経験記述(工程の管理)
これは2級建築施工管理技士 第二次検定 令和2年度(2020年11月8日(日)実施) 問題1の問題です。論点は「施工経験記述」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘が読めます。
あなたが経験した建築工事のうち,あなたの受検種別に係る工事の中から,工程の管理を行った工事を1つ選び,工事概要を具体的に記述したうえで,次の1.から2.の問いに答えなさい。
なお,建築工事とは,建築基準法に定める建築物に係る工事とし,建築設備工事を除くものとする。
〔工事概要〕
イ.工事名
ロ.工事場所
ハ.工事の内容(新築等の場合:建物用途,構造,階数,延べ面積又は施工数量,主な外部仕上げ,主要室の内部仕上げ/改修等の場合:建物用途,建物規模,主な改修内容及び施工数量)
ニ.工期(年号又は西暦で年月まで記入)
ホ.あなたの立場
ヘ.業務内容
1. 工事概要であげた工事であなたが担当した工種において,事例を3つ答えなさい。
その事例ごとに項目Aのa.からc.の中から項目を選び,それらを手配や配置,施工をする際,あなたが工事を遅延させないためにどのようなことに努めたのか,項目Bの①から③について具体的に記述しなさい。
なお,選んだ項目Aは○で囲み,3つの事例は同じ項目を選んでもよいものとする。
また,項目Bの①工種名は同じでもよいが,②着目したこととその理由と③行った対策は異なる内容の記述とし,品質管理のみ,安全管理のみ,コストのみについて記述したものは不可とする。
項目A a.材料(本工事材料,仮設材料) b.工事用機械・器具・設備 c.作業員(交通誘導警備員は除く)
項目B ①工種名 ②工事を遅延させるかも知れないと着目したこととその理由 ③②の遅延を防ぐために実際に行った対策
2. 工事概要であげた工事及び受検種別にかかわらず,あなたの今日までの建築工事の経験に照らし,工程を短縮するために有効な方法や手段を2つ具体的に記述しなさい。また,それらがもたらす工程の短縮以外の工事への良い影響を,それぞれ具体的に記述しなさい。
ただし,有効な方法や手段が同一のもの及び1.の③行った対策と同一のものは不可とする。
解答欄
正解
○○市△△地区事務所ビル新築工事
16 字(株)○○物流センター倉庫棟新築工事
○○県立△△高等学校校舎内部改修工事
○○県△△市□□町1丁目2番3号
16 字○○県○○郡△△町大字□□地内
○○府△△市□□区○○町4丁目
事務所,鉄筋コンクリート造,地上4階,延べ面積2,850m²,外壁:45二丁掛タイル張り・一部吹付けタイル,事務室:床タイルカーペット・壁せっこうボード張りの上ビニルクロス・天井ロックウール化粧吸音板張り
102 字倉庫,鉄骨造,地上2階,延べ面積4,200m²,外壁:押出成形セメント板張りの上塗装・屋根:金属折板葺,倉庫:床コンクリート金ごて押え・壁天井現し
高等学校校舎,鉄筋コンクリート造3階建,延べ面積3,600m²,主な改修内容:教室18室の内装改修(床ビニル床シート張替え1,350m²,壁せっこうボード張り・塗装2,100m²,天井ロックウール化粧吸音板張替え1,350m²)
令和元年6月~令和2年3月
13 字平成30年9月~令和元年7月
令和元年7月~令和元年12月
工事主任
4 字現場代理人
主任技術者
躯体工事・仕上工事の施工管理全般(工程・品質・安全管理)
28 字鉄骨工事・外装工事(外壁・屋根)の施工管理(工程管理・品質管理)
内装改修工事の施工管理全般
a.材料(本工事材料)
11 字a.材料(本工事材料)
a.材料(本工事材料)
鉄筋工事
4 字外壁工事(押出成形セメント板張り)
内装工事(ビニル床シート張替え)
柱・梁の鉄筋は加工場で加工して搬入するため,加工図の承認や搬入が遅れると配筋が止まり,各階のコンクリート打込み日が後ろにずれて全体工程が遅れると考えたため。
78 字パネルは割付図の承認後に製作するため製作期間が約1か月かかり,承認が遅れるとパネル取付けとその後のサッシ・シール工事が遅れると考えたため。
床シートは指定の色柄が受注生産で納期が約1か月かかり,発注が遅れると夏休み中に予定した教室の張替えが終わらず,授業の再開に間に合わないと考えたため。
加工図を各階の打込みの1か月前までに承認し,階ごとの搬入計画表を作成した。搬入の2日前に加工場と数量・時刻を確認し,配筋順に仮置きできる場所を確保した。
76 字鉄骨建方前に割付図を作成して設計者の承認を早期に得て,製作工場と製作・搬入の日程を週単位で確認し,取付け順に合わせて搬入させた。
着工直後に色柄の見本を監督職員に提出して承認を得て,工区ごとの必要数量を算出して一括発注し,搬入日を工区の施工順に合わせて指定した。
b.工事用機械・器具・設備
13 字b.工事用機械・器具・設備
b.工事用機械・器具・設備
型枠工事
4 字鉄骨工事
内装工事(天井ロックウール化粧吸音板張替え)
揚重機1台を鉄筋・設備業者と共用するため,荷揚げ時間が重なると型枠材の荷揚げ待ちが生じ,型枠組立が遅れて打込み日を守れなくなると考えたため。
70 字建方に使う50t吊りラフテレーンクレーンは繁忙期で手配が難しく,予定日に確保できないと建方が遅れ,デッキプレート敷設以降の工程が遅れると考えたため。
天井の撤去と張替えには移動式足場が必要で,台数が不足すると教室ごとに作業待ちが生じ,工区の引渡し日が遅れると考えたため。
週1回の工程会議で揚重機の時間割を業者ごとに決め,型枠材は前日の夕方に荷揚げして各階の作業場所の近くに配置し,翌朝すぐに組立てを始められるようにした。
75 字建方の2か月前にクレーンを予約し,建方順序と1日の取付けピース数を計画して日数を確定させ,強風で中止した場合の予備日を工程に組み込んだ。
教室の天井高と工区ごとの施工面積から必要台数を算定して移動式足場を6台確保し,撤去材の運搬台車も同時に手配して,教室の順に移動させて使った。
c.作業員(交通誘導警備員は除く)
17 字c.作業員(交通誘導警備員は除く)
c.作業員(交通誘導警備員は除く)
内装工事(軽量鉄骨下地・せっこうボード張り)
22 字屋根工事(金属折板葺)
塗装工事(壁塗装)
3階と4階の内装工事が同時期に重なる工程で,ボード工の人数が不足すると壁・天井の仕上げが遅れ,後続の塗装・床仕上げも遅れると考えたため。
68 字折板葺きは鉄骨建方の完了後すぐに始める計画で,屋根工が他の現場と重なって不足すると雨仕舞が遅れ,1階の床コンクリートの打込みが遅れると考えたため。
壁のボード張り後の塗装は乾燥期間が必要で,塗装工が他の現場と重なって人数が不足すると床シート張りに移れず,工区の引渡しが遅れると考えたため。
2か月前に専門工事業者と階ごとの必要人数を算定し,5人1班を2班確保した。各班の担当階を決め,作業の終わった部屋から順に後続工種へ引き渡した。
71 字建方完了日を1か月前に屋根業者へ確定して伝え,6人1班を2班確保して,建方の終わった通りから順に葺き進めさせ,毎日の出面を朝礼で確認した。
工区ごとの塗装面積から必要人数を算定して夏休み期間は4人1班を2班確保し,前日に翌日の作業教室と人数を確定させて,乾燥待ちの間は別の教室へ移らせた。
柱・梁の鉄筋を地上や加工場で先組みし,揚重機で吊り込んで所定の位置に据え付ける鉄筋先組み工法を採用する。
52 字床の型枠にフラットデッキ(鋼製の床型枠)を採用し,支保工を減らして床型枠の組立てと解体の手間を省く。
外壁にプレキャストコンクリート板やALCパネルなどの工場製品を用い,現場での型枠・左官作業を減らす。
建物を2つの工区に分け,躯体工事と仕上工事を工区ごとにずらして並行して進める。
高所での配筋作業が減るので墜落などの災害の危険が少なくなり,地上の作業で精度が上がり配筋の品質が安定する。
53 字支保工が少ないので下階の作業空間が広くなって作業性と安全性が上がり,型枠の木材廃材も減る。
工場で製作するので寸法の精度や仕上がりの品質が安定し,現場で発生する廃棄物や騒音も減る。
作業の山が平準化されて作業員の手配が安定し,同じ工区での作業の輻輳が減って安全性が上がる。
内装の軽量鉄骨下地とボード張りを,設備の配管・配線の工程と合わせて階ごとにタクト工程で計画し,作業班が毎日同じ順で回るようにする。
65 字天井や設備をユニット化して工場で組み立て,現場では取り付けるだけにする。
コンクリートの打込み後の型枠存置期間を短くできるよう,早強ポルトランドセメントを用いる(設計者の承諾を得る)。
外部足場を使わずに施工できる外壁の工法(ユニット化したカーテンウォールなど)を採用し,足場の組立て・解体期間を省く。
作業が繰り返されて作業員が手順に慣れるので作業の品質がそろい,作業の重なりが減って現場の整理整頓と安全が保ちやすくなる。
60 字工場での組立てで品質が安定し,現場での切断・加工が減るので廃材や粉じんが少なくなる。
型枠の転用回数が増えて型枠材の使用量が減り,冬期でも初期の強度が確保しやすくなる。
足場の組立て・解体に伴う墜落や資材落下の危険がなくなり,仮設費も減る。
記述例は当サイトが作成した架空の工事の例です。ご自身の工事にあてはめて書いてください。管理項目別の例文と書き方のポイント →
解き方
- 工事概要は,新築等なら建物用途・構造・階数・延べ面積・主な外部仕上げ・主要室の内部仕上げを漏れなく書き,工期は年月まで書く。受検種別(建築・躯体・仕上げ)に係る工事であることが工事概要と業務内容から分かるようにする。
- 1.は,項目A(材料・工事用機械器具設備・作業員)の手配・配置・施工のうち,工程を遅らせるおそれのある要因(②)と,それを防いだ具体的な対策(③)を対にして書く。②には「なぜ遅れるか」の理由を必ず入れ,③には時期・数量・人数などを数値で書く。
- 品質管理のみ・安全管理のみ・コストのみの記述は不可。3つの事例の②③はそれぞれ異なる内容にする(①の工種名は同じでもよい)。
- 2.は工事概要の工事にかかわらず,工程短縮に有効な方法・手段(先組み・プレハブ化・工場製品の採用・工区分割・タクト工程など)を2つ挙げ,それぞれ工程短縮以外の良い影響(品質の安定・安全性の向上・廃棄物の削減など)を対応させて書く。1.の③と同じ内容は不可。
- 記述例の工事は当サイトが作成した架空のもの。実際の解答は自分が経験した工事について書く。
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令和2年度の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した2級建築施工管理技士 第二次検定 令和2年度(2020年11月8日(日)実施) 問題1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する