手段はそれぞれ異なる内容を記述するものとし,1.の③の行った対策と同じ内容の記述は不可とする。
解答欄
正解
○○市△△町事務所ビル新築工事
15 字○○マンション新築工事(○○市△△町)
○○県△△合同庁舎外壁改修工事
○○県○○市△△町○丁目
12 字○○県△△市□□町○番地
○○県○○市△△区□□○丁目
事務所,鉄筋コンクリート造,地上4階,延べ面積1,860m²,外壁:二丁掛タイル張り,事務室:床タイルカーペット,壁せっこうボード下地ビニルクロス張り,天井岩綿吸音板張り
85 字共同住宅,鉄筋コンクリート造,地上5階,延べ面積2,450m²,外壁:二丁掛タイル改良圧着張り,住戸:床フローリング張り,壁・天井せっこうボード下地ビニルクロス張り
庁舎,鉄筋コンクリート造地上3階・延べ面積2,300m²,外壁タイル部分張替え120m²,シーリング打替え1,800m,外部アルミニウム製建具取替え64か所
令和3年5月~令和4年6月
13 字令和4年4月~令和5年3月
2021年9月~2022年2月(従事した期間)
工事主任
4 字現場代理人
主任技術者
工事係(施工管理担当)
躯体・仕上工事の工程管理,品質管理及び施工図の作成
25 字建築工事全般の施工管理(工程・品質・安全)
外壁改修工事の工程管理と専門工事業者との調整
a.材料
4 字鉄筋工事
4 字外壁タイル工事
建具工事(サッシ取替え)
基準階の柱・梁の鉄筋の加工が加工場の繁忙期と重なり,搬入が遅れるおそれがあった。組立てが遅れると型枠・コンクリートの打込みも順に遅れ,躯体工程が遅延するため。
79 字外壁の役物タイルが特注品で製作に約2か月かかり,張付け開始に間に合わないおそれがあった。張付けが遅れると足場解体・外構工事が遅れるため。
取替え用のアルミサッシは実測後の製作で約6週かかり,撤去後に開口を長く仮ふさぎすることになった。取付けが遅れると内装仕上げに着手できないため。
施工図の承認を早めて2~4階分の加工図を一括で加工場に渡し,搬入日を週ごとに確認した。敷地内に2フロア分の鉄筋の仮置き場を確保し,常に1フロア分を先行して搬入した。
82 字着工直後にタイル割付図を作成して承認を得,役物の発注を2か月前倒しした。製作工程表で毎週進捗を確認し,平物を先に張れる面から張付けを始めた。
着工前に全開口を実測して製作図の承認を前倒しし,製作を早めた。搬入を階ごとに分け,撤去した日のうちに新規サッシを取り付ける手順とした。
b.工事用機械・器具・設備
13 字型枠工事(資材の揚重)
11 字コンクリート工事(打込み)
シーリング打替え工事
3階以上の型枠材と鉄筋の荷揚げを移動式クレーン1台で行う計画で,同じ日に揚重が集中した。待ち時間で型枠の組立てが遅れ,コンクリートの打込み日がずれるため。
77 字3階床のコンクリート打込み量が約180m³あり,ポンプ車1台では1日で打ち終わらないおそれがあった。打込みが翌日に延びると次の階の工程が遅れるため。
既存シーリングの撤去に使う電動カッター等の機器が2組しかなく,打替え1,800mを予定の日数で終えられないおそれがあった。打替えが遅れると足場の解体が遅れるため。
週間の揚重計画表を作り,型枠材は前日の夕方,鉄筋は当日の午前と時間帯を分けて荷揚げした。荷受け構台を2か所に設けて,各階への取込みを早めた。
70 字ポンプ車を2台配置して打込み区画を東西に分け,同時に打ち込んだ。生コン工場と出荷計画を前日に確認し,運搬車の待ちがないよう間隔を調整した。
機器を4組に増やして撤去班と充填班の2班に分け,面ごとに流れ作業で進めた。毎日の施工長さを工程表に記入し,遅れがないかを確認した。
c.作業員
5 字内装工事(せっこうボード張り)
15 字外壁タイル工事
外部建具取替え工事
内装工事の時期が近隣の大型現場と重なり,ボード張りの作業員が計画の8人に対し5人しか確保できなかった。仕上げ・建具・器具付けが順に遅れるため。
71 字外壁タイル張りの時期に専門工事業者の手持ち工事が重なり,タイル工が計画の半数しか確保できなかった。張付けが遅れると足場解体が遅れるため。
庁舎を使いながらの工事で取替えは閉庁日に限られ,64か所に対してサッシ工が計画どおり集まらないおそれがあった。取替えが遅れると内部の復旧と足場解体が遅れるため。
2か月前に専門工事業者と人数・期間を取り決め,階ごとに作業区画を分けて2班で並行作業できる段取りとした。材料は前日までに各階へ荷揚げし,手待ちをなくした。
77 字割付図の承認と役物の搬入を前倒しして,他現場の繁忙が終わる前に張付けを始めた。張付け面の順序を決め,足場の盛替えを待たずに作業できるようにした。
サッシ工事業者と閉庁日ごとに2班6人の配置を取り決め,階ごとに1日の取替え箇所数と順序を定めた。撤去と取付けの班を分けて手待ちをなくした。
毎日の昼の工程打合せで,翌日と1週間の作業・搬入・揚重の予定を書いた工程表を職長に配り,作業員詰所に掲示した。
55 字躯体完了・足場解体などの節目を色分けした大判の全体工程表を詰所に掲示し,朝礼で毎日進捗を示した。
近隣住民と発注者に,翌月の作業内容・搬入車両・作業時間の予定表を配布して説明した。
職種間で作業場所や揚重の予定が重なって手待ちが生じ,後工程の着手が遅れて全体の工程が遅延する。
47 字各職種が全体の節目を意識せず作業を進め,足場解体の日に外壁の手直しが残って解体が延びる。
予定外の時間に搬入車両が来て近隣から苦情が出て,作業の中止や搬入時間の変更で工程が遅れる。
月間工程表を設備業者も含めた定例会議で説明し,変更があればクラウドの工程表を更新して全員に通知した。
50 字発注者・設計者との定例会議で,色決めや仕様の決定期限を書いた工程表を示し,決定の時期を共有した。
各階の出入口に,その階の今週の作業内容と担当業者を書いた工程表を掲示した。
設備のスリーブや配管の先行作業が間に合わず,コンクリートの打込みが延期になったり,はつりの手直しで工程が遅れる。
56 字仕上げの色や仕様の決定が遅れて材料の発注が遅れ,内装工事の着手が遅れる。
同じ階に複数の職種が同時に入って作業場所が取れず,作業を待つ時間が生じて工程が遅れる。
記述例は当サイトが作成した架空の工事の例です。ご自身の工事にあてはめて書いてください。管理項目別の例文と書き方のポイント →
解き方
- 問題1は受検者自身が経験した工事を書く問題である。ここに示す記述例は当サイトが作成した架空の工事で,工事名・場所は伏せ字にしている。
- テーマは「工程の管理」で,1.は項目A(材料・工事用機械・器具・設備・作業員)の手配や配置,施工の計画の段階で「工事を遅延させないため」に行ったことを問う。②は遅延のおそれがあった当時の状況と,それが遅延につながる理由(後続作業や全体工程への影響)をセットで書き,③はその状況に対して実際に行った対策を数量・時期・方法まで具体的に書く。
- 3つの事例は同じ項目Aを選んでもよいが,②③はそれぞれ異なる内容にする。品質管理・安全管理・コスト管理だけの記述は不可とされているので,工程の遅延防止に結び付けて書く。
- 2.は工事概要の工事に限らず,作業工程を関係者(専門工事業者・作業員・設備業者・発注者・近隣など)に周知・共有する方法や手段と,それが不十分なときに起こる工程への影響(手待ち・手戻り・作業の中止など)を2つ書く。2つの方法は異なる内容とし,1.の③と同じ内容は書かない。
- 工事概要の工期は年号又は西暦で年月まで書き,設問の内容(工種・時期・数量)と矛盾しないようにする。
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令和5年度の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した2級建築施工管理技士 第二次検定 令和5年度(2023年11月12日(日)実施) 問題1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する