普通コンクリートの調合
これは1級建築施工管理技士 第一次検定 令和5年度(2023年6月11日(日)実施) No.56の問題です。論点は「コンクリート工事」(重要度B・解答の形は五肢択一)。採点すると、解き方 3 手順・選択肢 5 つそれぞれの解説・引っかけの指摘・現行の法令・基準との関係が読めます。
普通コンクリートの調合に関する記述として,不適当なものを2つ選べ。
解答欄
正解
正解:(1) 粗骨材は,偏平なものを用いるほうが,球形に近い骨材を用いるよりもワーカビリティーがよい。 / (5) 調合管理強度が21N/mm²のスランプは,一般に21cmとする。
2 つとも選んで正解です。
解き方
- 偏平・細長い粗骨材は粒子間のかみ合わせが悪く,流動性が低下して材料分離も起こしやすい。球形に近い骨材のほうがワーカビリティーはよいので,(1)は不適当である。
- スランプは,一般に調合管理強度33N/mm²未満では18cm以下,33N/mm²以上では21cm以下とする。標仕 表6.2.2でも柱・梁・スラブ・壁は18cmとしている。調合管理強度21N/mm²で21cmとした(5)は不適当である。
- 空気量4.5%(標仕 6.3.2),アルカリ総量3.0kg/m³以下による抑制対策(JIS A 5308),調合管理強度=品質基準強度+構造体強度補正値(日本建築学会のJASS 5の定義。標仕6.3.2では設計基準強度+構造体強度補正値)はいずれも適当である。
選択肢ごとの解説
- (1)不適当。偏平な骨材はワーカビリティーを悪くする。球形に近い骨材のほうがよい。
- (2)適当。AE剤等を用いる普通コンクリートの空気量は4.5%とする(標仕 6.3.2)。
- (3)適当。無害と判定されない骨材でも,コンクリート中のアルカリ総量を3.0kg/m³以下に抑えるなどのアルカリシリカ反応抑制対策をとれば使用できる(JIS A 5308)。
- (4)適当。日本建築学会のJASS 5の定義では,調合管理強度は品質基準強度に構造体強度補正値を加えて定める(標仕(令和4年版)6.3.2では設計基準強度に構造体強度補正値を加えた値とする)。
- (5)不適当。調合管理強度33N/mm²未満のスランプは一般に18cm以下とする。21cmは33N/mm²以上の場合の値である。
引っかけ:スランプの境目は調合管理強度33N/mm²(未満18cm・以上21cm)。
現行法令との関係:公共建築工事標準仕様書(平成31年版・令和4年版・令和7年版の6.3.2(ア)(a))は,調合管理強度を「設計基準強度(Fc)に構造体強度補正値(S)を加えた値」としており,品質基準強度という語は用いていない。「品質基準強度に構造体強度補正値を加えたもの」は日本建築学会のJASS 5の定義で,品質基準強度は設計基準強度と耐久設計基準強度の大きいほうの値である。耐久設計基準強度が設計基準強度以下であれば両者は同じ値になる。この記述はJASS 5の定義どおりで適当であり,答えは変わらない。
同じ論点の過去問
令和8年度 No.27コンクリートの運搬及び打込み
令和8年度 No.52普通コンクリートの調合
令和7年度 No.26コンクリートの調合(空気量・水セメント比・単位セメント量)
令和7年度 No.27コンクリートの養生(湿潤養生の打切り)
令和6年度 No.27コンクリートの養生
論点ページ:コンクリート工事の要点この論点の出題実績とよくある間違い
→令和5年度の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した1級建築施工管理技士 第一次検定 令和5年度(2023年6月11日(日)実施) No.56。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する