令和4年度 問題2論点:安全管理重要度 B未着手

災害の防止(墜落・崩壊倒壊・移動式クレーン)

これは1級建築施工管理技士 第二次検定 令和4年度(2022年10月16日(日)実施) 問題2の問題です。論点は「安全管理」(重要度B・解答の形は記述)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。

建築工事における次の1.から3.の災害について,施工計画に当たり事前に検討した事項として,災害の発生するおそれのある状況又は作業内容と災害を防止するための対策を,それぞれ2つ具体的に記述しなさい。

ただし,解答はそれぞれ異なる内容の記述とする。また,保護帽や要求性能墜落制止用器具の使用,朝礼時の注意喚起,点検や整備などの日常管理,安全衛生管理組織,新規入場者教育,資格や免許に関する記述は除くものとする。

1. 墜落,転落による災害

2. 崩壊,倒壊による災害

3. 移動式クレーンによる災害

解答欄

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本試験は解答用紙の枠に手書きです。書き終えたら「採点する」で模範解答と要点を表示し、書けていた要点にチェックを入れて記録します。

字数は本試験の解答欄に入るおおよその量です。「〜する」「〜を行う」の形で、具体的な数値や方法まで書くと要点が入りやすくなります。

正解

1. 墜落,転落による災害(1つ目) 模範解答

状況又は作業内容:外部枠組足場の作業床上で外壁のタイル張りを行う際に,作業床の端から墜落するおそれがある。対策:作業床は幅40cm以上,床材間の隙間3cm以下とし,交さ筋かいに加えて高さ15cm以上の幅木を設ける。

107 字
別解

状況又は作業内容:内装工事で天井ボードを張る際に,脚立の天板上で作業して転落するおそれがある。対策:脚立に代えて,手すり付きの可搬式作業台や作業床を備えた移動式足場を使用する計画とする。

状況又は作業内容:スレート葺きの既存屋根の上で作業する際に,屋根材を踏み抜いて墜落するおそれがある。対策:屋根の上に幅30cm以上の歩み板を設け,その下に墜落による危険を防止するための防網を張る。

1. 墜落,転落による災害(2つ目) 模範解答

状況又は作業内容:躯体工事中,床スラブのエレベーターシャフトや設備用の開口部の周囲で作業する際に,開口部から墜落するおそれがある。対策:開口部の周囲に高さ85cm以上の手すりと中さんを設けるか,堅固な覆いを掛けて固定し,開口部であることを表示する。

124 字
別解

状況又は作業内容:鉄骨建方後に高所で梁の接合部のボルト締めを行う際に,梁上から墜落するおそれがある。対策:建方の前に地上で梁に吊り足場の吊り元や安全ネットを取り付けておき,建方後すぐに作業床を設ける。

状況又は作業内容:外部足場の昇降時に,階段や昇降口から転落するおそれがある。対策:足場には手すり付きの階段を設け,昇降口は作業床と段差のないように設置して,昇降口以外の手すりを取り外さない計画とする。

2. 崩壊,倒壊による災害(1つ目) 模範解答

状況又は作業内容:深さ5mの根切りを親杭横矢板の山留めで行う際に,背面の土圧で山留めが崩壊するおそれがある。対策:切梁は掘削の段階ごとに遅れなく架設して所定の切梁位置より深く掘らず,山留めの背面に重機や資材を置かない。

109 字
別解

状況又は作業内容:防音シートを張った外部足場が強風を受けて倒壊するおそれがある。対策:壁つなぎは枠組足場で垂直方向9m以下,水平方向8m以下に設け,シートの風荷重を考慮して必要に応じて間隔を狭める。

状況又は作業内容:鉄骨建方の途中で,本締め前の架構が強風や部材の荷重で倒壊するおそれがある。対策:建方ごとに建入れ直し用のワイヤロープで架構を固め,仮ボルトはボルト1群に対して1/3以上かつ2本以上締め付ける。

2. 崩壊,倒壊による災害(2つ目) 模範解答

状況又は作業内容:床スラブのコンクリート打込み時に,型枠支保工が荷重の偏りや水平力で倒壊するおそれがある。対策:組立図で強度を確認し,高さ3.5mを超える支保工は高さ2m以内ごとに水平つなぎを2方向に設け,打込みは偏らないように行う。

117 字
別解

状況又は作業内容:道路に面した鋼板製仮囲いが強風を受けて倒壊し,通行人に被害を与えるおそれがある。対策:風荷重に対して控えと基礎の固定を計算で確認し,控えを所定の間隔で設けて,仮囲いの脚部を基礎に堅固に固定する。

状況又は作業内容:鉄筋の先組みした柱筋や壁筋が,建込み後に強風や接触で倒壊するおそれがある。対策:建込み後は直ちに控えやワイヤロープで固定し,型枠を建て込むまで倒れ止めを外さない手順とする。

3. 移動式クレーンによる災害(1つ目) 模範解答

状況又は作業内容:移動式クレーンで鉄骨を吊り上げる際に,アウトリガー下の地盤が沈下してクレーンが転倒するおそれがある。対策:据付け地盤の支持力を確認して敷鉄板を敷き,アウトリガーを最大限に張り出して水平に据え付ける。

108 字
別解

状況又は作業内容:作業半径が大きくなる位置で吊り上げる際に,定格荷重を超えてクレーンが転倒するおそれがある。対策:最大作業半径と吊り荷の質量から定格荷重に余裕のある機種を選定し,据付け位置を作業計画で定める。

状況又は作業内容:敷地前面道路の高圧配電線の近くでクレーン作業を行う際に,ジブやワイヤロープが電線に接触して感電するおそれがある。対策:電線に防護管を設けるよう電力会社に依頼し,ジブの旋回範囲を制限して離隔距離を確保する。

3. 移動式クレーンによる災害(2つ目) 模範解答

状況又は作業内容:資材を吊り上げて旋回する際に,玉掛けの不良や荷振れで吊り荷が落下し,下の作業員に当たるおそれがある。対策:吊り荷の下を立入禁止区域としてバリケードで区画し,吊り荷には介錯ロープを付け,つり角度は60°以内とする。

115 字
別解

状況又は作業内容:長尺の鉄骨梁を吊り上げる際に,吊り荷が回転して作業員や仮設物に激突するおそれがある。対策:2点吊りとして吊り荷の両端に介錯ロープを取り付け,旋回範囲に人が入らないよう区画する。

状況又は作業内容:クレーンの旋回範囲内を通路として作業員が通行し,旋回するカウンターウエイトに挟まれるおそれがある。対策:旋回範囲を柵とバリケードで囲って立入禁止とし,通路は旋回範囲の外に設ける。

要点(書けていたものにチェック)1. 墜落,転落による災害(1つ目)1. 墜落,転落による災害(2つ目)2. 崩壊,倒壊による災害(1つ目)2. 崩壊,倒壊による災害(2つ目)3. 移動式クレーンによる災害(1つ目)3. 移動式クレーンによる災害(2つ目)
要点の 6 割以上で「正解」扱いにします。

模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。

解き方

  1. それぞれの災害について,施工計画の段階で検討する「災害のおそれがある状況・作業」と「設備・方法による対策」を組にして書く。除外事項(保護帽・墜落制止用器具の使用,朝礼,点検・整備などの日常管理,管理組織,新規入場者教育,資格・免許)に当たる対策は書かない。
  2. 墜落:作業床は幅40cm以上・床材間の隙間3cm以下,枠組足場は交さ筋かいと高さ15cm以上40cm以下の下さん又は高さ15cm以上の幅木(労働安全衛生規則第563条),開口部は囲い・手すり・覆い等(同第519条。手すりは一般に高さ85cm以上とし,中さんを設ける)が基本である。踏み抜きのおそれがある屋根は幅30cm以上の歩み板と防網(同第524条)。
  3. 崩壊・倒壊:山留めは切梁の遅れのない架設と過掘りの禁止,上載荷重の制限。型枠支保工は組立図の作成(同第240条),パイプサポートの高さ3.5m超は高さ2m以内ごとに2方向の水平つなぎ(同第242条)。枠組足場の壁つなぎは垂直9m・水平8m以下(同第570条)。鉄骨建方では,本接合までの仮ボルトを1群のボルト数の1/3以上かつ2本以上締め付ける(標仕 7.10.5(2))。
  4. 移動式クレーン:アウトリガーは原則として最大限に張り出す(クレーン等安全規則第70条の5),定格荷重を超えない(同第69条),吊り荷の下への立入禁止(同第74条の2)。つり角度は一般に60°以内とする。
引っかけ:「玉掛け者を有資格者とする」「作業開始前点検を行う」「新規入場者教育で周知する」は除外事項に当たる。同じ対策を2つの欄に言い換えて書くのも不可。

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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した1級建築施工管理技士 第二次検定 令和4年度(2022年10月16日(日)実施) 問題2。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する