令和元年度 問題1論点:施工経験記述重要度 A未着手

経験記述(品質管理)

これは1級建築施工管理技士 第二次検定 令和元年度(2019年10月20日(日)実施) 問題1の問題です。論点は「施工経験記述」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘が読めます。

建築工事の施工者は,設計図書等に基づき,要求された品質を実現させるため,施工技術力,マネジメント力等を駆使し,確実に施工することが求められる。あなたが経験した建築工事のうち,要求された品質を実現するため,品質管理計画に基づき,品質管理を行った工事を1つ選び,工事概要を具体的に記述したうえで,次の1.及び2.の問いに答えなさい。

なお,建築工事とは,建築基準法に定める建築物に係る工事とし,建築設備工事を除くものとする。

〔工事概要〕

イ.工事名

ロ.工事場所

ハ.工事の内容(新築等の場合:建物用途,構造,階数,延べ面積又は施工数量,主な外部仕上げ,主要室の内部仕上げ/改修等の場合:建物用途,建物規模,主な改修内容及び施工数量)

ニ.工期(年号又は西暦で年月まで記入)

ホ.あなたの立場

1. 工事概要であげた工事で,あなたが重点的に品質管理を実施した事例を2つあげ,次の①から③について具体的に記述しなさい。

ただし,2つの事例の工種名は同じでもよいが,他はそれぞれ異なる内容の記述とする。

① 工種名,要求された品質及びその品質を実現させるために設定した品質管理項目

② ①の品質管理項目を設定した理由

③ ①の品質管理項目について,実施した内容及び留意した内容

2. 工事概要にあげた工事にかかわらず,あなたの今日までの工事経験に照らして,次の①,②について具体的に記述しなさい。

ただし1.③と同じ内容の記述は不可とする。

① 作業所において,組織的な品質管理を行うための方法や手段

② ①の方法や手段で組織的な品質管理を行うことによって得られる効果

解答欄

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ご自身が担当した工事について書きます。本試験は解答用紙の枠に手書きです。書き終えたら「採点する」で記述例と要点を表示し、書けていた要点にチェックを入れて記録します。

経験記述は、受検者が自分の工事について書く問題です。記述例は書き方の参考として見てください。

正解

工事概要 イ.工事名の記述例

○○市△△庁舎新築工事

11 字
別解

(仮称)○○ビル新築工事

○○市立△△小学校校舎新築工事

工事概要 ロ.工事場所の記述例

○○県○○市△△町1丁目

12 字
別解

○○県○○市△△2丁目

○○県○○郡△△町大字□□地内

工事概要 ハ.工事の内容(新築等の場合:建物用途,構造,階数,延べ面積又は施工数量,主な外部仕上げ,主要室の内部仕上げ/改修等の場合:建物用途,建物規模,主な改修内容及び施工数量)の記述例

庁舎,鉄筋コンクリート造,地上5階建,延べ面積4,850m²,外壁:45二丁掛タイル改良圧着張り,主要室:床 タイルカーペット,壁 せっこうボード下地ビニルクロス張り,天井 岩綿吸音板張り

94 字
別解

事務所,鉄筋コンクリート造,地上8階建,延べ面積6,200m²,外壁:複層塗材E吹付け・一部小口タイル張り,屋上:アスファルト防水保護コンクリート仕上げ,主要室:床 フリーアクセスフロア下地タイルカーペット,壁 せっこうボード下地塗装,天井 化粧せっこうボード張り

学校(校舎),鉄筋コンクリート造,地上4階建,延べ面積3,600m²,外壁:複層塗材E吹付け・アルミニウム製連窓,主要室:床 ビニル床シート張り,壁 せっこうボード下地塗装,天井 岩綿吸音板張り,エントランスホール:柱・壁 コンクリート化粧打放し

工事概要 ニ.工期(年号又は西暦で年月まで記入)の記述例

平成29年4月~平成30年9月

15 字
別解

2016年10月~2018年3月

平成29年7月~平成31年2月

工事概要 ホ.あなたの立場の記述例

工事主任

4 字
別解

現場代理人

工事係(施工管理担当)

1. 事例1 ① 工種名の記述例

コンクリート工事

8 字
別解

鉄筋工事

型枠工事

1. 事例1 ① 要求された品質の記述例

外壁・屋根からの漏水の原因となるコールドジョイントや豆板のない密実な躯体

36 字
別解

所定のかぶり厚さが確保された耐久性のある躯体

設計図どおりの寸法・仕上りの平たんさを有する打放しコンクリート面

1. 事例1 ① その品質を実現させるために設定した品質管理項目の記述例

打重ね時間間隔と棒形振動機による締固めの方法

22 字
別解

スペーサーの配置とかぶり厚さ

型枠の建入れ精度と締付け

1. 事例1 ② ①の品質管理項目を設定した理由の記述例

躯体の打込みが7~8月の高温期となり,生コン車の到着が遅れると打重ね部が先に固まってコールドジョイントが生じ,外壁からの漏水につながるおそれがあったため。

77 字
別解

外壁が海に近く塩害を受けやすい環境にあり,かぶり厚さが不足すると鉄筋の腐食によってひび割れや爆裂が生じ,耐久性を損なうおそれがあったため。

エントランスホールの柱・壁が化粧打放し仕上げで,型枠のはらみや目違いがそのまま仕上り面の不具合になるため。

1. 事例1 ③ ①の品質管理項目について,実施した内容及び留意した内容の記述例

打込み区画ごとに打込み順序と配車計画を定め,打重ね時間間隔を外気温25℃以上で120分以内として,筒先ごとに打込み時刻を記録して管理した。また,棒形振動機を筒先1か所に2台配置し,挿入間隔60cm以下,先端を下層に10cm程度入れるよう作業員を指導したことに留意した。

134 字
別解

スペーサーを梁で間隔1.5m程度,スラブで0.9m程度に配置させ,配筋検査ではかぶり厚さを部位ごとに測定して記録した。打込み中も鉄筋係を常駐させ,スペーサーのずれや鉄筋の乱れを直ちに修正させることに留意した。

型枠は合板の割付け図を作成して目違いの生じない継目位置とし,セパレーターの間隔を側圧の計算で決めた。打込み前に下げ振りで建入れを確認し,打込み中は型枠大工を配置してはらみを監視することに留意した。

1. 事例2 ① 工種名の記述例

タイル工事

5 字
別解

防水工事

建具工事

1. 事例2 ① 要求された品質の記述例

外壁タイルの剥落のない十分な接着力を有する仕上げ

24 字
別解

屋上からの漏水のない防水層

外部建具まわりからの漏水のない納まり

1. 事例2 ① その品質を実現させるために設定した品質管理項目の記述例

張付けモルタルの塗付け面積と張付けの時間

20 字
別解

ルーフィングの重ね幅と増張りの範囲

建具まわりのモルタル充填とシーリングの施工

1. 事例2 ② ①の品質管理項目を設定した理由の記述例

庁舎の正面が歩行者の多い市道に面しており,タイルが剥落すると第三者への災害となるため,接着力に影響する張付けモルタルの施工管理が重要であったため。

73 字
別解

屋上に機械室を設けるため防水層の立上りや入隅が多く,その部分の施工不良が漏水につながるおそれがあったため。

外壁にアルミニウム製の連窓が多く,建具まわりの充填不良による漏水が過去の類似工事で起きていたため。

1. 事例2 ③ ①の品質管理項目について,実施した内容及び留意した内容の記述例

張付けモルタルの1回の塗付け面積を2m²/人以内に制限し,モルタルが手に付く状態のうちに張り終えるよう職長に指示した。施工後は100m²ごとに1個以上,全体で3個以上の引張接着試験を行い,0.4N/mm²以上であることを確認することに留意した。

122 字
別解

入隅・出隅は平場に先立ち幅300mm以上のストレッチルーフィングを増張りさせ,ルーフィングの重ね幅を100mm以上とした。各層の張付け後に重ね幅と浮きを確認し,写真で記録することに留意した。

建具枠と躯体の隙間はモルタルを2回に分けて充填させ,充填後に打診で空洞の有無を確認した。シーリングはプライマーの塗布からの時間を記録し,バックアップ材で目地深さをそろえることに留意した。

2. ① 作業所において,組織的な品質管理を行うための方法や手段の記述例

工種ごとに管理項目・管理値・検査方法・記録者を定めた品質管理表を作成し,着工前に協力会社の職長を集めた施工検討会で内容を周知する。施工中は職長による自主検査と元請の検査の二段階で確認し,チェックシートで記録する。

106 字
別解

毎日の昼礼で翌日の作業内容と品質上の重点項目を各職長に伝え,週1回の品質パトロールで指摘事項を是正させ,その結果を工程会議で全員に共有する。

過去の工事で生じた不具合事例をまとめたチェックリストを作業所で共有し,施工の前に該当する事例と防止策を作業員に周知する。

2. ② ①の方法や手段で組織的な品質管理を行うことによって得られる効果の記述例

管理項目と責任者が明確になり,協力会社が自ら品質を確認するようになるため,手直しや手戻りが減る。また,検査の記録が残ることで品質の確認と次工程への引継ぎが確実になり,工事全体の品質が安定する。

96 字
別解

品質上の重点が作業員まで行き渡り,同じ不具合の繰り返しを防げる。また,指摘事項の共有によって是正が早くなり,工程の遅れも防げる。

経験の浅い作業員でも過去の失敗事例から注意点を事前に把握できるため,不具合の発生を未然に防止でき,品質のばらつきが小さくなる。

要点(書けていたものにチェック)工事概要 イ.工事名工事概要 ロ.工事場所工事概要 ハ.工事の内容(新築等の場合:建物用途,構造,階数,延べ面積又は施工数量,主な外部仕上げ,主要室の内部仕上げ/改修等の場合:建物用途,建物規模,主な改修内容及び施工数量)工事概要 ニ.工期(年号又は西暦で年月まで記入)工事概要 ホ.あなたの立場1. 事例1 ① 工種名1. 事例1 ① 要求された品質1. 事例1 ① その品質を実現させるために設定した品質管理項目1. 事例1 ② ①の品質管理項目を設定した理由1. 事例1 ③ ①の品質管理項目について,実施した内容及び留意した内容1. 事例2 ① 工種名1. 事例2 ① 要求された品質1. 事例2 ① その品質を実現させるために設定した品質管理項目1. 事例2 ② ①の品質管理項目を設定した理由1. 事例2 ③ ①の品質管理項目について,実施した内容及び留意した内容2. ① 作業所において,組織的な品質管理を行うための方法や手段2. ② ①の方法や手段で組織的な品質管理を行うことによって得られる効果
要点の 6 割以上で「正解」扱いにします。

記述例は当サイトが作成した架空の工事の例です。ご自身の工事にあてはめて書いてください。管理項目別の例文と書き方のポイント →

解き方

  1. 工事概要は,新築等の場合は建物用途・構造・階数・延べ面積又は施工数量・主な外部仕上げ・主要室の内部仕上げ,改修等の場合は建物用途・建物規模・主な改修内容及び施工数量を漏れなく書く。工期は年月まで書く。
  2. 1.の①〜③は「要求された品質 → それを実現するための品質管理項目 → その項目を選んだ理由(工事の条件)→ 実施した内容と留意した内容」が一続きになるように組み立てる。2つの事例は工種名が同じでもよいが,品質・管理項目・理由・実施内容は別の内容にする。
  3. ③は数値(打重ね時間間隔,振動機の挿入間隔,塗付け面積,試験の頻度と判定値など)を入れると具体的になる。記述例の数値は,標仕6.6.5(棒形振動機の挿入間隔60cm以下),11.2.6(張付けモルタルの1回の塗付け面積2m²/人以内),11.1.7・表11.1.2(引張接着強度0.4N/mm²以上),9.2.4(増張り幅300mm以上)による。打重ね時間間隔(外気温25℃以上で120分以内)は一般にいわれる目安である。
  4. 2.は特定の工事ではなく今日までの経験から,作業所として組織的に品質管理を行う方法(品質管理表・QC工程表,施工検討会,自主検査と元請検査の二段階,品質パトロール,不具合事例の共有など)と,それによって得られる効果を書く。1.③と同じ内容は不可とされている。
  5. 記述例は当サイトが作成した架空の工事である。自分の経験した工事について,同じ組立てで書く。
引っかけ:2.は「工事概要にあげた工事にかかわらず」書く設問で,1.③の実施内容の繰り返しは不可。工事概要の項目(特に主な外部仕上げ・主要室の内部仕上げ)の書き漏れに注意する。

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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した1級建築施工管理技士 第二次検定 令和元年度(2019年10月20日(日)実施) 問題1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する