平成30年度 問題2論点:安全管理重要度 B未着手

災害の防止(墜落・転落,電気,車両系建設機械)

これは1級建築施工管理技士 第二次検定 平成30年度(2018年10月14日(日)実施) 問題2の問題です。論点は「安全管理」(重要度B・解答の形は記述)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘・現行の法令・基準との関係が読めます。

建築工事における次の1.から3.の災害について,施工計画に当たり事前に検討した災害の発生するおそれのある状況や作業の内容と災害を防止するための対策を,それぞれ2つ具体的に記述しなさい。

ただし,解答はそれぞれ異なる内容の記述とする。また,安全帯や保護帽の使用,朝礼時の注意喚起,点検や整備などの日常管理,安全衛生管理組織,新規入場者教育,資格や免許に関する記述は除くものとする。

1. 墜落,転落による災害

2. 電気による災害

3. 車両系建設機械による災害

解答欄

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本試験は解答用紙の枠に手書きです。書き終えたら「採点する」で模範解答と要点を表示し、書けていた要点にチェックを入れて記録します。

字数は本試験の解答欄に入るおおよその量です。「〜する」「〜を行う」の形で、具体的な数値や方法まで書くと要点が入りやすくなります。

正解

1. 墜落,転落による災害(1つ目) 模範解答

状況:外部の枠組足場上で外壁の仕上げ作業を行う際,足場の外側へ墜落するおそれがある。対策:交さ筋かいに加え,高さ15cm以上40cm以下の下桟又は高さ15cm以上の幅木を設ける。

89 字
別解

状況:はしごで外部足場の上り下りを行う際,足を踏み外して転落するおそれがある。対策:足場の各層に手すり付きの階段を昇降設備として設け,はしごでの昇降をなくす計画とする。

状況:脚立を用いて天井下地やボードの取付け作業を行う際,脚立からバランスを崩して転落するおそれがある。対策:脚立に代えて,手すり付きの可搬式作業台や移動式室内足場を用いる計画とする。

状況:鉄骨建方後に梁上で床デッキプレートの敷込み作業を行う際,梁の間から墜落するおそれがある。対策:敷込み前に梁下へ墜落防止用の水平ネットを全面に張り,すき間なく取り付ける。

1. 墜落,転落による災害(2つ目) 模範解答

状況:床スラブの設備シャフトや階段の開口部まわりで型枠・鉄筋作業を行う際,開口部から墜落するおそれがある。対策:開口部に高さ85cm以上の手すりと中桟を設けるか,堅固な覆いを固定し表示する。

95 字
別解

状況:屋上のパラペット際で防水や笠木の作業を行う際,パラペットが低く外部へ墜落するおそれがある。対策:パラペット天端から立ち上げて高さ85cm以上となる仮設手すりと中桟を設ける。

状況:外部足場の作業床と躯体の間に広いすき間がある状態で外壁作業を行い,すき間から墜落するおそれがある。対策:作業床と躯体の間隔をできるだけ狭く計画し,すき間が広くなる箇所には内側にも手すりを設ける。

状況:吹抜けに面した2階床の端部で内装作業を行う際,床の端から吹抜けへ墜落するおそれがある。対策:床の端部に手すりと中桟を設け,作業中に取り外さない納まりとする。

2. 電気による災害(1つ目) 模範解答

状況:仮設分電盤から延長コードで電動工具を使用する際,工具や電線の絶縁不良による漏電で感電するおそれがある。対策:分電盤の分岐回路に感電防止用漏電遮断装置を設け,電動工具の外枠を接地する。

94 字
別解

状況:鉄骨上で交流アーク溶接を行う際,汗でぬれた手で溶接棒ホルダーや溶接棒に触れて感電するおそれがある。対策:自動電撃防止装置付きの溶接機を使い,絶縁効力のある溶接棒ホルダーを用いる。

状況:仮設電線を通路の床にはわせて配線し,車両や資材で被覆が損傷して感電するおそれがある。対策:電線は通路の上部に架空配線とするか,堅固な防護カバーで覆い損傷を防ぐ。

状況:雨天時に屋外で投光器や水中ポンプを使用する際,接続部への浸水により漏電し感電するおそれがある。対策:防水型のコンセント・接続器を使い,接続部を地面から離して設置する。

2. 電気による災害(2つ目) 模範解答

状況:敷地境界に近接する架空配電線の下で移動式クレーンによる揚重作業を行う際,ブームやつり荷が電線に接触し感電するおそれがある。対策:電力会社に依頼して電線に絶縁用防護管を取り付け,監視人を置く。

98 字
別解

状況:架空電線の近くで鉄筋や長尺の単管を運搬する際,材料が電線に接触して感電するおそれがある。対策:電線との離隔距離を確保した運搬経路を定め,電線の下を立入禁止とする。

状況:仮設分電盤の扉を開けたまま作業員が配線をつなぎ替える際,充電部に触れて感電するおそれがある。対策:分電盤は施錠して充電部に絶縁覆いを設け,接続の変更は電源を遮断してから行う。

状況:地下躯体の湿潤な場所で照明や電動工具を使用する際,漏電により感電するおそれがある。対策:分岐回路に感電防止用漏電遮断装置を設け,移動電線はキャブタイヤケーブルを用いる。

3. 車両系建設機械による災害(1つ目) 模範解答

状況:根切り工事でバックホウが掘削端部の近くを走行・作業する際,路肩の崩壊や地盤の不同沈下で転倒・転落するおそれがある。対策:路肩から離れた走行経路を定め,敷鉄板を敷き,誘導者を配置する。

94 字
別解

状況:杭打機を軟弱な地盤上で移動・据付けする際,地盤が沈下して杭打機が転倒するおそれがある。対策:作業範囲の地盤を改良し,敷鉄板を敷いて支持力を確保してから据え付ける。

状況:バックホウで山留め用の鋼材を吊り上げて運搬する際,つり荷の落下や機械の転倒のおそれがある。対策:主たる用途以外に使わないことを原則とし,やむを得ない場合はフック付きの機種で定格荷重以下とする。

状況:ダンプトラックが後退して場内の積込み位置へ進入する際,後方の作業員がひかれるおそれがある。対策:場内の走行経路を一方通行に計画して後退を減らし,誘導者を配置して合図を定める。

3. 車両系建設機械による災害(2つ目) 模範解答

状況:狭い敷地でバックホウを旋回させて掘削・積込みを行う際,作業半径内の作業員に接触するおそれがある。対策:作業半径内をバリケードで区画して立入禁止とし,やむを得ず立ち入る場合は誘導者を配置する。

98 字
別解

状況:解体用機械で既存建物の解体作業を行う際,解体物の落下や飛散で周囲の作業員が被災するおそれがある。対策:作業範囲を立入禁止とし,解体物の落下範囲に人が入らないよう監視する者を配置する。

状況:ブルドーザーで場内の整地を行う際,後退時に背後の作業員と接触するおそれがある。対策:作業範囲を区画して立入禁止とし,誘導者を配置して後退時の合図を定める。

状況:坂路の場内仮設道路を不整地運搬車が走行する際,勾配や路肩の崩れで転倒・転落するおそれがある。対策:仮設道路の勾配を緩くし,幅員を確保して路肩を補強し,必要に応じ誘導者を配置する。

要点(書けていたものにチェック)1. 墜落,転落による災害(1つ目)1. 墜落,転落による災害(2つ目)2. 電気による災害(1つ目)2. 電気による災害(2つ目)3. 車両系建設機械による災害(1つ目)3. 車両系建設機械による災害(2つ目)
要点の 6 割以上で「正解」扱いにします。

模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。

解き方

  1. 状況・作業の内容は「どの作業で,何が原因で,どのような災害が起こるおそれがあるか」を具体的に書き,対策はその原因を取り除く設備・方法を書く。除外事項(安全帯・保護帽の使用,朝礼,点検・整備,管理組織,新規入場者教育,資格・免許)に当たる対策は採点されない。
  2. 墜落・転落:高さ2m以上の作業床の端・開口部には囲い・手すり・覆い等を設ける(労働安全衛生規則第519条)。わく組足場は交さ筋かいに加え,高さ15cm以上40cm以下の下桟若しくは高さ15cm以上の幅木等又は手すりわくを設ける(同第563条)。足場の手すりは高さ85cm以上とし,中桟(高さ35cm以上50cm以下)等を設ける。脚立上の作業は,手すり付きの可搬式作業台などに置き換えると防ぎやすい。
  3. 電気:移動式又は可搬式の電動機械器具には感電防止用漏電しゃ断装置を接続する(同第333条)。交流アーク溶接機は導電体に囲まれた場所や高さ2m以上の箇所などで自動電撃防止装置を使用し(同第332条),溶接棒ホルダーは絶縁効力のあるものを使う(同第331条)。架空電線に近接する作業では,移設,囲い,絶縁用防護具の装着,監視人の配置などを行う(同第349条)。
  4. 車両系建設機械:転倒・転落のおそれがあるときは誘導者の配置,地盤の不同沈下の防止,路肩の崩壊防止などを行う(同第157条)。運転中の機械に接触するおそれのある箇所には労働者を立ち入らせない(誘導者を配置して誘導させる場合を除く。同第158条)。主たる用途以外の使用(荷のつり上げなど)は原則禁止で,フック等を備えた機械で定格荷重以下とするなどの条件を満たす場合に限り認められる(同第164条)。
引っかけ:「安全帯を使用させる」「ヘルメットを着用させる」「作業開始前に点検する」「KYで注意喚起する」は除外事項で得点にならない。同じ災害の2つの解答は,状況も対策も別の内容にする。
現行法令との関係:問題文の「安全帯」は,2019年2月施行の労働安全衛生法施行令・労働安全衛生規則の改正で「墜落制止用器具」に改められた。また,足場については2023年10月から点検者の指名(労働安全衛生規則第567条),2024年4月から幅1m以上の箇所での本足場の使用(同第561条の2)が施行され,2025年4月からは立入禁止などの措置が同じ場所で作業する労働者以外の者(一人親方等)にも及ぶようになった。問題の前提は変わらず,記述例は現行の規定で書いた。

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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した1級建築施工管理技士 第二次検定 平成30年度(2018年10月14日(日)実施) 問題2。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する