平成30年度 問題2論点:用語の説明重要度 A未着手

建築工事に関する用語の説明と施工上留意すべき内容(14語から5つ)

これは2級建築施工管理技士 第二次検定 平成30年度(2018年11月11日(日)実施) 問題2の問題です。論点は「用語の説明」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 3 手順・引っかけの指摘が読めます。

次の建築工事に関する用語のうちから5つ選び,その用語の説明と施工上留意すべき内容を具体的に記述しなさい。

ただし,仮設工事以外の用語については,作業上の安全に関する記述は不可とする。また,使用資機材に不良品はないものとする。

あばら筋/親綱/型枠のフォームタイ/金属製折板葺きのタイトフレーム/コンクリートポンプ工法の先送りモルタル/タイル張りのヴィブラート工法/テーパーエッジせっこうボードの継目処理/鉄骨の地組/吹付け塗装のエアレススプレー塗り/べた基礎/ボンドブレーカー/木造在来軸組構法のアンカーボルト/床コンクリートの直均し仕上げ/ローリングタワー

(当サイトでは一覧のすべての用語に記述例を載せています。自己採点は本試験と同じく,選んだ5つの用語で行ってください。)

解答欄

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本試験は解答用紙の枠に手書きです。書き終えたら「採点する」で模範解答と要点を表示し、書けていた要点にチェックを入れて記録します。

字数は本試験の解答欄に入るおおよその量です。「〜する」「〜を行う」の形で、具体的な数値や方法まで書くと要点が入りやすくなります。

正解

あばら筋 模範解答

梁の主筋を囲むように一定の間隔で配置する鉄筋をいい,梁のせん断補強と主筋の位置の保持の役割をもつ。施工にあたっては,末端を135°に折り曲げて余長を6d以上とし,フックの位置は交互にずらして,所定の間隔とかぶり厚さを確保して主筋に結束する。

120 字
別解

スターラップともいい,主筋の外側を囲むように配置する梁のせん断補強筋をいう。施工にあたっては,梁貫通孔の周囲に開口補強筋を設けてあばら筋の間隔が乱れないようにし,梁幅に応じた加工寸法を確認してかぶり厚さを確保する。

梁の主筋を取り巻いて配置し,せん断ひび割れの拡大を抑える鉄筋をいう。施工にあたっては,腹筋のある梁では幅止め筋を設けてあばら筋の形状が崩れないように組み立て,柱際など間隔の密な部分も設計どおりの間隔で配置する。

親綱 模範解答

高所作業で墜落制止用器具のフックを掛けるために,支柱や構造物の間に水平又は垂直に張るロープをいう。施工にあたっては,緊張器で十分に張り,水平親綱は一般に支柱の間隔を10m以下として1スパンに掛ける作業者を1人とし,フックを掛ける位置は作業者の腰より高くする。

129 字
別解

鉄骨の梁上などに張り渡し,墜落制止用器具を掛けて移動しながら作業するための綱をいう。施工にあたっては,鉄骨の角部に接する箇所にあて物をして綱の損傷を防ぎ,使用前に綱の損傷や緊結部の緩みを点検する。

墜落制止用器具の取付け設備として張る綱をいい,水平親綱と垂直親綱がある。施工にあたっては,垂直親綱は1本に1人とし,墜落したときに下の床や障害物に衝突しない落下距離を確保できる高さに取り付ける。

型枠のフォームタイ 模範解答

セパレーターと組み合わせ,端太材を介して両側のせき板を締め付ける型枠の締付け金物をいう。施工にあたっては,コンクリートの側圧に耐える径と間隔で配置し,せき板面に直角に取り付け,締め過ぎてせき板が変形しないように適正に締め付ける。

114 字
別解

セパレーターの端部にねじ込み,コンクリートの側圧を受ける型枠を締め付けるボルト状の金物をいう。施工にあたっては,打込み前に締付けの緩みを点検し,打込み中も側圧による型枠のはらみや目違いがないかを確認する。

端太材を座金で押さえ,せき板を所定の位置に固定する型枠の締付けボルトをいう。施工にあたっては,締付け金物を端太材の位置に合わせて通りよくそろえ,開口部や端部の回りは間隔を密にして型枠のはらみを防ぐ。

金属製折板葺きのタイトフレーム 模範解答

金属製折板を屋根の梁などの下地に固定するため,折板の山形に合わせて成形した受け金物をいう。施工にあたっては,下地材に隅肉溶接で接合し,溶接後はスラグを除去して錆止め塗料を塗り,重ね形の折板は各山ごとにタイトフレームに固定する。

113 字
別解

折板葺き屋根で折板と下地鋼材の間に設け,折板をボルトで留め付けるための山形の金物をいう。施工にあたっては,折板の割付けに合わせて墨出しを行い,タイトフレームが流れ方向に通りよく正確に並ぶことを確認してから溶接する。

屋根の梁や母屋に溶接して取り付け,折板を固定する山形の部材をいう。施工にあたっては,溶接は一般にタイトフレームの板厚以上の脚長の隅肉溶接とし,溶接部はスラグを除去して錆止め塗装を確実に行う。

コンクリートポンプ工法の先送りモルタル 模範解答

コンクリートの圧送に先立ち,輸送管の内面を潤して閉塞やコンクリートの品質変化を防ぐために圧送する富調合のモルタルをいう。施工にあたっては,圧送後の先送りモルタルは品質が変化しているので型枠内に打ち込まずに廃棄し,必要に応じて事前に水で管内を潤す。

123 字
別解

ポンプ圧送の始めに輸送管へ送り込み,管の内面にモルタルの膜をつくって圧送を円滑にするためのモルタルをいう。施工にあたっては,使用量を輸送管の径と長さに応じて定め,圧送したモルタルはホッパー等で受けて場外へ搬出し処分する。

コンクリートに先行して圧送し,管内でのコンクリートの品質変化を抑える富調合のモルタルをいう。施工にあたっては,筒先から出た先送りモルタルは型枠に入れず,品質の安定したコンクリートが出てから打込みを始める。

タイル張りのヴィブラート工法 模範解答

下地に塗った張付けモルタルにタイルを押し当て,タイル張り用振動機(ヴィブラート)で振動を与えて埋め込むように張る工法をいい,密着張りともいう。施工にあたっては,張付けモルタルは2層に塗り,1回の塗付け面積は2m²/人以内とし,タイル周辺からモルタルがはみ出すまで振動を与える。

138 字
別解

振動工具でタイルに振動を与え,張付けモルタルをタイル裏面に密着させて張る工法(密着張り)をいう。施工にあたっては,一般に上部から下部へ,1段おきに水糸に合わせて張った後にその間を埋めるように張り,目地詰めは24時間以上経過してから行う。

張付けモルタルが軟らかいうちに,ヴィブラートの振動でタイルをモルタルに埋め込んで張り付ける工法をいう。施工にあたっては,窓や出入口回り・隅・角等の役物を先に張り,振動を与え過ぎてタイルがずれたり目違いが生じたりしないようにする。

テーパーエッジせっこうボードの継目処理 模範解答

長辺の端部を薄く傾斜させたせっこうボードの継目を,ジョイントテープとジョイントコンパウンドで埋めて平滑な面にする処理をいう。施工にあたっては,各層の乾燥を確認してから中塗り・上塗りを行い,上塗りは幅200~250mm程度に薄く塗り広げ,乾燥後に研磨紙ずりで平滑にする。

134 字
別解

テーパー部の継目にジョイントテープを張り,ジョイントコンパウンドで平らに仕上げる継目処理をいう。施工にあたっては,中塗りはテープが完全に隠れるように幅150mm程度に薄く塗り広げ,ボードを留めたビスの頭もパテで平らに処理する。

ボードの継目を目透しにせず,テープとジョイントコンパウンドで一体の平らな下地面をつくる処理をいう。施工にあたっては,塗装や壁紙を施工する前に継目処理部の乾燥と平滑さを確認し,凹凸があれば研磨やコンパウンドで補修する。

鉄骨の地組 模範解答

鉄骨の建方に先立ち,部材を地上で柱・梁やトラスなどのブロックに組み立てることをいい,高所作業を減らし建方の能率と精度を高める。施工にあたっては,架台を水平で堅固な地盤に設け,組立て後に寸法・ねじれ・曲がりを確認し,吊上げ時に変形しないよう吊り位置や補強を検討する。

132 字
別解

トラスや大梁など大きな部材を,現場の地上で継手を接合して一体にしてから吊り上げる作業をいう。施工にあたっては,地組の段階で高力ボルトの本締めや溶接を行う範囲を決め,接合部の精度を確認して建方後の建入れ直しが少なくなるようにする。

建方の前に地上で部材を組み立てておき,大きなブロックとして揚重する方法をいう。施工にあたっては,揚重機の能力に合わせてブロックの質量と大きさを決め,地組用の作業スペースと部材の仮置き場所を計画しておく。

吹付け塗装のエアレススプレー塗り 模範解答

塗料自体に高い圧力を加えてノズルから噴出させ,霧化して吹き付ける塗装方法をいい,圧縮空気を使わないため飛散が少なく厚膜に塗装できる。施工にあたっては,ガンを塗装面に直角に保って一定の距離と速度で平行に動かし,吹付けのパターンを1/3程度重ねて塗りむらを防ぐ。

129 字
別解

高圧ポンプで加圧した塗料を小さな孔のノズルから噴霧する塗装方法をいい,広い面積を能率よく塗装できる。施工にあたっては,塗料の粘度・吐出圧力・ノズルの口径を塗料に合わせて調整し,試し吹きでパターンと膜厚を確認してから塗装する。

圧縮空気を用いずに塗料を加圧して噴霧する吹付け塗装をいい,高粘度の塗料も厚膜に塗れる。施工にあたっては,養生シートで周辺を覆って塗料の飛散を防ぎ,強風時は塗装を中止し,1回の塗膜を厚くし過ぎてだれが生じないようにする。

べた基礎 模範解答

建物の底面全体を鉄筋コンクリートの床版とし,建物の荷重を広い面積で地盤に伝える基礎をいい,不同沈下を抑えやすい。施工にあたっては,床付け面を乱さずに平らにし,防湿フィルムと捨てコンクリートを施工したうえで,スペーサーで底盤の鉄筋のかぶり厚さを60mm以上確保する。

132 字
別解

基礎の底盤を建物の平面全体に設けた基礎をいい,地耐力が小さい地盤にも用いられる。施工にあたっては,底盤と立上り部の打継ぎ面のレイタンスを除去して清掃し,水湿しを行ってから立上り部のコンクリートを打ち込む。

耐圧盤で建物全体を支える形式の基礎をいう。施工にあたっては,設備配管の貫通部はコンクリートの打込み前にスリーブを所定の位置に固定し,打込み後は散水やシート掛けにより5日以上湿潤養生を行う。

ボンドブレーカー 模範解答

シーリング材を目地底に接着させずに2面接着とするため,目地底に張り付ける紙やプラスチックフィルム等の粘着テープをいう。施工にあたっては,目地深さが所定の寸法でバックアップ材を使えない目地に用い,シーリング材と接着しない材質のものを目地底の全面に浮きなく張る。

129 字
別解

ワーキングジョイントで3面接着を防ぎ,シーリング材が目地の動きに追従できるようにする粘着テープをいう。施工にあたっては,用いるシーリング材と接着しない材質のものを選び,目地幅に合った幅のテープを用いる。

シーリング材と目地底の縁を切るために張る絶縁用の粘着テープをいう。施工にあたっては,目地底の清掃と乾燥を確認してから張り,プライマーを塗るときにテープへ付着させたりテープをはがしたりしないように注意する。

木造在来軸組構法のアンカーボルト 模範解答

木造の土台を基礎に緊結するため,基礎コンクリートに埋め込むボルトをいう。施工にあたっては,形鋼等で正確に保持してからコンクリートを打ち込み,耐力壁両端の柱の近くや土台の継手付近に配置し,土台との緊結はナットを十分に締めてねじ山が2~3山出るようにする。

126 字
別解

基礎と土台を一体にして,地震や風による土台の浮上がりやずれを防ぐ埋込みボルトをいう。施工にあたっては,打込み後に差し込む田植え式とせずに打込み前に所定の位置に固定し,一般に間隔は2.7m以下,埋込み長さはM12で250mm以上とする。

在来軸組構法で土台を基礎に留め付けるための埋込みボルトをいう。施工にあたっては,土台の継手では上木の端部付近に設けて必要な本数を確保し,打込み後はボルトの頭部に衝撃を与えたりねじ山を損傷したりしないようにする。

床コンクリートの直均し仕上げ 模範解答

床コンクリートを打ち込んだ後,モルタル塗りをせずにコンクリートの表面を直接こてで均して仕上げる工法をいう。施工にあたっては,凝結の程度を見計らって木ごてで中むらを取り,金ごて押えでペーストを浮き出させ,締り具合を見て強く押さえて平滑にし,仕上げ後はシート等で表面を保護する。

137 字
別解

床コンクリートの打込み後にそのまま表面を金ごてで仕上げ,床仕上げや張物の下地とする工法をいう。施工にあたっては,壁の幅木の張付け方向の平たんさを3mにつき3mm以内とし,こてむらの著しい箇所は硬化後にグラインダーで平滑にする。

コンクリートの打込みに続けて表面を仕上げ,モルタル塗りの工程を省ける床の仕上げ工法をいう。施工にあたっては,仕上げの基準となるレベルを細かく設けて均し,ブリーディング水を取り除いてからこて押えを行い,仕上げ後は散水やシートで湿潤養生する。

ローリングタワー 模範解答

枠組足場の部材などで組み立て,脚部に車輪(脚輪)を付けて移動できるようにした移動式足場をいう。施工にあたっては,作業中は脚輪のブレーキで確実に固定し,作業床の周囲に高さ85cm以上の手すりと中さん・幅木を設け,作業者を乗せたまま移動しない。

120 字
別解

脚輪付きの移動式足場をいい,内装や設備の高所作業に用いる。施工にあたっては,移動は床面の段差や開口を確認したうえで作業床に人や資材を載せずに行い,最大積載荷重を表示して超えないようにする。

作業床と昇降設備を備えた移動式の足場をいう。施工にあたっては,昇降は備え付けのはしごを用い,作業床からの身の乗出しや作業床上での脚立の使用を禁止し,必要に応じてアウトリガーを設けて転倒を防ぐ。

要点(書けていたものにチェック)あばら筋親綱型枠のフォームタイ金属製折板葺きのタイトフレームコンクリートポンプ工法の先送りモルタルタイル張りのヴィブラート工法テーパーエッジせっこうボードの継目処理鉄骨の地組吹付け塗装のエアレススプレー塗りべた基礎ボンドブレーカー木造在来軸組構法のアンカーボルト床コンクリートの直均し仕上げローリングタワー
要点の 6 割以上で「正解」扱いにします。

模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。

解き方

  1. 各用語について「用語の説明」(何のための何か)と「施工上留意すべき内容」(品質を確保するための具体的な方法・数値)を組にして書く。記述例は,1文目で用語を説明し,2文目で施工上の留意事項を述べる形にした。
  2. 根拠の例(標仕 令和7年版):あばら筋の末端は135°フック・余長6d以上(5.3.2)。先送りモルタルは型枠内に打ち込まない(6.6.1(3)(ウ))。テーパーエッジボードの継目処理は下塗り・中塗り(幅150mm程度)・上塗り(幅200~250mm程度)・研磨紙ずり(19.7.3)。ボンドブレーカーは紙・布・プラスチックフィルム等の粘着テープでシーリング材と接着しないもの(9.7.2),目地深さが所定の寸法の場合は目地底にボンドブレーカーを用いて2面接着とする(9.7.4)。床コンクリート直均し仕上げの工法と平たんさ(15.4.2・15.4.3)。タイトフレームは隅肉溶接・スラグ除去・錆止め塗料,重ね形の折板は各山ごとに固定(13.3.3)。密着張りは2層塗り・塗付け面積2m²/人以内・モルタルがはみ出すまで加振(11.2.6(3))。土に接する基礎の最小かぶり厚さ60mm(5.3.5 表5.3.6)。
  3. 木造のアンカーボルトは公共建築木造工事標準仕様書 令和7年版 5.5.3(保持・埋込み,ナットはねじ山が2~3山出るまで締める)。間隔2.7m以下・M12で埋込み250mm以上は一般的な住宅の仕様。親綱の支柱間隔10m以下・1スパン1人,エアレススプレーのパターンの重ね,鉄骨の地組の要領は一般的な施工の考え方。ローリングタワーの手すり85cm以上は労働安全衛生規則第563条(作業床の墜落防止設備)による。
引っかけ:仮設工事以外の用語(あばら筋・ボンドブレーカーなど)で作業上の安全(墜落・転倒の防止など)を書くと不可。安全を書いてよいのは仮設工事の用語(親綱・ローリングタワー)だけ。説明だけ・留意だけでは得点にならない。

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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した2級建築施工管理技士 第二次検定 平成30年度(2018年11月11日(日)実施) 問題2。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する