違反建築物の措置・工事監理者
これは1級建築施工管理技士 第一次検定 平成30年度(2018年6月10日(日)実施) No.72の問題です。論点は「建築基準法」(重要度A・解答の形は四肢択一)。採点すると、解き方 2 手順・選択肢 4 つそれぞれの解説・引っかけの指摘・現行の法令・基準との関係が読めます。この問題は、本試験の問題を2026年10月時点の法令・基準に照らして一部改訂したものです。
次の記述のうち,「建築基準法」上,誤っているものはどれか。
解答欄
正解
正解:(2) 建築主事は,建築基準法令の規定に違反した建築物に関する工事の請負人に対して,当該工事の施工の停止を命じることができる。
解き方
- 違反建築物の工事の請負人などに工事の施工の停止を命じることができるのは特定行政庁である(建築基準法第9条第1項)。緊急の場合は特定行政庁又は建築監視員が施工停止を命じることができる(同条第10項,法第9条の2)。
- 建築主事にはこの命令の権限はないので,(2)が誤りである。
選択肢ごとの解説
- (1)正しい。建築監視員は,工事施工者に工事の施工の状況に関する報告を求めることができる(法第12条第5項)。
- (2)誤り。違反建築物の工事の施工停止を命じるのは特定行政庁(緊急時は建築監視員を含む)であり,建築主事ではない(法第9条第1項・第10項,第9条の2)。
- (3)正しい。延べ面積300m²を超える鉄骨造の建築物の工事監理は一級建築士でなければできないので,建築主は一級建築士である工事監理者を定める(建築士法第3条第1項第3号,建築基準法第5条の6第4項)。
- (4)正しい。特定行政庁は,法第6条第1項第1号の特殊建築物(用途に供する床面積の合計が200m²を超えるもの)などが劣化により著しく保安上危険となるおそれがあると認める場合,所有者等に除却などを勧告できる(法第10条第1項)。
問題改訂の内容
本試験の(4)は「特定行政庁は,飲食店に供する床面積が100m²を超える建築物の劣化が進み,そのまま放置すれば著しく保安上危険となると認める場合,相当の猶予期限を付けて,所有者に対し除却を勧告することができる。」だった。建築基準法第10条第1項の勧告の対象は「第6条第1項第1号に掲げる建築物その他政令で定める建築物」で,第6条第1項第1号の特殊建築物は,出題当時は用途に供する床面積の合計が100m²を超えるものだったが,平成30年法律第67号(2019年6月25日施行)で200m²を超えるものに改められた。現行の規定では床面積が100m²を超え200m²以下の飲食店は勧告の対象に当たらない場合があり(4)も誤りとなって,正答が(2)(4)の2つになる。正答が 2 つにならないよう(4)の床面積を現行の「200m²」に改めた。正答は本試験と同じ(2)。
- 建築基準法 第6条第1項第1号(2019年6月25日施行)
- 建築基準法 第10条第1項
本試験の原文(改訂前)を見る
- (1)建築監視員は,建築物の工事施工者に,当該工事の施工の状況に関する報告を求めることができる。
- (2)建築主事は,建築基準法令の規定に違反した建築物に関する工事の請負人に対して,当該工事の施工の停止を命じることができる。
- (3)建築主は,延べ面積が300m²を超える鉄骨造の建築物を新築する場合は,一級建築士である工事監理者を定めなければならない。
- (4)特定行政庁は,飲食店に供する床面積が100m²を超える建築物の劣化が進み,そのまま放置すれば著しく保安上危険となると認める場合,相当の猶予期限を付けて,所有者に対し除却を勧告することができる。
本試験の正答:(2)
改訂は資格試験対策.netが行ったもので、主催者によるものではありません。2026年10月時点の法令・基準にもとづきます。
同じ論点の過去問
平成30年度の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した1級建築施工管理技士 第一次検定 平成30年度(2018年6月10日(日)実施) No.72。現行の法令・基準に照らして一部を改訂しています(本試験の原文は解説の「問題改訂の内容」)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する